雲脚(藪内家の茶室)

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「雲脚(うんきゃく)」

京都藪内家の茶室。

天正9年(1581年)10月2日、千利休より相伝の賀として藪内家初代の剣仲に贈られた茶室と伝わります。同家にはこの茶室とともに、利休筆「雲脚」の瓢形板額・炉・風炉用の道具一式が伝来しています(板額は下がり壁に掲げられています)。

元治元年(1864年)の蛤御門の変で藪内家が類焼して後、翌年ただちに再建されたのが現在の雲脚だそうです。

外観は屋根が入母屋造柿葺(こけらぶき)、南面に躙口と上に連子窓、西面には二枚障子の貴人口と下地窓があきます。東面は二枚襖を出て廊下をはさんで談古堂、北には水屋が接します。

内部は二畳台目向切で、躙口を入って正面に見える点前座は客座との境に壁をくり抜いたような下がり壁と袖壁があり、あたかも点前座全体が洞床のような構成です。

さらに炉の先には三角形の向板が敷かれ、その正面の壁は壁床となっています。客座側からは壁面がななめに向いており、御手前をする亭主の横姿と床(壁面)に掛けた掛軸が同時に眺められるような仕様となっております。

茶道口の方立には竹を用いており、燕庵などと同様に剣仲の義弟・古田織部の好みを踏襲しております。またその隣の柱(壁床との境)にはなぐりの柱を立て、床柱にも見立てられます。

文化8年(1811年)頃までは向切ではなく台目切だったようですが、それ以外は焼失前の姿をとどめています。

藪内家ホームページによると、明治の中頃に路面電車が走るようになった時、屋敷の道路側全体の地盤を高くして建て直されたため、貴人口は使えなくなってしまったそうです。

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