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【訴状テンプレート付き 本人訴訟の進め方】マッチングアプリ「omiai」で個人情報流出の被害に遭われた方向け2021/06/29 更新

2021/06/29
地方裁判所への移送申立書に対する意見書のテンプレートを追加
2021/06/22更新
被告側の要望により少額訴訟から通常訴訟に移行
2021/06/01更新
裁判日程調整の補足情報
2021/05/28更新
東京簡易裁判所に訴状を提出時の補足情報
訴状テンプレートの更新(東京簡易裁判所の担当者から頂いた指摘事項反映)

はじめに

まずはマッチングアプリ「omiai」で個人情報流出の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
2021年5月21日に「omiai」運営元の「株式会社ネットマーケティング」がコーポレートニュースにて公表の通り、年齢確認書類の画像データが流出した可能性が高いことを発表いたしました。対象は以下の通りです。

対象:2018年1月31日~2021年4月20日の期間に、当社へ年齢確認審査書類をご提出いただいた171万1千756件分(アカウント数)の年齢確認書類の画像データ
https://www.net-marketing.co.jp/news/5873/


私自身も2019年3月頃にomiaiに登録しており、今回運営元のお客様相談室に確認した結果「年齢確認書類の画像データが流出していた可能性が高い」との回答を受領しました。

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つまり、運転免許証で登録をしていたため「顔写真」「氏名」「住所」「生年月日」の情報が外部の第三者に流出している可能性があり、また「マッチングアプリを利用しているという事実」と紐づいて流出している可能性が高いです。一般的にもマッチングアプリを利用していることは周囲に知られたくない「個人の私事・私生活の秘密」で周囲に公開したくないプライバシー情報です。
今回の事件で「個人情報」と「プライバシー情報」の両方が流出してしまっていることが大きな問題です。インターネット上に流出した情報は完全に削除できず、これからずっと流出した情報を悪用されることの不安を抱えながら生活していくことに対して精神的な苦痛を感じたため今回訴訟に踏み切ることにしました。今回の実体験が皆様の参考になれば幸いです。

集団訴訟を待たずに個人(本人訴訟)で進めることにした3つの理由

私が集団訴訟を待たずに個人(※本人訴訟)で進めることにした理由は大きく3つあります。
※本人訴訟とは、弁護士などの訴訟代理人を立てずに自身で訴訟を行うこと。

①集団訴訟だと時間がかかる点
②過去の個人情報流出の賠償金額は一人当たり数千円~数万円であり少額である点
③運営元の過失が明確である点

過去の集団訴訟の個人情報流出に伴う損害賠償請求事件について調べましたが数年時間がかかっていたケースもあり長期戦になることが予想されます。また時間がかかる割に一人当たりの賠償金額は数千円~数万円と少額である点から個人(本人訴訟)でスピーディーに進めたほうが良いと判断しました。
また今回の場合は運営元の過失が明確であるため、自身で訴訟を進めることが可能と判断いたしました。

SNS上では集団訴訟の方が良いなどの意見もあり、あくまで上記の判断は私自身の判断であり、ご自身の状況を考えて自身で判断されることをお勧めします。

民事訴訟の少額訴訟で進めることにした3つの理由
※結果、被告側の要望により通常訴訟になりました

まず今回の事件は原告(私)と被告(株式会社ネットマーケティング)の間の争いであるため民事訴訟に該当し、その中でも今回は少額訴訟で進めることにいたしました。理由は以下の3点です。

①訴額が60万円以下で訴訟予定である点
②1回で判決が下るため短期決着である点

③運営元の過失が明確である点

訴額は原告側が自由に設定できるため、もし今回60万円より大きい金額を賠償金額に設定する場合は通常訴訟になります。私の場合は過去の判例を見たところ60万円より大きい金額を勝ち取るのは難しいと判断いたしました。また、会社員で働いている身でもあるので今回の事件に長い時間をかけるのは得策ではないと判断し一回で判決が下る少額訴訟を選択しました。1回で判決が下るというのはメリットでもありデメリットでもありますが、今回の場合は運営元の過失であることが明確であるため少額訴訟の方がベターと判断いたしました。
ただし、被告側が通常訴訟に切り替えるといった場合や裁判官の判断により一回の審理では判断が難しいと判断した場合は通常訴訟に切り替わることもあるようです。
(追記2021/06/22)
被告 株式会社ネットマーケティング側の要望により、少額訴訟から通常訴訟に移行することになりました。

では本人訴訟(少額訴訟)の手順について説明いたします。

ステップ① お客様相談室に自身が被害者であることを確認する

証拠集めのためにまずは自身が明確に被害者であるかどうか、お客様相談室のお問い合わせフォームから電子メールで確認してください。

【お客様相談室】ーお問い合わせフォーム
https://www.net-marketing.co.jp/news/5873/

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お問い合わせカテゴリでは「自身が対象者であることを確認したい」を選択し、各種情報を入力して「送信」ボタンを押してください。そうすると連絡先メールアドレスに設定したアドレスに自動返信メールが届きます。

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早ければ数時間ほどで運営元から該当者であるのかどうかの返事が返ってきます。

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こちらのメールは自身が被害者であるのかどうかの明確な証拠になるので訴状と一緒に提出いたします。

ステップ② 訴状を作成する

次に訴状を作成します。裁判所に民事訴訟を提起するに当たって原告が裁判所に提出する文書のことを指します。
裁判所の公式HPにも訴状のテンプレートがあるので、それを参考に記載してみてください。

裁判所公式HPー民事訴訟・少額訴訟で使う書式ー金銭支払(一般)請求
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_08/index.html

今回私がomiai提訴用に作成した訴状のファイル(word形式)を添付いたします。

裁判所公式HPの記載例も参考にしながら主に黄色塗りの箇所を書いてみてください。

事件名:端的に事件名を記載してください
例 株式会社ネットマーケティングに対する個人情報流出に伴う慰謝料
少額訴訟の審理及び裁判回数:初めてする方は1回目と記載
※少額訴訟は年10回と回数制限があるため
原告(申立人)の情報:郵便番号、住所、氏名、連絡先を記載
被告(相手方)の情報:今回は株式会社ネットマーケティングが被告になります。
請求の趣旨(請求額の記載):あなたが請求する金額を記載して下さい
例 金100,000円
紛争の要点:ここが訴状の一番のポイントになります。あなたが具体的にどういう被害を受けたのかここに記載してください。
例 流出事件以降知らない方から連絡が来るようになった、流出事件による不安から精神的苦痛を感じて健康被害がでている 等
添付書類:あなたが被害者でる証拠や被害が具体的にわかる書類があれば添付書類に記載してください。今回は被告が法人なので法務局にて登記事項証明書の取得が必要になります。

ステップ③ 株式会社ネットマーケティングの登記事項証明書を取得する

今回は被告が法人(会社)であるため、株式会社ネットマーケティングの登記事項証明書を1通取得する必要があります。登記事項証明書の取得はお近くの法務局もしくはオンラインでも請求が可能です。法務局に行く時間が無い方はオンラインでの請求をおすすめします。

東京法務局
住所:〒102-8225 東京都千代田区九段南1丁目1番15号
平日:午前8時30分~午後5時15分
http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000001_00071.html

ステップ④ 「訴状 2通(正本・副本)」「添付書類 2通(証拠)」「登記事項証明書 1通」「印鑑」「手数料」をもって東京簡易裁判所へ提出する

必要書類が揃ったら東京簡易裁判所へ提出しにいってください。

訴状、申立手数料、相手方に書類を送るための郵便切手、添付書類等をご用意していただき、訴えを起こす簡易裁判所に郵送で、又は直接、提出してください。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_04_02_08/index.html

簡単に東京簡易裁判所での流れを説明します。

持ち物
訴状 2通
添付書類 2通
株式会社ネットマーケティングの登記事項証明書 1通
印鑑
現金(収入印紙は訴額によって変わります。郵便切手代は5,200円)
10万円なら1,000円、20万円なら2,000円といったように収入印紙の金額が決まっています。
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file3/315004.pdf

①東京簡易裁判所1階にある簡易民事手続案内で訴状と添付書類の体裁チェック
担当の方が丁寧に持参した書類のチェックをしてくれます。また少額訴訟の特徴について説明してくれます。

少額訴訟の特徴
特徴①訴額60万円以下の金銭支払請求
特徴②同一の裁判所に年10回まで
特徴③原則1期日で審理終了
特徴④証拠は即時取り調べができるものに限る
特徴⑤分割・猶予判決の可能性 不服申立不可
特徴⑥判決に対する不服申立は異議のみ 控訴はできない
特徴⑦被告の申述・職権により通常訴訟に移行

ポイントは通常訴訟と異なり控訴ができません(地方裁判所や最高裁判所へ上告は不可)。また被告側が通常訴訟を希望した場合や裁判官の方が一回の審理で判決を出すことが難しいと判断した場合は通常訴訟に移行します。

②東京簡易裁判所地下一階で収入印紙と郵便切手を購入
訴額によって収入印紙の金額が変わります。簡易民事手続案内にて購入すべき収入印紙の金額と郵便切手の種類を教えてもらえますので、地下一階のファミリーマートで購入してください。

収入印紙

③東京簡易裁判所6階の9室(少額訴訟係)に一式を提出
訴状、添付書類、収入印紙、郵便切手を持って受付にいき、再度書類のチェックをしてもらって問題なければ受付完了です。
受付の証として、「少額訴訟事件 受付票」がもらえます。これで少額訴訟の提出は完了です。今はコロナ禍で込み合ってるそうで、大体1~2週間すると担当の方から連絡があり裁判の期日調整の連絡がきます。

※補足※
必要書類の提出は郵送でも可能ですが初めての方は手続きがあっているかどうかも含めて直接簡易裁判所へ行き確認することをお勧めします。
私も細かい箇所ですが体裁面のところで何点かご指摘いただき訴状を修正いたしました。基本的には訂正印もしくは捨て印を押すことで訴状を修正することができます。
また訴えを起こす裁判所については原則、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所になるので、東京簡易裁判所になります。

原則として、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所です。
事件の種類によっては、ほかの簡易裁判所にも訴えを起こすことができます。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_04_02_08/index.html

ステップ⑤ 訴状が裁判所にて受け付けられ、最初の期日が当事者双方に通知される

問題なく受け付けられれば最初の期日が当事者双方に通知されます。少額訴訟では、裁判所が最初の期日に当事者双方の言い分を聞いたり、証拠を調べたりして判決することでその日に判決がでます。私も問題なく訴状が裁判所に受け付けられました。
現在はコロナ禍なので裁判所からの裁判の日程調整連絡に1週間~2週間かかるとのことでした。私の場合はタイミングが良かったのか数日で連絡が来ました。折り返し連絡する場合は、「少額訴訟事件 受付票」に記載されている事件番号をお伝えする必要がありますのでご注意ください。
原則裁判は水曜日に実施しているようですが、月に何日かは水曜日以外の日程でも裁判可能なようなのです。ご自身のスケジュールを見ながら希望を伝えればある程度は調整可能です。電話にて日程調整後「期日呼出状」が届きます。「期日呼出状」の下部についている「期日請書」に記名した上で裁判所宛に郵送にて返送もしくはFAXすることで日程は確定になります。

(追記2021/06/22)
被告 株式会社ネットマーケティング側の要望により、少額訴訟から通常訴訟に移行することになりました。その場合、当初少額訴訟で予定されていた期日は一旦キャンセルになります。被告側から「東京簡易裁判所」から「東京地方裁判所」への移送も合わせて要望があったため、裁判所から届く「意見書(東京地方裁判所に移送することに対する私の意見)」に記載の上裁判所宛に返送します。最終的に裁判所にて私の意見書の内容も含めて総合的に判断し、「東京地方裁判所」で取り扱うか「東京地方裁判所」で取り扱うのかが決定します。

ステップ⑥ 移送申立書(地方裁判所)に対する意見書の提出

被告側から「通常手続移行申述書(通常訴訟に移行を移行する書面)」と合わせて「移送申立書(簡易裁判所から地方裁判所へ移送を希望する理由を述べた書面)」送付されました。通常訴訟に移行する権利は被告側にもあるため、こちらは被告側から要望があった時点で自動的に確定になりますが、地方裁判所への移送に関しては、原告側からも裁判所に対して意見を述べることができます。こちらの書面を「意見書」といいます。基本的に決められた書式はないので、必要情報を記載してFAXで裁判所あてに送付すればもんだいありません。参考までに使用したテンプレートを添付いたします。

何か進展があれば状況アップデートします。皆様の参考になれば幸いです。

最後に

私は法律のプロでもないごくごく普通の会社員です。
法律の世界には「権利の上に眠る者は保護に値せず」という格言があります。あなた自身は今回被害者であり、その受けた被害額を請求する権利を使うかどうかはあなた自身の行動次第です。ただし、あなた自身が何も行動しなければ泣き寝入りになるでしょう。
私自身も今回初めて裁判を起こすことになり、分からないことだらけですが裁判をすることを決めました。本人訴訟をすることで自身の経験値も上がり、今後の人生で同じような問題に巻き込まれた時に役立つ側面もあると思いますので是非一緒に頑張りましょう。
役に立ったと思われた方は「気に入ったらサポート」をいただけると幸いです。裁判費用の足しにします。

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