見出し画像

「不思議な薬箱を開く時」

こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
あなたのお役に立てそうなお薬は、見つかりましたか?
調剤料を集めるための大冒険や、
それに欠かせない欲望と情熱の準備はよいですか?
では、今日もお薬箱を開けてみましょう。

画像1

お薬番号・24

「隠された宝を見つけ出せる薬」

世界中のどこかに隠されていると言われている、
莫大な財宝を見つけ出したい!と思いませんか?
現代では、一握りの夢追い人たちが、
海や山の伝説や言い伝えを頼りに、
一生を賭けて、穴を掘っています。
しかし、この薬があれば、
そんなとんでもない手間をかけずとも、
隠されている宝を発見できるのです!
かつて、イスラエルの王が、
神殿を建てる資金を集めるため、
錬金術師に命じて作らせた薬です。
薬が完成したのは、皇帝がご崩御なされた20年後ですが、
その調剤料と調剤法は、
鹿革に記されており、青い壺の中に隠され、
古い寺院の書庫から発見されました。
ビクトリア朝のロンドンで好事家がオークションで競り落とし、
研究を重ねたそうですが、
謎の多い書かれ方をしていたせいか、
なかなか解読を終えられなかったとか。
では、研究の成果である調剤料をご紹介しましょう。

画像2

「隠された宝を見つけ出せる薬」処方

ビター・アーモンド・オイル・・・・・・・・・・・10㏄
エニシダの豆・・・・・・・・・・・・・・・・・・5粒
鴉の卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
柘榴の実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10粒
砂棗の果汁・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20㏄
アーネヘ山羊の血・・・・・・・・・・・・・・・・10㏄
マンナの樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
赤い蠍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1匹
ミロバラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5g

画像3

諸注意
鴉の卵を採集するには、
怒り狂った鴉の両親と戦う覚悟をしましょう。
アーネヘ山羊は、絶滅していると言われていますが、
密かに養っているべドゥインがいるそうですから、
そのベドウィンを探し出して、
相応の価値ある物と交換してもらってください。
赤い蠍は、よく燻して、しっかりと燻製にしましょう。
そうしないと、かなり強力な毒が残ってしまいます。

画像4

備考欄
財宝の価値は、その時代においての莫大さですから、
凄まじい価値があるか、当時でしか使えないものかのどちらかです。
そこまで見分けられる効果はありません。
とりあえず、財宝という財宝を見つけ出しましょう。
宝の価値を世に問うのは、その後ですね。
かなりの資産家になれそうなお話ですが、
ここで、少しばかり問題もあります。
隠された宝には、
往々にして、呪いめいた力が働いている場合が多いということです。
死んだ後まで持って行けるものでもないのに、
物欲の強い王様たちは、
盗まれることを嫌がって、
かなり禍々しい呪いをかけさせていることがあります。
呪いには時効がありませんので、
事前に呪いを解くなどしないと、
もろに発掘者や取得者に降りかかるでしょう。
そんな大昔の呪いに対し、
適切な呪いを解く方法がわかればの話ですが。
たまに、強力な霊的番人を置いている場合もあり、
これがまた、一苦労です。
人間の財に対する執着は、
時を越えて、凄まじいものですね。

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?