見出し画像

不思議の国のアリス症候群って知ってる?

不思議の国のアリス症候群」という病気をご存知だろうか。
このNOTEを読んで頂いているということは、一度は、聞いたことがある、という方も多いのかと思われるこの症候群。
何を隠そう、私もこの症候群に(偶にではあるが)悩まされていて、啓蒙のため体験談を書いていこうと思う。

「感覚」を言葉にするために非常に、分かりづらい事もあると思うが少しでも理解していただけると幸いだ。

そもそも不思議の国のアリス症候群って?

不思議の国のアリス症候群(ふしぎのくにのアリスしょうこうぐん、Alice in Wonderland syndrome、AIWS、アリス症候群)とは、知覚された外界のものの大きさや自分の体の大きさが通常とは異なって感じられることを主症状とし、様々な主観的なイメージの変容を引き起こす症候群である。

Wikipedia 不思議の国のアリス症候群より

不思議の国のアリス症候群(以下、『症候群』と表記)は、名前の通り、ルイス・キャロル著の児童文学「不思議の国のアリス」から名付けられた精神疾患のことを言う。

主に、小児期に発症しやすく「てんかん」や「偏頭痛持ち」そして、EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)と呼ばれる(日本では成人までに90〜100%の人が感染する)ウイルスによって起こる脳の炎症が主な原因と言われている。
つまりは、日本人の誰もがこの症候群を発症しても、おかしくはない。

症状としては、突然空中浮遊しているような感覚であったり、自分の体が大きくまたは小さくなったような感覚に襲われるケースが多いようで、この症状が数分、長い時で数日にわたり続く場合もあるという。

治療法は、現状自然治癒を待つほかない。

筆者の場合

ここからは私の体験談を書いていこうと思う。

まず私は、小児てんかんを持っており、中学生の時に二度発症した事がある(現在てんかんは、寛解している)。
症候群の原因の所で前述の通り「てんかん」が私の原因だと思われる。

この症候群を初めて知ったのは私が高校一年生の時、偶々Twitterで流れて来た記事を読んだことがきっかけである。当時からしばしば浮遊している様な、現実から離れているような感覚であったり、頭では人は空中浮遊することは出来ないと理解しつつも、過去に家の中を空中浮遊しながら飛んでいた様な記憶がありそれが不思議であった。
しかし記事と出会い、症候群によって起きる幽体離脱体験をしていたのだとわかり安心したのだ。

この症候群が起きるタイミングはいくつかあるが私が認知した順にまとめると、初めに発熱している時、次に静かな場所に居る時、そして最後が真っ暗で広い場所に居る時であり、そのタイミング毎に起こる症状が変わってくる。

CASE 1: 発熱時

発熱している時、特に、横になっている時や病院へ向かう車の中で座っている時に襲われる感覚は(幼少期から現在まで変わらず)永遠にスレダーに自分の体を通している様な感覚である。

非常に、何を言っているのかわからないかと思うのだが、思い返すと、私が幼稚園児だった頃から、発熱すると何故だか脳裏にはスレダーに自分の体を通している情景がありありと浮かび、感覚もそれに引っ張られる様に、全身を痛みなく永遠に細いところを通される様な、ロードローラーで際限なく全身を引き伸ばされる様な、感覚が私を襲う。

そしてこの感覚によって、自分の時間感覚すらも狂わされ、永遠とさえ錯覚してしまう。

CASE 2: 静かな場所に居る時

静かな場所に居る時と書いたが、他にも面接を受けている時や(私が中学生だった頃)教師から説教を受けている時であったりと様々なタイミングに、同様の感覚が襲う。
それが、その姿勢のままに全身が横向きに回転している感覚である。

その姿勢のままというのは、立っているときは立った姿勢のまま、座っている時は、座った姿勢のまま、みぞおち辺りを軸にして、ゆっくり横回転している感覚である。

これが、日常生活の中だと一番起こる事の多い感覚である。
脳では立っている、座っていると理解しているはずなのだが、全身の感覚は回転している複雑な状況になる。
さらに同時に、顔を横方向に、ゴムのように伸び縮みさせている感覚が襲うこともある。

これもCASE1と同様に、時間感覚が狂い、その瞬間が通常よりもゆっくりと流れている様に思ってしまう。

CASE 3: 真っ暗で広い場所にいる時

真っ暗で広い場所、というのは夜の砂浜であったり、田舎の明かりがない道と言ったらわかりやすいだろうか。
その場所に居る時に襲われる感覚が、俗に言う幽体離脱に近い感覚だと思われる。
足裏で地面を感じ、腕に風の当たる感覚はあるのだがその温度はほぼ感じず、体を何処かへと置き去って、ふわふわと浮かんでいる様な感覚である。

私がこの感覚に初めて襲われたのは、高校一年の夏、部活の合宿で、千葉の九十九里へと行き、その夜に友達と九十九里浜へと散歩しに出かけた時であった。
夜の九十九里浜は、明かりがなく、真っ暗でだだっ広い場所で、海の方へと歩いて行った時、突然フッと全身の感覚が去っていった。
自分がそこに存在していないような、頭では歩いているという事を理解しているはずなのに、浮遊していると、どこかに飛んでいってしまうと錯覚し、凄まじい恐怖で、私はパニックに陥ってしまった。
横を歩く友に恥ずかしげもなく手を掴んでくれと頼み、なんとか感覚を取り戻す事が出来た。
後にも先にも、一番の恐怖体験であったと言える。

このCASE 3のみ対応策があり、それは、明るいところへと行くということである。
そうすると、自然に体の感覚は正常へと戻る。

以上の3パターンが私が経験した、症候群の症状である。
この3パターンのどれもに共通するのが、自分の感覚が正常ではなくなってしまい、時間感覚が狂うということである。
CASE1とCASE2には、自分の対応策がなく自然と感覚が正常へと戻るまで待つという、対処でやり過ごす。

最後に

ここまで読んで頂いた方には感謝を伝えたい。
非常に、伝える事が難しく、自分の文章力のなさを嘆くばかりではあるが「不思議の国のアリス症候群」を少しでも、知って頂き、もしお子さんや身近にこのことで悩んでいる人が居たら寄り添って頂けたら幸いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?