ショパンの孫弟子による伝説のノクターン

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤⑤

ラウル・フォン・コチャルスキ(1885-1948, ポーランド )
ショパン「夜想曲第2番変ホ長調 作品9-2 (ヴァリアント付)」(1938年録音)

● ショパンの高弟カロル・ミクリにショパン伝統の継承者として育てられたサラブレットであるコチャルスキによる伝説的なSPレコード。聴き慣れないヴァリアント(装飾音)は、ミクリがショパン自身の演奏を聴いて書き留めたものと伝えられており、さらにはも別バージョンまでコチャルスキのさらに古いSP録音やミハウォスキの録音に残されています。
ショパンは即興的な装飾音を付けて演奏した例が幾つも伝えられていますが、これのレコードはそれを裏付けています。
コチャルスキが、どの程度ショパン自身の演奏スタイルを再現しているか、過大評価は禁物ですが師ミクリから多くの証言を得た事は確かです。このレコード以外にも「幻想即興曲」などの演奏は拍の取り方が違う楽譜を元に演奏されていて非常に興味深いものです。

▶︎ コチャルスキは、晩年のライブ録音に、よりリラックスした本来の姿を見出す事ができます。(私にはレコード録音は、少し強張ったように聴こえます。)またピアノロールも数本残しており、こちらは余り知られていません。ショパンのクラコヴィアク Op.14や、独奏版のピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11などレコード録音されていない曲も多くあり、いつの日かCD復刻される事を願って止みません。

皆様からいただいたサポートは、ピアノ歴史的録音復刻CD専門レーベル「Sakuraphon 」の制作費用に充てさせていただき、より多くの新譜をお届けしたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。