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神戸アジアン食堂バルSALAが繁盛店にならなければならない理由


こんな出だしですが、まだまだ繁盛店ではないのが現実です。SALAが繁盛店にならなくてはいけない、理由があります。

こんな社会に自分は住みたくない、と思ったことがきっかけで始まったこの事業。

興味が無いから目を向けない・互いに目が合わない。

ならば相手のそもそもの興味を引き出し、興味を持ってもらうことで目を向けてくれて・互いに目が合うはずです。

スポンサー資料5月18日 (1).005

今から11年前、大学1年生のときに日本で暮らしているアジア人のお母さんたちと出会い、彼女たちが日本で大きな生きづらさを抱えていることを知りました。

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当時は「在日アジア人女性」の抱える問題は社会問題にすらなっておらず、彼女たちの存在が見過ごされていることへの驚きや、目を向けないから目が合わない社会への違和感、そんな社会に私は暮らしたくない、という純粋な思いがありました。

どうやったら変わるのか?自分のやることが正解かもわからないし、先は全然見えないけど、まずは目の前のお母さんたちとできることをやってみようと走り出しました。

進んでいけばいくほど、自分だけではできないことばかりで、自分のちっぽけさに悲観的な気持ちになっていました。

でも、だからこそ、想いを伝え、助けを求めると、たくさん仲間が集まってくれました。自分の想いだけではなく、それがみんなの想いに変わり、力を合わせることによって点が線になって、少しずついろんなことが変わってきたことを実感しました。何よりも、元気がなかったアジア人のお母さんたちの生活に変化が現れたことが思い出されます。

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学生時代、「社会問題に興味がある人々には想いが伝わるけど、興味関心のない人には全く伝わらない。」という大きな壁を感じていました。社会が変わるということは、私達のやっていることに全く興味がない人々が、何かしらの理由で私達に興味を持ち、社会問題を自分ごととして捉え、コンセプトに共感してくれて行動をおこすこと。それって本当に難しいことです。


現在SALAが「飲食店」である理由は、コンセプトでもあるEmpowerment of all peopleの社会実現に向けたもっとも最適な「手段」「形」だと思うから。

いろんな方に聞かれますが、私は料理が好きだったわけでもないし、いろんな国の言葉が喋れるわけでもないし、世界を股にかけるバックパッカーでもない。

でも、今、私はいろんな国のスタッフと、多国籍料理レストラン・日替わりシェフの店をしている。

そして、違和感をもった社会を変えるためには、在日アジア人のお母さんたちが日替わりでシェフをつとめ、様々な国籍のスタッフが働く「多国籍料理レストラン」が、飲食店として、流行り、お客さんにたくさん来ていただく繁盛店にする必要がある。

店が繁盛するから事業を持続することができるし、拡大することもできる。だから雇用が増える。お客さんが多いということは、それだけSALAのコンセプトに共感をしてくれてその想いを伝えてくれる方が増えることだと想っている。
「飲食店」という形であれば、誰もが生きるために行う「食べること」を通じて、アジア人のお母さんたちの文化を伝える事ができるし、社会問題に関心がない人に対しても、「美味しい」という切り口からまずは店の存在やコンセプトを知ってもらうことができる。そこでSALAに興味を持ってもらえれば、伝えるきっかけが生まれると思っています。

その為には、来てくださった方々に興味を持っていただける要素をお店のいたるところに散りばめる必要があります。

■匂い・声・目をひく装飾の外観

お客さまとつながるオープンなキッチンと、季節が合う時期には入り口もオープンに。声・音楽・匂いが外にも伝わるように。

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きれいなベトナムランタンはお客さまが一つずつ購入してくださったもので、いつも暖かなあかりを灯してくれています。

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■おいしい料理

アジアのお母さんたちにとっては自分の国で毎日食べる当たり前の家庭料理。でも、日本でその料理を作ると「食べたことのない」「旅行したときに食べた味」という特別な料理に変わり、はっきりとしたお母さんたちの強みになる。

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■人の息吹を感じるハンドメイドのもの

フィリピン人アーティストが描いた壁画や作品の数々。ハンドメイドのクッション。スタッフと作ったドラム缶や私も描いてみた絵。

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■食べている料理の文化を感じるもの

自分たちの仕入れやスタッフ・お客さんがお土産に買ってきてくれた異国の小物。ときにはバナナの花も。

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人の興味の軸はどこにあるのか分からない。こんなことに興味があるの!?と思うこともたくさんあります。私も常に様々なことに興味津々です。

「これはなんですか?」「誰がつくってるんですか?」「台湾ってどんな国?」「それは何語ですか?」「この絵はなんですか?」

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SALAという空間の中で何か一つでも「質問したくなる」興味の引っかかりをお客さんに持っていただく為に、SALAの装飾は混沌としているのかもしれません。


「自分たちはこんなことをがんばっています!困っているアジア人のお母さんがたくさんいます!社会問題です!」といってすぐに話を聞いてくれる人は、もともとその問題に興味関心がある人たち。でも社会を変えるには、そもそもそこに興味がない人に耳を傾けてもらえる、気持ちを動かすきっかけが必要で重要です。

興味を持ってもらって、質問してもらって、自然と自分たちのコンセプトを伝える。これが想いが伝わる最も貴重な瞬間だと考えています。

だからSALAは、まず飲食店として繁盛店にならなければいけないのです。

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SALAを知ってくださった人々の縁で、コンセプトが大きく伝わって広がっていく。そんな社会になる日を夢見て、今日も奮闘中です!!

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