宇宙は無重力という誤解
宇宙は無重力ではない。多くの方は無重力だと思っている。とても不思議なことですよね。
【無重力と無重量について】
無重力とは重力がないという意味です。重力の原因となる星や惑星から遠く離れた空間の性質です。
しかし、重力があっても自由落下している空間は無重力と同じ状態になっています。
このことに最初に気付いたのがアインシュタインで1907年のことです。
無重量とは重さがないという意味です。無重力または無重力状態の空間ではどのような物体も重さがありません。
【宇宙は無重力ではない?】
第二宇宙速度約 11.2 km/s(40,300 km/h)以上の速度で飛び出せば無重力状態を維持することが可能です。
ただしその場合、主に太陽の重力に支配されます。太陽を中心とした円運動をするので、中の人にとっては無重力状態です。
太陽の重力を振り切る速度約16.7 km/s(60,100 km/h) 、第三宇宙速度以上の速度で飛行した場合、今度は太陽の重力圏から離れることができます。
その場合は銀河の真ん中を中心とした円運動をすることになるので、中の人にとっては無重力になります。
このように宇宙空間を運動する乗り物の中は、中の人にとっては移動中は基本的に 無重力状態 です。
重力を感じることが出来るのは、加速中や方向転換の時だけです。宇宙そのものが無重力というわけではなくてそれに逆らう動きをしている宇宙空間を運動する乗り物の中が無重力になるというだけのことです。
【要するに宇宙船の中が無重力】
宇宙船の中では、地球に引かれる重力と地球から遠ざかろうとする遠心力がちょうどつり合っているため、無重力のようにみえるわけです。
【宇宙ステーションの重力】
宇宙ステーションのある高度400㎞での重力は、私たちの生活している地上の90%弱あります。無重力状態になるのは宇宙船がその重力に逆らって遠ざかろうとしているから起きる現象です。
「重力は距離の二乗に反比例する」これが重力の答えになります。