夢見るそれいゆ 130
目が覚めると、まだ6時だった。
雨は止み、既に外は明るくなっていた。
今日は蒸し暑くなりそうだ。
私はシャワーを浴びた後、昨日作った服を着た。
鏡を見ながら、更紗先輩のくれたイヤリングを付けた。
キッチンに行くと、パパとママが起きてきていた。
コーヒーの香りが部屋を満たしている。
「おはよう、パパ、ママ。」
私は二人に挨拶した。
「おう、おはよう。」
「おはよう、ひなちゃん。あら?」
いつもと違うことに気付いたのは、ママだった。
「昨日ミシンの音が聞こえてたけど、ワンピース作ってたのね。」
「うん。更紗先輩がイヤリングを作ってくれたから、私も作りたくなったんだ。」
私は、両親の前でくるりと回った。シャーベットオレンジ色の裾が翻った。
「おい、ひな。スカート透けてるぞ。」
パパがワンピースの下を指差した。
薄手の生地で作ったから透けてしまったのだ。
「あー、やっちゃった。」
今日は、この服は着ていくことが出来ない。
私が落胆しているとママが、「ちょっと待って。」とキッチンを出ていった。
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