見出し画像

カラフルな地図をプリントして販売するだけの事業で月商430万円~これぞスモールビジネス

本文ほとんど無料で読めます。

----------------------------------

日本で一番スモールビジネス経営者を生むマガジン、SMBマガジンも8回目になりました。

今回は商品開発前のマーケット確認の重要さ、事業化することを重くとらえ過ぎないでも良い、ということをお伝えできる海外事例を用意しました。

1つの事業に集中して力を入れまくって失敗するよりも、面白そうと思ったことを手早く試して失敗したほうが試行回数は上がり、成功までたどり着ける確率は上がります。

起業するために必要な資金・人脈などのハードルが下がった現代でビビッて行動しない理由は無いです。
----------------------------------


カラフルな地図を印刷して販売、コレもビジネス

今回紹介する事業は、カラフルな地図を印刷して販売する「Mapply」です。

「え?これってビジネスなん?」と思った方。
そうです、ビジネスです。以前紹介したツイートを販売する事業でもそうでしたが、「え?こんなものが売れるの?」という事業はたくさんあります。

ツイートや地図なんて、ネットを探せばゴロゴロ転がってます。
雨後の筍よりも世の中に売れるものは多いんです。

カズレーザーなんて学生時代に河原などにある流木を売るバイトをしてましたし、皆さんが思っている以上に売れるものはたくさんあります。

そして、こんな簡単そうなビジネスですら月商$40K以上(400万円)。

売り物をあなたが作る必要はない

世の中の人がイメージする起業は「なにか革新的なアイデアや商品を作って販売」や「人脈やコネを集めて独立」などあまりにもハードルが高すぎます。

売り物は誰かの考えた二番煎じでも良いですし、自分で作る必要すらないです。Amazonには中国人セラーが販売してるコピー商品が沢山ありますし、それだけで月に数千万円稼いでいる事業もざらにあります。

別に、「こだわり抜いた素晴らしいプロダクトを作りたい!」と考えるのは自由ですが一体それを作るのにどれだけの時間とお金がかかるのか。
ほとんどの人は考えているだけで人生が終わります。

稼ぐためにやるのか、信念を追求するためにやるのかは明確に区別しましょう。

稼ぐためにやるのであればリスク(時間・金)は低く設定すべきですよね?
そうなると必然的にこだわり抜いた商品なんて作れませんし、あなたが初めて作る商品もやめたほうがいいです。

今時、Amazonで売っているような商品のほとんどは中国で生産可能ですし、代行業者を使えばECサイトで買い物するのと変わらないくらいの労力で生産できます。

今回のMapplyもデータさえ用意してしまえば、近くの印刷会社に頼んでもいいわけです。

なんでもかんでも完璧にしてやろうと考えずに、まず動く、やりながら変えていくという癖をつけたほうが圧倒的に良いと思います。

スモールビジネスに事業アイデアはいらないし、斬新なサービスなんていらないという点については詳しく説明した記事があるのでそちらを読んでください。

起業したいけどアイデアがない人のためのスモールビジネスの作り方
新規事業に斬新なアイデアはいらない-そのサービス既にあるよと言われたらチャンスなんだよ。

元々似たような商品を販売してる事業からパクった

Mapply創業のきっかけは北欧で展開されているMapifulというブランドが上手く行ってるのを知ったからです。

私は過去12~13年間、主にSEO(検索エンジン最適化)を中心としたデジタルマーケティングに携わってきました。そのため、ウェブサイトにアクセスしてもらうために必要なことや、興味深い製品やブランドを構成する要素をいくつか理解しています。また、私は何年もの間、オーストラリア、東南アジア、ヨーロッパを旅してきたので、さまざまな場所、芸術、文化、食べ物が好きでした。
そのため、旅行やアートに関連した仕事をすることは、私の興味の多くであるデジタルと旅行を結びつけるものとして、自然なことでした。このアイデアを思いついたのは、エジンバラにあるスカイスキャナーという世界的な旅行比較サイト(アメリカのカヤックに相当)で働いていたときでした。北欧で展開されているMapifulというブランドがとてもうまくいっているのを見て、イギリスのMapifulになればいいのではないかと思ったのです。
幸いなことに、英国は参入障壁が低いため、在庫を持つ必要がなく、製品、ウェブサイト、ソーシャルメディアチャンネルを簡単に立ち上げることができました。

2018年末には月に数百ポンドのプリントを販売していたのが、2020年12月には過去最高の忙しさで3万ポンド(4万ドル~)以上のプリントを販売するまでになりました。これは、ほとんど何のマーケティングもせずにやったことです。

画像1

創業者のスコット

Mapplyが初めて売上を立てた時のストーリー

最初からWebサイトを用意するのではなく、自分でプリントした地図を市内のギフトショップに見せて飛び込み営業のような形で製品の仮説検証を行っています。

この商品はMapifulのパクりです。なので「そんなものが売れるのか?」という仮説は既に終わっているのです。
Mapplyが検証すべき仮説は「エディンバラでも売れるのか?」というものでした。この仮説を検証するために時間とお金をかけて調査するのではなく、パパっと作って回ってみる。

この行動力とコスト感はSMBオーナーは見習うべきですね。

画像2

最初にオフラインで製品を検証しました。私の経歴からすると異例のことですが、製品に対するフィードバックをすぐに得るためには、これが最も迅速な方法だと考えました。デザイン性の高いギフトショップをいくつか回り、エディンバラとリースの地図プリントを見せると、初日に8枚の注文があり、私の心を揺さぶりました。これには驚きました。

他の会社の財務状況が分からないので証明するのは難しいのですが、現在、カスタマイズされた地図プリントを販売している会社としては、英国で最大かつ最も普及している会社だと思います。

最初の製品はエディンバラの小さなエリアだけに焦点を当てた

最初からいろんな種類の製品を売るのではなく、少数の製品だけで始めるのもスモールビジネスの経営上、重要です。
製品数(SKU)が増えると管理が増えるのもそうですが、在庫を持つビジネスならばキャッシュフローの悪化という側面もあります。

私はまず、旅行者や夢想家、家の設計者、自分にとって特別な場所について考える人たちにとって望ましい製品を考えました。地図は、これらの要素を凝縮した論理的な方法だと思ったので、スタートするのに適していました。

私は昔から旅行が好きだったので、このプリントは旅行の思い出にぴったりだと思いました。また、これらをカスタマイズできることも、特別な贈り物として本当に自分らしいものにしたいという、購入の強い動機になっています。

また、食べ物や音楽、人と同じように、場所は常に強い感情を呼び起こします。誰もがどこかの国の出身だったり、自分にとって意味のある場所に行ったことがあったりするわけですから、これは素晴らしい製品であり、提供できるものだと思いました。

私たちはまず、エディンバラの小さなエリアの地図データを取得し、その中心となるエリアに焦点を当てて、私たちが住んでいるエディンバラとリースの地図を作り上げることから始めました。その地図データを整理した後、地図のスタイルを決めるためのカラーパレット、フレーム、テキスト、ボーダーなどを作成して、現在のようなルック&フィールを作り上げました。

その後、高品質のアート紙に地図を印刷する方法を検討しました。プリントの種類、インク、文鎮など、実にさまざまな種類があるので、市内のさまざまなプリント会社でテストをしなければなりませんでした。最終的にPrint Spongeという会社に決めたのですが、ここでは初期の段階で製品の見栄えを良くするために大変お世話になりました。

また、お客様の注文を問題なく安全に発送するために、さまざまな梱包方法を試しました。例えば、大きなサイズのプリントを平たい封筒で送ると、必ずと言っていいほど破損して届くことがわかりました。そのため、返品や破損を避けるために、郵送用チューブを検討する必要がありました。

軌道に乗るまでにかかった費用は500ドル以下

広告やプロモーションもせず、10種類ほどの商品をWebとEtsy(アメリカのハンドメイドグッズなどを販売する際と)にアップロードしていたMapply。

起動に乗るまでにかかった費用は500ドル以下で最初の数か月の段階で利益が出ていたので融資もエクイティも必要なかったとのこと。

事業の立ち上げは非常に地味なものでした。友人に地図のプリントを1枚だけ販売し、そこから徐々に成長させていきました。広告やプロモーションなどは一切ありません。すべての資金は個人の貯金から捻出しました。

最初の頃は、地図プリントの数が少なかったので、10種類ほどの商品をウェブサイトとEtsyストアにアップロードしていました。その後、日に日に商品を増やしていき、売上を伸ばしていきました。

魔法のレシピがあるわけではなく、時間があるときに1日10/20/30個の商品をアップロードするだけです。

経費が少なかったので、外付けのハードディスクや文房具、Shopifyのセットアップなど、軌道に乗るまでにかかった費用はおそらく300ポンド(500ドル~)以下だったと思います。

最初の数ヶ月ですでに利益が出ていたので、スタートアップ資金も必要ありませんでした。

ローコストで始められる事業はめちゃくちゃ強い

Mapplyもそうですが、ローコストで立ち上げることのできるビジネスは非常に強いです。

それはなぜか?

挑戦回数が増え、スキルや経験を引き継ぎながら挑戦できるので成功確率が上がるためです。

例. 資金100万円の場合
100万円かかるビジネスの場合、挑戦回数は1回で起業のスキルや経験は0。

一回5万円かかるビジネスの場合、挑戦回数は20回。スキルや経験は回を追うごとに蓄積されていくため成功確率は高くなる。

はっきり言って、最初の事業で成功できる人は希です。
ですが、”本気で事業に取り組んだ人間は”失敗しても、スキルや経験が身に付きます。そして、強くてニューゲームの状態で成功確率は高くなっていきます。

なので一撃で退場しないようなビジネスを行うことがスモールビジネスでは非常に重要です。

発売以降、集客・顧客維持に効果的だったものについて

私たちは通常、多くの大手マーケットプレイスに販売を委託していますが、それに加えてウェブサイトといくつかの実店舗も利用しています。
最初の売上は、エジンバラのギフトショップに行って、私たちのプリントを売ってくれないかと尋ねただけで得られました。その場で8枚のプリントを購入してくれたのですが、こんなに簡単にできるなんてすごいことだと思いました。
意外な結果が得られるかもしれないので、やってみることが大切だと思います。また、商品のパッケージや価格などについての意見を聞いて、最終的な商品に反映させることができ、とても勉強になりました。
商品が関連していれば、比較的簡単にアプローチできますし、売上に加えて比較的受動的な収入源にもなります。

以下、有料です。

以下有料部分の内容ですがざっくり言うとこんな感じ

・オンライン上の販路について
・売上を増やすのに役立ったこと
・Google広告の効果
・SEO対策で役に立った施策
・創業すぐの売上と経費のグラフ
・2021年5月時点の収益構成
・顧客獲得コスト、平均注文金額
・創業者が思う、SEOを学ぶのに最良なWebサイト
・あとは目次通り

単品購入(980円)もできますが、定期購読(初月無料で980円/月)がおすすめです。いつ購読を始めても今月分の記事が全部読めるのでお得なので。

ここから先は

4,249字 / 4画像
この記事のみ ¥ 980

サポートしたつもりで身近な人にプレゼントして上げてください.