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9月19日 vsジュビロ磐田 マッチレビュー

9月19日 19:00キックオフ
ジュビロ磐田 2-3 栃木SC
磐田:ルキアン(10分)ルキアン(55分)
栃木:矢野(50分)明本(82分)柳(93分)

アディショナルタイムでの劇的な逆転勝利!!
前線からのハイプレッシャーをかけまくる栃木攻撃陣。対する磐田は栃木のDFラインの背後のスペースを狙ったロングボールで局面の打開を図る。
前半10分中央でボールを受けた小川航基がワンタッチで反転し裏抜けを狙うルキアンへの浮き球のパス。縦突破したルキアンはそのまま落ち着いてゴールを決めあっさり先制。
先制されても栃木のハイプレスの勢いは止まらない。ハイプレスからGKのミスを誘い森が頭でシュートを打つもGK正面。決定機を活かせない。43分にはムサエフが飛び出したGK川田の頭の上を超すループシュートを打つがライン上で高杉がクリア。このまま前半終了。
後半になると田代のクリアボールに反応した明本が大井を抜き去りペナルティエリアに侵入、GKに倒されPKを獲得。矢野が中央に決めて同点に追いつく。しかし5分後今度が瀬川がペナルティエリア内で大森を倒しPK献上。ルキアンに決められる。
またもやビハインドになった栃木だが82分に明本のシュートを山本義道が手に当ててしまいPK、明本が中央に決めてまたもや同点に追いつく。
アディショナルタイムには途中出場の柳が相手のクリアボールを押し込み逆転勝ちを収めた。

栃木の守備システムのロジック

栃木の守備の代名詞といえばハイプレスですが、ハイプレスを仕掛けるためにいくつかの決まり事がありそれに基づいて選手たちは動いています。
簡単に箇条書きすると
・SHがFWと共に相手ボールホルダーに対してプレッシングをかける
・SHが上がったスペースをSBが同様に前にスライドする。
・相手がSBの裏を狙った場合はボランチがスライドする
・ボランチの空けたスペースが狙われた場合は逆サイドのSHが中へ絞る、またはFWが下りてスペースを埋める
といったシステムで守備がデザインされています。この守備の絶対条件はFWからDFラインまでがコンパクトであること。間延びしてしまうとスペースを埋めるためのスライドが間に合わなくなるからです。

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上記のような守備システムを妨害して栃木の守備がスムーズにいかないようにすれば相手チームにとってはチャンスが広がります。
では磐田はどのように栃木の守備システムを狂わせようとしてきたでしょうか。

磐田の仕掛け

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顕著に表れたのが前半35分のシーンでした。右サイドの崩しからムサエフが右サイド深い位置まで侵入しクロスを上げたシーンです。
この時に注目するのは左SHに入った大森が右サイドの山田のそばでプレーしていたことです。後半でも大森が右サイドでプレーしていた場面が何回かあったのでこれは磐田が右サイドで数的優位を作るために用意してきたものと判断しました。大森が右サイドに移動することにより栃木の右サイドの森(大島)、西谷、瀬川は磐田の山田、小川、大森、ムサエフの4人を見なければならなくなりました。結果35分の時にはムサエフがフリーで突破できました。62分のシーンでは大森が縦突破に成功しています。
DAZNの放送の中でも触れていましたが磐田はクロス数がJ2で一番多いとのことで自分たちのストロングとして右サイドの崩しからのクロスでチャンス構築を狙ったものと思います。
しかし試合を観てみると磐田は自分たちの崩しからの構築よりルキアンへのロングボールを当てる事を優先したような戦い方になっていました。結果論ですが前半10分にルキアンの裏抜けへのロングボールが成功し先制できたことにより楽な選択をしてしまった、また栃木のハイプレスのねちっこさ(圧力)に根負けして繋いで奪われるリスクより早く前線に預けたいという戦術の方をピッチ内で選択してしまったのかもしれません。
どちらにしても磐田が蹴り合いに付き合ってくれたことにより栃木にとっては戦いやすい展開になってしまったと思います。
PKが3回も生まれるという少々荒れたゲーム展開になってしまった今節でしたが難しい試合を逆転でものにできた事はとても大きいと思います。そしてアディショナルタイムの男こと柳の決勝点は栃木サポーターに勇気を与えるものなりました。次節の京都戦も楽しみです。

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