見出し画像

コロナ禍初登山で思い知ったこと     奥秩父連峰 金峰山 (2020.10.13)

新型コロナウィルスの感染拡大で様々な縛りが出来て、全てが初めての経験となる中、手探りでこのブログを書き始めて早半年。生活パターンで変化の局面が訪れたので投稿することにしました。最初に結論を申し上げると、コロナで失ったもの、特に体に関わる部分を補完するのはかなり大変だなということです。このコロナの状況で見えた秋の一日を切り取ってお伝えできればと思います。

画像3

今回目指したのは奥秩父連峰の金峰山、そして長野県川上村の廻り目平。廻り目平は岩登りをする方には聖地みたいなところで、私ももう少し若かったらやっています。奥秩父連峰北側、長野県側は美しいカラマツの林が広がり、紅葉の季節になると黄金の絨毯に覆われたようになります。20年以上前は、この季節三国峠と大弛峠を組み合わせた二輪林道ツーリングをしていました。今回のお目当てもカラマツの紅葉と金峰山からの絶景です。

【1】長~い登り

コロナ前のシーズン中は入場出来ないほど混雑の日もあると聞いていた「廻り目平」ですが、秋の平日はとても静か、キャンプ客と岩登りの人たちがちらほらいただけでした。こちらから標高差にして1057M同じコースを日帰りで往復でしたので、17時という日没時刻を考えるとそれほど余裕があるわけではありません。

又今回は、久しぶりに引っ張り出してきたAKUの底厚な本格的な登山靴だったので足の具合も少々心配になりました。最近はハーフカットのトレランシューズ的なものを履く事が多く、硬い靴には足が慣れていません。しかし、結果的にはこれが「吉」と出ました。

金峰山というと大弛峠からの往復が一般的なコースで川上村の北から入るルートは余り人気がありません。その分静かな山旅が期待できます。又、林道と原生林の区間が長くて、金峰山小屋までは「展望」は望めません。しかしながら、コロナ禍の中、静けさと安全を求めて山に入る以上、混雑の無い平日に不人気なコースを選ぶのは自然の流れと言えますね。

画像6

景色はざっくりと説明すれば、八丁平までの1時間は単調な林道、そこから金峰山荘まではシャクナゲなどに覆われた原生林。踏み後は明瞭で、登山道もきちんと整備されています。又、標高を示した道標もあるので元気が出ますね。

画像4

画像5

八丁平から根気よく登ること2時間、金峰山小屋に到着。この登りは比較的単調ですが、原生林の表情を注視すると苔の森に優しく差し込む朝日など色々な発見があってあっという間の2時間でした。ただ、朝飯がとても早く、小屋に着いたころには「シャリバテ」状態でした。

画像7

私はどうしても燃費が悪いので腹が減ったら好きなだけ食べるという方針で、頂上直下でほとんどのおにぎりを食べてしまいました。山の北側は早朝からガスに覆われていましたが、この時点でまだ上も下もガスで視界が悪く絶景は頂上までお預けでした。

画像13

【2】金峰山 山頂(2599M)

金峰山小屋から山頂までは花崗岩がゴツゴツしている足場の悪い斜面を登っていきます。このような場面ではストックが欲しかったといつも思うのですが後の祭りです。コースタイムでは20分とありますが、結局30分かかりました。コースタイムから遅れをとった時、いつも自分の体力が後退したのか、他に要因があるのか悩んでしまい、今回の大きな反省点でもありました。

画像9

最後の登りは山頂に近づくにつれて急に、岩も大きくなります。はじめてこのルートを登る方は、頂上が果てしなく遠く感じるかもしれません。

山頂は大きな花崗岩が積み重なった一番高い部分より一段下がったところで、有名な五丈岩からゴツゴツの岩場を5分程歩いたところで、展望は北側だけ。山頂は比較的平らで、自分の好きな場所で弁当を広げるスペースは十分あります。平日だったので、お昼時20~30人の人が居たかと思います。多分大半が大弛峠往復の登山者だと思います。しかし、週末好天の日はこの10倍とは言わずとも、相当数の人が登るでしょうから、山頂の写真とかはかなり「密」になることが予想されますね。個人的には、短い紅葉の季節等、週末には相当人が集中するでしょうからコロナ禍の中、安心して行ける条件は厳しくなると思います。

画像13

ガスは時間を追うごとに切れてきましたが、残念ながら今回は富士山は拝むことはできませんでした。しかし、西方の切り立った稜線と瑞牆山は綺麗に見えました。瑞牆山は頂上が狭いので、この時期週末は大変な事になるのではと思ってしまいました。

画像13

頂上では小一時間五丈岩や周辺の景色を見てこの半年来れなかった山の空気を思い存分吸ってのリラクシングタイムとなりました。

【3】下り

日帰り登山の悲しいところは、帰路の時間の制約があること。そして帰路の体力を温存すること。下山時間の目標は16時でしたが、昼食で元気になり、一気に八丁平分岐まで下山します。ここは変化の無い登山道を黙々と下りてゆきます。

山頂から1時間40分、八丁平分岐に。この間2度ばかり濡れた木の根に足を取られ転倒してしまいました。これは履いている靴が原因ではなく、結構深刻に自分の体で起きている変化として受け止めました。有酸素運動から遠ざかっていたり、使えていない筋肉が多数あったりと、コロナ禍で意識して習慣化していた散歩では維持出来ていない問題点があることを思い知らされた瞬間でした。

画像11

そして、最後の1時間あまりは、足場の悪い林道。底の硬い登山靴では足元がグラグラして非常に疲れてしまいました。しかし、空は快晴になり、奇岩を彩る紅葉が非常に美しく、何とか廻り目平まで無事に戻ることが出来ました。時刻は午後3時。日帰りで帰京してもそれほど遅くならない時刻。

画像12

こうして、久しぶりの山旅は紅葉と絶景に心を癒す事が出来ました。

【4】発見

自分の体の異変に気が付く良い機会になりました。有酸素運動の不足を実感しました。これは他の活動にも悪影響を及ぼす可能性があり、至急改善の必要があります。とにかく登りで息が切れるのがはやかったです。心臓に負荷をかける事に慣れていないことから、日ごろテニスなどをやっていてもこれは別途対応する必要があります。

★私の「癖」なのですが、どちらかというと右足加重の傾向があり、この半年の間で脚力のアンバランスが生まれているようです。特に左足首で可動域が小さくなり固さが目立ってきています。下山時の転倒は本来左足で踏ん張ってバランスを取るべきところで力が入らなかったためです。

→→このように左右バランスの取れた大腿部を中心にした脚力の回復が急務です。先日庭先で腐っていたクロスバイクを復活させ、自転車に乗ることにしました。

→→筆者はコロナ対策で極力オートバイ通勤をしていましたが、気温が下がる中方向性を検討。電車通勤で立っていることは意外と重要だと感じています。車やオートバイの通勤になると歩く量が大幅に減り筋力維持の場が少なくなります。

休止していていたことを復活させることで、問題点が見えてくるものですね。今回の登山は思いもよらぬ収穫でした。月1回は無理にしても、それなりに負荷のかかる山行は自分にとっては不可欠と感じました。

最後に簡単なデータを掲載します。残された紅葉シーズン、参考にして頂ければ幸いです。

【5】コースタイム(2020/10/13/火曜/天候:曇り→晴)& Info

廻り目平(07:00)・・・八丁平分岐(08:00/08:15)・・・金峰山小屋(10:15/10:30)・・・金峰山頂(11:00/12:05)・・・金峰山小屋(12:30 休息なし)・・・八丁平分岐(13:45/1400)・・・廻り目平(15:00)  ※平日で渋滞もなく半分下道を走りましたが、19時には都内の自宅に帰宅していました。

画像1

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?