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『かこさとしの世界』を読みました。


今週ある黄色い本に出会った。
それは
かこさとしさんのこれまでがまとまった
素晴らしい一冊でした。

こんにちは桜です。
今日は最近のイチオシをご紹介。からすのパンやさんでお馴染みの、かこさとしさんの展覧会図録でもあり2019年6月に出版された『かこさとしの世界』です。かこさんの物語絵本や科学絵本は娘達も私も沢山読ませていただきました。

どのパンがいい?  ~物語絵本~

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読者がパンを選ぶ場面が楽しくて忘れないあの『からすのパンやさん』。ページをめくるとそこいっぱいに描かれたパン。どれにしよう?とみなさんもきっと選んだ記憶があるはず。(私はスイカのパン!)お気に入りを探して形や香りを想像する時間と子どもの笑顔が、かこさんからのプレゼントのように感じます。

かこさんはあまり人気者とはいえないカラスを「もっと子ども達への関心を持つ対象にしては」と採用。この図録本では貴重な下書きを見ることができ、ある違いもわかります。

他にも『おたまじゃくしの101ちゃん』『どろぼうがっこう』『だるまちゃんシリーズ』を何度も読んだことを覚えています。からすのパンやさんの40年後の続編4冊もお気に入りです。どれも美味しそうで楽しさや優しさがあふれています。

どうなってるの?   ~科学絵本~

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かこさとしさんは、工学博士であり技術士でもある為科学を扱う絵本の制作も素晴らしいですね。細かい表現は圧巻。読んだ方もいらっしゃると思います。印象的な『かわ』が好きですが、先日こちらでご紹介した『みずとはなんじゃ?』が絵を鈴木まもるさんに託され2018年出版。これがかこさんからの最後の贈り物となりました。

この夏、娘が読書感想画として、『みずとはなんじゃ?』の世界を絵の具で自由に描いたことが、かこさんの「図鑑のような説明的なものではなく子どもたちが見たまま感じるものに」という想いの先にあるように感じました。読んだ先の体験が出来ました。


今回この『かこさとしの世界』を読んで、かこさんがあえて物語の前に絵の楽しさで満たされないように絵を上手すぎないようにされていたことや、すべては「子どもたちのために」と制作時間の9割を資料の準備に費やされていたことなどを初めて知れました。


コロナ時代においては展覧会へ足を運ぶことがなかなか難しく、この本を読む機会を得ることを嬉しく思いました。


そして「生きるということは、本当は喜びです。」「子どもたちには生きることをうんと喜んでいてほしい」かつてこう語られていたことも合わせて忘れずにいたいと思います。沢山の贈り物ありがとうございました。



作家さんを知るとまた作品を読み返したくなりますね。こうして読みたい本リストが益々増えます。書店や図書館での本選びの参考になれば幸いです。


お読みいただきありがとうございました。



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