見出し画像

涙のROCK断捨離 28.PROCOL_HARUM「SHINE ON BRIGHTLY」

プロコル・ハルム「月の光」/Procol_Harum「SHINE ON BRIGHTLY」
1968年

音楽性の相違だ、解散だ、と揉めなかったのでしょうか。
ファースト・アルバムの抒情性は素晴らしかった、と ひとことで言っても、ブルージーなのとセンチメンタルなのは方向性が違います。異なる持ち味が、どちらも評価すべきものだっただけに、空中分解してもおかしくない危うさも感じられたのですが、このセカンドアルバムでは相容れそうにない要素が、良い感じで展開されていました。

今回、随分久しぶりにファースト、セカンドと続けて聴いてみているのですが、セカンド・アルバム「月の光」では、バンドそれぞれの音がしっかりと自己主張してきて、聴きごたえがあります。
中でもこのアルバムを特徴づけるのは、最後の組曲「イン・ヘルド・トォオズ・イン・アイ」でしょう。
今までとは随分と雰囲気が異なるシリアスな演奏で、ピアノもオルガンもギターも、ドラムやベースでさえ、ここぞとばかりに自慢の音を響かせてきます。
なかなかの迫力なので、歌詞が知りたくなりました。どういう物語なのでしょう。CDの解説に英語の歌詞は載っていますが、世の中の文字は字が小さくて読めません。
ついでに、本国のアルバム・タイトル曲は2曲目の「シャイン・オン・ブライトリィ」なのに、なんで日本盤は3曲目の「月の光」にしたんでしょう?

ありきたりのロックバンドではない、独創的な個性を出すことができたセカンド・アルバムですが、そのせいで逆に好みは分かれてしまいそうです。
後のエア・サプライのようにロマンチックなヒット曲を量産するポップ・バンドになれれば、その方が売れたと思えます。

さて、ファーストとセカンド、どちらが好みでしょう。
あ、サード以降が良いと言う選択肢ももちろんありますね。

私の手元にあるCDは、奇怪な緑色の世界で裸の女性がピアノに向かって後姿を見せているジャケットなのですが、今はシュールリアリスティックなオレンジ色の世界に謎のグランドピアノが描かれています。
録音が違うのかもしれませんが、同じ条件で聴き比べることも無いので気にしません。収録されている曲は同じです。

Spotifyで聴けます。
https://open.spotify.com/album/2jdvkNAo0dG5QwoMHwB42C?si=HW-rpnELQsWYqsbQxveJ6A

冒頭、バンドに合ってないのでは?と感じてしまったギターのロビン・トロワ―さんですが、私は結構好きです。ソロは、プロコル・ハルム以上に売れませんでしたが、楽しそうに弾きまくっています。
最近だとクライ・オブ・ラブのギターを聴いて思い出してしまいました。


写真の使用許諾に感謝します。
Sarah RichterによるPixabayからの画像