パイナップル、悲劇

「あらあ、いらっしゃい。」

 紫色の店内。のれんを潜ると女将の生温いエロティックボイスが私を迎える。パイナップルバー、たかし。ここに来ると、パイナップルが貰える。

「いつもの。」

 私はカウンター席につき、注文した。わたし以外客はいない。

「はい、どうぞ。」

 間も無く、丸々太ったパイナップルが目の前に運ばれてきた。てっぺんの草が、ちょんまげみたい。爆発したちょんまげみたいでかっこいい。とっても、立派だ。なんだか輪郭もまるまるとしていて力強い。はさみでちょちょちょ。ちょちょちょちょちょ。目、鼻、口を描く。こいつに生活保護を受給させよう。私は市役所へ急いだ。

「ありがとうございました。」

「また来てねえ」

 ガラガラガラ〜

 怪しい店内を後にし、市役所へ急ぐ。

 タタタタターッ!!タタタタターッ!!

 自動ドアが開く。市役所に入る。なんだかいい。市役所はいい。公務員の職場は資本主義とは離れている感じがして、落ち着くのだ。まず、整理番号を入手しなければ。ええと、各種手続き。
↓続き

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883455812/episodes/1177354054898047556


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