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2020.5.19 中国の疫病が変えた世界史①

今回は、新型コロナの17年前に中国で発生したSARSを例に、中国の歴史を振り返ってみようと思います。

SARSは「封じ込められた」だけ

2003年7月5日、世界保健機関(WHO)は新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に関し、最後に残っていた台湾に対する「流行地域」指定解除を発表しました。

これによって死者812人、感染者8,439人もの猛威をふるったSARSは世界全体で「制圧」されたとマスコミ各社は報道しました。

しかし、この「制圧」とは新型肺炎が絶滅したという意味ではありません。

WHOの発表の原文では
"the global SARS outbreak has been contained(SARSのグローバルな爆発的流行は封じ込められた)"
であり、SARS自体はいまだ脅威として残っている事を意味しています。

これを「制圧」と訳したのでは、あたかも人類がSARSの脅威から永久に解放されたような錯覚を与えるもので誤訳に近いです。

WHO は例年インフルエンザが広まる冬季に新型肺炎が再流行する恐れが十分あるとして、引き続き警戒を呼び掛けています。

インフルエンザウイルスやSARSを引き起こしたコロナウイルスなど呼吸器感染症を起こすウイルスの多くは、寒くて乾燥した環境を好み冬季に流行します。

インフルエンザウイルスは、夏の間は人の体内で軽い症状の感染を繰り返しながら潜み、冬を待っているといいます。

コロナウィルスも夏の間にひそかに感染者を広げ、冬にまた猛威を振るい始めるという可能性が十分あります。

さて、来シーズンもSARSに代わり新型コロナが中国でぶり返したら、どうなるでしょうか。

今シーズンはほぼ全世界の国と地域が中国人の入国拒否やビザ停止など中国隔離政策をとりました。
もし、ぶり返すようなことがあれば、今度は今シーズン以上に厳しい措置がとられるでしょう。

しかし歴史を辿れば、中国発の疫病が世界にまき散らされ、地球史を大きく変えたというケースは何度も見られるのです。

つづく…

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