見出し画像

僕が良いと感じるタイトルの本が、なぜか売れてしまう、たった一つの理由


どうも、僕です。

営業部のイシカワトオルです。

一部の親しいスタッフからは
「トゥルー(TRUE=真実)」と、
大部分のあまり親しくないスタッフからは
「イシカワくん」と呼ばれています。
イシカワ・トゥルーです。よろしくお願いします。

先日、ある会議で、
編集長から突然こんなことを言われました。
「イシカワくんって、AMラジオ感が強いね。FM感がない」

たしかに僕は
AMかFMかでいったら、AMばかり聞いています。
特にTBSラジオが大好きです。
だから、その場では「そうですね」と適当に流してしまいました。

でもあとあと編集長の言う、
「AMラジオくさい」「FMラジオっぽい」というのが、
いったいどういう人間をさすのか気になって、
あらためて考えてみました。

勝手な決めつけですが、

FMというと、
美男美女、青山赤坂六本木、カフェ、ボサノバ、特別な一日、旅、自分らしく生きれば成功する、サーフィン、外車、ちょいワル、英語ペラペラ、クリス・ペプラー…

AMというと、
おじさん、北区葛飾区足立区、喫茶店、野球中継、今日もあいかわらず、生活密着、みんな大変だなあ、銭湯、自転車、酔っぱらい、毒舌べらべら、毒蝮三太夫…

といったところでしょうか。

要素を並べてみると、ある気づきがありました。

それは
なぜ僕がいいと感じたタイトルの本がヒットするのか?
ということ。

本の中でも
実用書というジャンルは、基本的に
「マイナスからゼロ」をめざすか
「ゼロからプラス」をめざすものです。

前者は「ミスをなくす」「損をしない」「常識として知りたい」など、
後者は「できる人になる」「一歩先をいく」「時代を先取りする」などです。

そして、僕が標準装備している“AMラジオ感”というスキルは、
特にこの「マイナスをゼロ」にしよう的な本のときに、
ものすごい効果を発揮
します。

僕は営業マンなので、本のパッケージ会議に加わるのですが、
本のパッケージを考えるとき、
ずっと「AMラジオ」をイメージしているのです。
リスナーからの相談ハガキとか、職場あるあるの話とか、ラジオの途中にはさまれるCMとか。
そしてその世界にいる人たちが、実際に何を感じて、どんな風に生きているのかを、想像の中で歩いて、見て、聞いて回るのです。

これが僕のやり方です。

そして2018年の7月に発売した
『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』
という本がベストセラーになったのは、
あるていど、いやほとんど、いや言ってしまえば100%?
僕の“AM感”が生み出したタイトル力のおかげ
じゃないか思っています。誰もそうは言ってくれませんが。

いや、僕の人生を侮ってもらっては困ります。
僕の人生、「なんで僕だけが?」と思うようなネガティブな出来事がほぼ毎日起きているのです。
この前なんて、ただすれ違っただけなのに、見ず知らずの人から「お前、死ね!」と怒鳴られました。
ひどいです。
でも、もう慣れている。僕は考え方一つで、わりと楽になれる。
(あの人、スマホ持ってたから、電話の相手に向かって怒鳴ったのかもしれない)
(あの人はもしかしたら外国人で、「オマエシネ」というのは、親愛の情を表す現地の挨拶なのかもしれない)
(僕のことを三谷幸喜と見間違えたのかもしれない)

嫌なことがあっても、“気にしない”。
そう思えることが大事だ。
そんな気持ちが、同じように悩んでいる人たちに伝わるタイトルがいいと、
心の底から思ったんです。

そしてタイトルは会議で二転三転どころか、何十転もして、
最終的に、僕の自信に満ちた決断により、
「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」
に決定しました。

僕の感性のすごさ、伝わっていますでしょうか。

「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」
この言葉は実際、著者さんが
お友だちからもらった言葉なのだそうです。
やっぱり生活の中から生まれた言葉は、最強だなと思います。
そしてその最強さを見抜ける、僕の感性もすごいんです。

これからもこの僕のAM感を活かして、
いろんな暮らしをしている人たちのことを思いながら、
いい本を作っていければと思いますので、
応援をよろしくお願いします。

画像1

テキスト 石川 亮(いしかわ とおる)1985年山梨県生まれ。サンクチュアリ出版営業部。独身。メガネ。彼女募集中(2019年5月現在)。ラジオと玄米緑茶割が主成分。目玉焼きはしょう油派。いつも鼻の頭に汗かいてます。


編集 橋本圭右(はしもとけいすけ)1974年東京生まれ。サンクチュアリ出版編集長。主に山と電車とファミレスで活動。編集した本。好きなものはゲーム、ジムニー、ベイスターズなど。



気に入ってくれたら、サポートをお願いします!