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オレのちょっと不思議ばなし

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実は私は、今まで2度の臨死体験があり、そのあたりから脳内チューニングが狂ったのか、幽霊を見たり、妙に勘が当たったり、はたまた神社やお寺の前を通る際に、声が聞こえて呼び止められるよ…
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act:8-大多喜城 城山のお爺さん

 オレが住む大多喜町には、ビックリなことにお城がある!オレが小学3年生だった1975年(昭和50年)に、この鉄筋コンクリートの『大多喜城(※1)』が出来た。なんでもこの城は戦国時代が終わる頃に、この地を新たに治めた武将が建てたものを再現したそうで、お城の中は博物館になっている。そんな大多喜城の一帯は、実はオレたちの格好の遊び場だった。 遊び場とはいえ、当のお城にはさほど興味はない、このお城は中々立派なものなのだが、オレたちがそんな勉強のニオイがする高尚なモノに興味が沸くわけ

【雑記】幽霊ってなんでしょうね?大多喜城の城山の幽霊や如何に

いきなりですが、幽霊ってつくづく何なんでしょうね。ふと過去にここに書いた幽霊話を読み返してあらためて思いました。 幽霊ってものは、自分では分かっているつもりでも、それを他者に具体的に説明する際に、色んな表現法で伝えようとした途端に陳腐になります。 上記の挿絵は、その一年近く前に書いた趣味の(自称)児童文学『大多喜無敵探検隊』の中の挿絵で、大多喜城の城山の幽霊の一人だったお爺さんの絵です。 なんというか、幽霊ってもんは、その遭遇の瞬間、当事者だけにはどこまでも普通の『相手』

act:16-今夜がヤマです【序の章】肺炎を拗らせたらお迎えがやってきた

 なんと無様なんだろう オレはここ何日か高熱を出して寝込んでいた。 オレは自慢じゃないが、 クラスの中では体も大きいし力もある。 あの番長のナガサとも常に喧嘩は互角だ。 だけどさ、実はオレは悔しいけど体が弱いんだ(※1)。 お陰で学校もよく休んだ。 そのせいでナガサや他の連中とも いつまでも仲良く出来ないのかもな。 ‥まぁでも考えてみたら そもそもアイツらとは仲良くしたくもなかったな それに今はどうでもいいや。  最初は風邪だと思っていたけど どうも肺炎を拗らしちゃったよう

act:17-今夜がヤマです【破の章】空中戦艦ヤマデス発進!暗黒肺炎帝国との死闘

前回までのお話 ↓ ウゥーーー!ウゥーーー!ウゥーーー! 緊急警報のサイレンが艦内にけたたましく響き渡る 「隊長!敵影多数!オイオイどーすんだコレ?やたら多いぞ!」 操舵手のユーイチ上等兵が叫ぶ。物凄い数の機影をレーダーが捉えたのだ。 大多喜町の杉山に偽装したオレたち漢の艦「空中戦艦ヤマデス」に向って、今とんでもない数の敵戦闘機がグングンと接近してきていた。どうやらこの入念な偽装もあまり役には立たなかったようだ。 敵の総数は凡そ1,000。今日までずっとオレを散々苦しめてき

act:18-今夜がヤマです【急の章】三途の川の畔に行ったのかオレ

前回までのお話 ↓  妙な揺れで空中戦艦ヤマデスから放り出されたオレは、黒い渦に引き寄せられて、どうやらそのまま渦に呑み込まれてしまったようなんだけど‥、 放り出された途端に瞼が重くなって、しっかりと見てはおらず、一体オレがあの後どうなったのか、実はオレ自身がよくわかっていないんだ。 ただ、今のオレは、異様に静かなところに、ぼぉーっと突っ立ってた。 静かなんてものじゃないな、まるで耳に何かが詰まってしまったように、全く音が聞こえないところだった。 さっきまでの異様な瞼の重さ

act:20-オレの夏やすみ 養老渓谷の弘文洞、粟又の滝にカッパ淵の少年【川遊び編】

 オレの夏やすみは忙しい。毎朝5時に起床しカブトムシやクワガタの確保を行い、そして大人から毎朝半強制的に参加を強いられるラジオ体操への出席を済まし、家に帰って仏壇にお線香をあげ、朝ごはんを十分平らげエネルギー補給をして、その上で本日ノルマ分の夏やすみの宿題を片付けるのだ。 そのあとは青龍神社に集結した我らが大多喜無敵探検隊メンバーたちと、この大多喜の愛と平和のため町の定例パトロールだ。今日は駅前のディスカウントストア『ポピンズ』もスーパーストア『デンベー』も、そして大多喜キッ

act:23-オレたちの防空壕 トンネルを抜けるとそこは戦場だった。

 今日は昭和51年6月10日木曜日、平日だ。小学2年生の弟のクニオは4年生のオレと違ってまだ授業が少ない、本日は給食を食べてそのまま下校だったようだ。そしてクニオは宿題をとっとと終わらせるとオレの帰宅を待つことなく、一人で若菜歯科医院のヤッチャンの家に遊びに行ってしまったという。オレは母さんに聞いてヤツの行動のその全容を知った。 さらに確認したところでは、ヤッチャンの家にはどうやらレアキャラのウェーズミ、通称「お面のケンちゃん」もくるようだ。ほほぉ、滅多に来ないケンちゃんが来

act:25-水神様の祟りと御宿の謎のおばさん【前編】

 今日オレの家に、不思議なおばさんがやってきた。隣町の御宿に住む人で、加持祈祷はもちろん、いろんな占いができる人だということだ。 小柄で物静かな和装のそのおばさんは、うちに着くなり「あぁ、」とひとこと漏らしたのをオレは聞き逃さなかった。  実はここのところ我が家は不運続きだ、この数年で目がまったくみえなくなったバァチャンが、縁側で1年前に足を滑らせてそのまま寝たきりになり、ますます元気がなくなり妖気を発するようになってきて、挙句の果てに母さんに「あぁ~マリコさん(母の名)、

act:26-水神様の祟りと御宿の謎のおばさん【後編】

 1976年(昭和51年)晩秋、小学4年生のオレは御宿からやってきた祈祷師のおばさんに、我が家が去年埋めた古井戸の水神様に祟られていることを聞いた。おばさんは急遽祈祷をあげてくれて、一旦は鎮まったということだが、なにせ相手は神様だ。再度あらためて祈祷に来るらしい。 しかしオレとユーイチは、実はその井戸でしょっちゅう連れションをしていたのだ!そもそも井戸に神様がいるだなんて、オレたち小学生が知るわけないだろう。なぜ誰も教えてくれなかったんだ! ‥とはいえオレたちは、いくら知らぬ