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ミステリは総合格闘技だと思う。

こんにちは。
ワタクシ。今ひっさしぶりにミステリを読んでいます。いつもはハートフルなお話や、ノミネート作品を網羅する日々。何故か少し気持ちに余裕がうまれたのか、はたまた何かのご縁なのか図書館からの予約到着ラッシュがずっとミステリー作品なのでございます。ってことで、今回の週末noteはミステリ特集です。

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私の中でミステリといえば

私の中の定番ミステリ

ミステリ作品で、真っ先に思い浮かぶのが中学生のころにはまった赤川次郎さんの『三毛猫ホームズの推理』です。それはもう圧倒的な人気でした。1978年出版という40年以上愛されている物語。今でも片山義太郎とういう名前・血やアルコールが苦手な刑事だったことを覚えていることに今日気づきました。

その後、TVを観てからシリーズを読んだ東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』は、執事とお嬢様のキャラクターが大好きな作品でした。

近年では、新川帆立さんのこのミステリーがすごい!大賞受賞『元カレの遺言状』も記憶に新しく、同じくドラマ化された相沢沙呼さんの『medium』はラストが圧巻でした。どうやって映像化するんだろう?と思っていましたがこれは原作既読勢あるあるですね。朝倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』はタイトルから誰?と読みながらずっと緊張感が続いていたのを覚えています。

今週読んだ2冊

2022年出版の2冊

そして、今週読んだのがこちらの2冊です。

1つ目は『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』片岡翔 著

『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』は、映画「線は、僕を描く」やドラマ「ネメシス」の脚本家でもある片岡翔さんの小説。流石、目の前に画が浮かび主人公のぶぅちゃんの姿が生き生きと動き出しました。ストーリー随所に本格ミステリへの愛が感じられ、誰かに薦めたくなる作品でした。


2つ目は『あなたの涙は蜜の味』宮部みゆき、辻村深月、宇佐美まこと、篠田節子、王谷晶、降田天、乃南アサ 著/細谷正充 編

『あなたの涙は蜜の味』は、いわゆる不穏な空気が漂うイヤミスの傑作選ということで、まさに選ばれし作者が集まった豪華な短編集でした。短編という短い文章で、あざやかに登場人物や関係を表し、事件や出来事をじわじわ広げる筆者のみなさんの表現には脱帽です。怖くても先が読みたくなる独特の読書体験でした。しかも後味がまたガツンとくるのが印象的です。


今回久しぶりにミステリを読んでわかったのは、作家の皆さんの技の種類の多さでした。トリックなど事件自体の考案やそれを読者か感じる目線の工夫。出来事や会話の整合性。書き出しから世界観にぐっと引き込み展開する力。あらゆる技がペン先から発動されたフィクションにおける総合格闘技だと思ったのです。「これは参った! えーっ!待ってどういうこと?」などこちら側のリアクションの数だけきっと技がキマっているんですよね。中には私のような素人には気づかない仕掛けも隠されているかもしれません。お見事でございます。


これから読みたい今話題の3冊!

ノミネートに必ず登場する3作品

さあ、いよいよとじわりじわりミステリ熱が再燃してきたぞ。と静かに盛り上がりながらタイムラインに流れてくるいろんな方の読了ツイートを見た結果、こちらの話題の3冊が読みたい!と頭から湯気が出ています。(夕木春央さん『方舟』・結城真一郎さん『#真相をお話しします』・呉勝浩さん『爆弾』) 感想などではほんとにネタバレが出来ない世界。「とにかく何も言えないけれど読んでみて」と何れも絶賛されています。私もそれを体験してみたくなりました。


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私はミステリに関してはまだまだ初心者マークが必要な経験の浅い読者ですが、これから先読む作品にあの日の片山義太郎のような印象に残るキャラクターとの出会いがあるかもしれません。読書の醍醐味である“想像”が楽しめる筆者達の総合格闘技“ミステリ小説”を沢山観戦したいと思います。



お読みいただきありがとうございました。



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