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9月24日のマザコン

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ある日のある瞬間から、両親の不調に巻き込まれて突然人生が激変した悲惨な人の日記です。でもまだ諦めていないよ。
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2020年12月の記事一覧

9月24日のマザコン13

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 午後2時少し前に、総合病院・S病院へ到着。 ああいやだ。この病院は、父の精神科の受診から入院から面会、父の脳腫瘍の受診から手術の付き添いと、イヤな用事でしか来たことがない。病院の建物の前に立つだけでなんとも陰鬱な気分になる。 病院とはそもそもそういうものか。ウキウキな気分で行く病院なんてないよな……。でも小さなクリニックよりも総合病院の方が、明らかにダークな気配が漂っているよね。きっと重病重傷死んだ人がたくさんいるからだろう。幽霊もいるよき

9月24日のマザコン12

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 夜の10時過ぎ、ファミレスで一人ぼんやりと、Twitterのタイムラインを眺める。 今の状況を包み隠さずカミングアウトしたおかげで、励ましのリプライや経験に基づくアドバイスなど、様々なコメントをいただけて非常にありがたい。 もしSNSがなかったら、友人などいないこの町で私は100%の孤立感を味わっていたことだろう。見知らぬ人たちとネットを通じてという、かなり薄い繋がりではあるがそのわずかな繋がりがあるかないかでは大違いである。SNSがある時

9月24日のマザコン11

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 火曜日。 相変わらず母は朝からじっとしていられず、キッチンからリビングまで(1階の端から端まで)を行ったり来たり、ウロウロと歩き回っている。 私が下りて行ってすぐ、私に向けてかそれとも独り言か、母は悲しそうな感じで「全部夢だったらいいのに」と呟いた。 本人はおかしくなって苦しみとかそういう感情も消えつつあるのかなと思いきや、これが全部夢であって欲しいと願うくらい、母は母で苦しいのだなあ。 それは私も同じだ。この状況が夢であってくれたらどんな

9月24日のマザコン10

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 記事の本題とはズレますが。 まだ連載を開始して1ヶ月も経っていないのに、非常に多くの方……noteインフルエンサーの方たちに比べたら何百分の1ではあるけれどそれなりに多くの方にこの日記を読んでいただけて、とても嬉しく思っています。 Twitter等で励ましのコメントもいただき、本当にしっかり励まされています。皆様、ありがとうございます……。 そのコメントの中でたびたび言われることがありまして、それが、「有料noteにして販売したらどうか」

9月24日のマザコン9

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 月曜日。 すでに、朝目覚めたその時からなかなかの絶望感、死にたさに包まれるようになっている。これも7年ぶりの感覚だ……。 2階の自分の部屋で寝ていて、9時過ぎに起きて1階に降りて行くと、リビングのソファーに精神の正常でない高齢の両親がズーーーーンと落ち込んだオーラを出して並んで座っている。 私が起きるまでは早起きの父が母の不安口撃を一人で受けているため、この時点でもう朝なのに父も相当疲弊した状態になっている。 こんなに爽やかさと縁遠い朝があ

9月24日のマザコン8

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 土曜に続いて、日曜もまた別の不動産屋を訪ね、部屋の内見に連れて行ってもらう。 この2日間で実家から近い賃貸物件はあらかた見た気がするので(単身用の部屋に限り)、その中で場所と広さと家賃を並べて総合点が1番高いところへ申し込みをした。 なんでも、近年の傾向としては連帯保証人はつける必要がないが、その代わり保証会社と契約をしなければいけないそうだ。保証会社というのは、いざという時に私の代わりに家賃を払う会社で、私と保証会社の間の契約が成立すれ

9月24日のマザコン7

ひとつ前の記事を読む  記事一覧 両親が寝てから、夜の12時過ぎまでかかって、私はサンドイッチを無理矢理口に押し込めながら、住宅情報サイトで賃貸の部屋を探した。 どういう考え方をしても、私はもう昨日まで自分の生活があった東京には、長く戻れない。 …………果たして親のために子はそこまでするべきなのか? そこまでする義務を子は親に対して負わなければいけないのか?ということはおおいに問いたい。 私にとって東京はただの街ではなく、20年かけて作って来た自分の居場所である。不遇な子