いつもの年末
「今年のお正月はどうするの?」
息子が、私の母(おばあちゃん)に聞く。その横で、いつもマイペースの私の娘が
「蕎麦食べたい!」
すると、
「俺も蕎麦食べたい!」
と息子も続く。
「いいんじゃない、喪中だからって遠慮しないで、食べたい物食べよう」
と母がいう。その横で、
「ケーキも作るんでしょ?」
と、私の弟が言う。
「おせちは作らないでしよ?」
という私に
「作ればいいじゃない。食べたい物作れば」
と母が言う。
父が他界して、寂しく思っているであろう母に遠慮していたが、
孫が来てくれるのはうれしい様で、
ここ数年恒例となった、息子の手打ち蕎麦と、私の手作りのケーキで年越しとなりそうだ。
今日は朝から
黒豆を煮て、松前漬けを漬け込み、田作りを作った。食べたいのだけ。
娘は母に、豚肉と大根の煮物をリクエストしている。
ケーキは今日はスポンジだけ焼いた。
明日実家でデコレーションする。
弟にイチゴを買っておいてねー、とLINEする。
今日これから食べるケーキは
レモンケーキ✨
養蜂の師匠から頂いたレモンで作った。
朝からずっと台所に立つ
いつもと変わらない年末。
トントン、コトコト、カタカタ、
色んな音がする、いろんな匂いがする、ガスの炎で暖かい台所は、いつもと変わらない幸せな時間が流れる。
「明日は何時の電車に乗る?」
息子からLINEがくる。
それもいつもと変わらない。
無口だけど、
わいわいしている家族の中心にいつもいた父は、いつもの様にそこに来ていそうだなぁ、と思ったいつもの年末。
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