見出し画像

帰り道

今日は久しぶりに都内で撮影だった。久しぶりすぎてちょっと心配だったので、いつもよりレンズを2本多くカメラバッグに入れたら、けっこうな重さになった。

去年、腰を本格的に痛めて、ついでに首も痛めたので、お医者さんのアドバイスでカメラバッグをリュックに変えた。それまではドンケのカメラバッグを使ってたけど、いつも右側に持つ癖がついてしまい、整体に行くたび「体が右側に傾いてます」と言われていた。

その前は、ジェラルミンケースを使っていて、疲れたらケースに座れるし、撮影の時もちょっとした台になるので重宝していたけど、さすがに重量に負けた。使い続けていたら、もっと体が傾いていたかもしれない。でも、昔すごくお世話になった父のような人から譲ってもらったものなので、歩く必要がない撮影の時にはまだまだ現役です。

今使っている、リュックのカメラバッグも、先輩から譲ってもらったもの。最初は借りていたけど、彼のポートレートを撮ることを条件に譲ってもらった。物々交換。

リュックのカメラバッグってかっこいいデザインのものに出会ったことなかったけど、このカメラバッグはすごく気に入っているのでずっと使うと思う。ただ自分で買ったものではなくて、誰かの時間や愛着が刻まれているモノが好きだ。

今日はかなり機材が重かったので、暇そうにしている息子に、駅までの機材持ちをお願いした。ソフトクリームと物々交換で。おかげでわたしは手ぶらで歩くのが気持ちよかったし、息子は「筋トレになる」と言ってた。駅前のお店でソフトクリームを買って、バイバイ。もう背丈がそんなに変わらない息子が、ソフトクリームを食べながら「いってらっしゃーい!お仕事がんばってね」と、わたしが見えなくなるまで手を降っている姿は、いつもより幼く見えた。どんな気分で帰ったかな。

久しぶりに電車に乗る瞬間はどんな気分になるだろう、と思いながら電車を待ってたけど、そのあいだに仕事のメールやスラックやチャットワークが入ってきて、結局、いつのまにか電車に乗っていた。

現場に着いて、写真を撮っていると、「ああ、これだよなあ」と実感。心地よい緊張感と集中力で時間を忘れる感じ。どれだけ被写体に向き合えるか、ファインダー越しに結局自分が見える。

帰りの電車で気が抜けて、ちょっと頭がぼんやりするのも好きだ。いつのまにか移動していて、まるでワープしているような感覚。置き忘れが怖いので、いくら重くてもカメラバッグを膝の上に乗せるようにしている。

画像1

帰り道。こんなに暗くなってから外を歩くのも久しぶりで、ちょっとうれしい。街灯がスポットライトみたい。いつもの猫に会えたらいいのにと思ったけど、会えなかった。うちは高台なので上り坂が多くて帰り道は大変だけど、空が大きく見えるのはいい。空高く、月のひかり。

画像2

「帰ったら、あれやって、これやって」と段取りを考えながら歩く帰り道が嫌いじゃない。

結局、帰ってすぐ急ぎの仕事してたら、こんな時間になってしまった。でも、久しぶりに現場に出て、ちょっと新しい風が自分の中に吹き込んできた感じがうれしい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?