チョウミス
かんりゅうにっき。留学を経て韓国に留まることになった暮らしのなかで、日々思ったり感じたりすることを書き留めておく雑記帖。
なぐり書きの詩。
国境と言葉を越え、人と人をつなぐ<IRO|異路>の公式noteに掲載した記事。 韓国の暮らしの中の「ソーシャルグッド」なアイデアや事例、社会課題解決に取り組む人々の声や生き方をお届けします。 IRO website: https://bit.ly/3yxg1SW
KBS ワールドラジオ(KBS World Radio) 日本語放送・毎週土曜日オンエアの「土曜ステーション」で紹介するコーナー『ソウル暮らしのおと』。2020年8月22日より。
野良猫→保護猫を経て2020年3月にうち猫になったホプとわたしとおじさんの話。
わたしにはわたしの時間が必要だ。それはすなわち、わたしの場所ということでもある。わたしのための時間をまるごと享受するためには一定の場所がとても大事だからだ。 家…
離した手がさみしくて 何度も感触を思い出している 時がたつほどにぬくみが鮮明になる 痺れた手のひらを見つめる 離した手でパソコンを打ち 離した手で料理をする 自分の…
持って生まれたこの性分を、ひとことで「おせっかい」と片づけていいものやらどうなのやら。しごと過多でキャパオーバーになりそうな人、既にキャパを超えている人がそばに…
雲の切れ間から、希望よりも淡いみずいろの空が見え。 薄墨の雨雲はところどころ重たくまたは掠れて、 見えない雨が、半袖の下の肌をかすめて落ち アスファルトにいくつか…
マンションの入り口のポーチに座っているおばあちゃんがいる。 私はこのマンション団地に住んでもう8年目になるが、自分の階の住民ですら、すぐ隣りの「赤い髪のおばさん…
口の左端にヘルペスができた。 週末明けの朝、くちびるの端っこがむずむずした。と思ったら、あっという間に水泡ができて醜く膨らんでしまった。よくあることで、必ず左の…
東京の実家から韓国の家に戻ってくると、ほんの少しセンチメンタルな気分になる。 今回は、指を折って数えればさほど少ない日数でもなかったのに、ものすごくちょっぴりの…
365日のうちの一日にすぎないけれど、その日はやっぱり「特別な日」にしたくなる。いい年して恥ずかしいけれど。誕生日は、自分を甘やかすのを許す日としている。私が私に…
周期的に引っ越しがしたいという気持ちが湧きおこる。 現在のわが家は、リビングのほか一部屋と、キッチン、シャワー付きトイレ、ベランダ、とかなりコンパクトな方だ。正…
良い歌というのは、 耳に流れ込んできた瞬間、 振った直後に誤って栓をあけてしまったサイダーのように、 思い出があわわわわわと溢れ出てしまうような そういう歌。
2013年2月18日午後2時50分、仁川空港に着いた。 当時の手帳を開いてみたら、その日の日記が書かれていた。 出発の日、東京は降り出しそうな曇り空だったらしい。成田空港…
自分のことや何かについて話すとき、「わたしはAだと思うけれど、Bだという人もいるだろう」というような言い方をよくしているようだ。意識的になのか、無意識的になのかわ…
普通、ゴミ出しってどれくらいの頻度で行うものだろうか。 もちろん家族構成員の数とか住居の周りのゴミ出しルールによってだいぶ違うだろうけど。 うちは、10リットルの…
朝のしごとのない日曜日はかなり遅く起きる。 稀に8時台に目が覚めると、今日はなんでもできそうな、充実した一日になりそうな、そんな錯覚にとらわれるのが罠だ。 今日…
旧正月つながりで、田舎のことを少し書いておこう。 夫の実家の周りは、見渡す限り畑と山以外はなにもない。 いや、なにもないわけではない。隣りには家があり、その隣に…
散らばっていく。考えが、ことばが、行動が。 散漫。バラバラになって散っていくというよりは、あちこちに置かれている感じ。一つ拾ってはまた目について一つ拾う。片づけ…
2024年8月19日 20:12
わたしにはわたしの時間が必要だ。それはすなわち、わたしの場所ということでもある。わたしのための時間をまるごと享受するためには一定の場所がとても大事だからだ。家に一人でいるときも、そこではわたしの時間をあまり持てない。もちろんもっと家族構成員の多い家庭に比べたら、ずっとずっと一人の時間を享受しているのだろうけれど。でも、家は何をしてもいいし何もしなくてもいい場所なのに、わたしは家では常に何かをし
2023年7月12日 13:22
離した手がさみしくて何度も感触を思い出している時がたつほどにぬくみが鮮明になる痺れた手のひらを見つめる離した手でパソコンを打ち離した手で料理をする自分のための料理手ぶらのまま立ち止まり気ままにバスに乗って墓地へゆく梅の香りとしゃぼんだま離した手でケイタイを繰り遠き島国にいる友人たちに再来月のアポイントを取る誰と会うことも何をすることも制限なくゆるされている空っ
2023年6月27日 21:16
持って生まれたこの性分を、ひとことで「おせっかい」と片づけていいものやらどうなのやら。しごと過多でキャパオーバーになりそうな人、既にキャパを超えている人がそばにいたら、黙ってみていられない。なぜなら自分がキャパオーバーになった当時、どれほど辛かったか、その感覚がいまも火傷の跡のように残っているから。キャパオーバー、とカタカナ語で書くと何だか軽く使えるが、過重負担になって出口が見えなくなった
2023年6月13日 00:33
雲の切れ間から、希望よりも淡いみずいろの空が見え。薄墨の雨雲はところどころ重たくまたは掠れて、見えない雨が、半袖の下の肌をかすめて落ちアスファルトにいくつかのコンマを打つ。アスファルトにいくつものコンマを打つ。ふいに古い日本のポップスを聴きたくなった。向こう岸に渡る橋が、まだ見えない。たしかこのあたりにあったはずなのだが。わたしの奥底からあふれて、こぼれてしまわないよう
2023年5月12日 00:16
マンションの入り口のポーチに座っているおばあちゃんがいる。私はこのマンション団地に住んでもう8年目になるが、自分の階の住民ですら、すぐ隣りの「赤い髪のおばさん」以外はまったく面識ない。ちなみに、韓国のマンション(通常、高層の住宅建物は「アパート」と呼ぶ。日本でいうアパート的な建物はヴィラとか連立住宅と呼ぶ。ここではややこしいから「マンション」としておく)は大体「廊下式」と「階段式」があって
2023年4月26日 23:58
口の左端にヘルペスができた。週末明けの朝、くちびるの端っこがむずむずした。と思ったら、あっという間に水泡ができて醜く膨らんでしまった。よくあることで、必ず左の下唇にできるので、ああこの場所に私のヘルペスウイルスが棲みついているんだなあ、と思う。不思議なもので、くちびるの水泡を見た人は十中八九「疲れてるんですね」と言う。ヘルペスという単語は知らなくても、疲れるとこの症状が出るということは何と
2023年4月8日 00:42
東京の実家から韓国の家に戻ってくると、ほんの少しセンチメンタルな気分になる。今回は、指を折って数えればさほど少ない日数でもなかったのに、ものすごくちょっぴりの滞在だったような気がした。年末にコロナに罹ってキャンセルした帰省のリベンジだったから、前々から日程をとっていたにもかかわらず、出発前までなぜか気持ちがとても慌ただしかった。会いたい人も、食べたいものや買いたいものも、やりたいこともたくさ
2023年3月9日 19:50
365日のうちの一日にすぎないけれど、その日はやっぱり「特別な日」にしたくなる。いい年して恥ずかしいけれど。誕生日は、自分を甘やかすのを許す日としている。私が私になにをしてあげようか、じっくり考えるのがささやかな楽しみだ。最近、外でふと鏡に映った自分を見て、老け込んだ顔にぎょっとしたことがある。家ではきちんと化粧をしたつもりだったのに、くすみきった顔色を目にしてガーンとなった。急にメイクが気に
2023年2月25日 20:12
周期的に引っ越しがしたいという気持ちが湧きおこる。現在のわが家は、リビングのほか一部屋と、キッチン、シャワー付きトイレ、ベランダ、とかなりコンパクトな方だ。正直、二人と一匹で暮らすぶんにはさほど不都合はないのだけれど、人というものは「あとほんのちょっと+α」を求めてしまうらしい。(ちなみに、周りの所帯持ちの友人たちの家を訪問した限りでは、うちより狭い家はまだみたことがない)まず、キッチン
2023年2月23日 23:53
良い歌というのは、耳に流れ込んできた瞬間、振った直後に誤って栓をあけてしまったサイダーのように、思い出があわわわわわと溢れ出てしまうようなそういう歌。
2023年2月19日 18:02
2013年2月18日午後2時50分、仁川空港に着いた。当時の手帳を開いてみたら、その日の日記が書かれていた。出発の日、東京は降り出しそうな曇り空だったらしい。成田空港に向かう電車のなかで「何もかも夢だったらという気分になり不安」になった、と書いてある。たった1年半の韓国の大学院生活のはじまりの日だった。この日から10か月余りの寮生活の後、いったん日本に戻った。そして改めて翌年に韓国に渡っ
2023年2月10日 01:01
自分のことや何かについて話すとき、「わたしはAだと思うけれど、Bだという人もいるだろう」というような言い方をよくしているようだ。意識的になのか、無意識的になのかわからないが。答えを開いておく、といえばそれなりの意味付けにもなるが、自分の考えに自信がないともいえる。または、バランスを取ろうとしているのかもしれない。一方に注目が集中して重心が傾くとき、空きがちになるもう一方がいつも気になる。た
2023年2月3日 07:24
普通、ゴミ出しってどれくらいの頻度で行うものだろうか。もちろん家族構成員の数とか住居の周りのゴミ出しルールによってだいぶ違うだろうけど。うちは、10リットルの一般ゴミ(可燃ゴミ)袋をマンションの収拾場に出すまで、大体ひと月弱くらいかかる。なかなかいっぱいにならない。それが普通の二人暮らしの家庭と比べてどうなのかよくわからない。まあ比べる必要もないけど。紙類、ペットボトル、ビニール類など
2023年1月29日 22:37
朝のしごとのない日曜日はかなり遅く起きる。稀に8時台に目が覚めると、今日はなんでもできそうな、充実した一日になりそうな、そんな錯覚にとらわれるのが罠だ。 今日の記録。ベッドでぐだぐだした後、9時半ごろ起き上がって朝食の用意をする。一人は玄米がゆ、一人はおこげスープ。食べ終わってから、今日は午前中に書きもの系のしごとを1本終わらせるぞ、そして本を読んで、観たかった動画を観るぞ!と計画する。
2023年1月29日 00:41
旧正月つながりで、田舎のことを少し書いておこう。夫の実家の周りは、見渡す限り畑と山以外はなにもない。いや、なにもないわけではない。隣りには家があり、その隣にかなり大きな牛舎がある。家の裏の道を挟んで向こう側に家が二軒。その隣の小高い丘には、以前は畑だった土地があり、その隅っこに義父のお墓がある。こんもり土を盛り上げただけで何の墓石もないお墓。畑は、以前はそのときどき作物が変わっていたが、今
2023年1月27日 23:46
散らばっていく。考えが、ことばが、行動が。散漫。バラバラになって散っていくというよりは、あちこちに置かれている感じ。一つ拾ってはまた目について一つ拾う。片づけたくて、整理したくてそうしているのに、いつの間にか自分の引き出しがまた一杯になってしまっている。心新たに立てた目標は、手にするものはなるべく少なく、そしてなるべく小さくて素朴なものから、だった。心の赴くままに一番近くにあるものから手を