ラッキリライブー恵比寿リキッドルーム2020.09.24
昨夜、ラッキリことLucky Kilimanjaroの恵比寿LIQUIDROOMのワンマンライブに行ってきました。このライブはラッキリが全国ツアーの一環として5月に予定していたものが、コロナの影響でツアーが中止となり、仕切り直してコロナ対策を取った形で開催されたライブでした。
LIQUIDROOMは通常、収容人数は900人らしく、5月のツアーもチケットはソールドアウトだったようですが、今回はソーシャルディスタンスのため、200人という少人数の観客での開催になったようで、事前にそれを聞いたときは「スカスカの会場では盛り上がらないのではないか?!」と不安な気持ちで会場に入りました。
18時半会場のちょうどくらいに入ると、すでに用意されていた椅子席はほぼ満席で思ったより「スカスカ感」は無く、ボクらのような年寄りにはむしろ丁度良い距離間でした。もちろんライブはもっと大勢いたほうが盛り上がるし、会場の熱も伝わりやすいのですが、今回のような距離感も思ったほど悪くないなと思いました。
椅子席も後の方はギリギリ空いていたのですけど、カミさんと二人でいったので、背丈のせいで椅子席だと見えにくいので、あえて一段高い立見席の最前線で見ることにしました。丁度ボクの位置がライティングのせいでスポットライトが当たっているような位置だったので、もしかすると「奴」からも良く見えたんじゃないかと思います(笑)
19時のスタートでほぼ定刻で演奏が始まります。セットリストは割愛しますが、ややおとなしめの入りだったかな。全体的に感じたのは、P.A.さんの音作りが控えめだった気がします。ボーカルが良く出ていて、聴き易いことは良いのですが、ラッキリのような「踊らせるバンド」ならもう少し低音を効かせたドンシャリの音でも良かった気がします。
好みの問題かもしれませんが、ボクらが若いころに踊っていた「ディスコ」とかでは、DJがもっと「音で煽る」ことをよくやっていて、ただレコードを掛けているだけなのに自然と盛り上がるという感じがあるのですけどね。特にリズムセクションの音は「よりライブ用」の音が出ているともっと「ノリ」が良かっただろうと思います。
しかし音づくりとしては、まずます良かったと思います。観客もソーシャルディスタンスのため、声が出せず、どこまで「気持ちが入っていた」かは見えづらかったのですが、演奏したラッキリの面々はとても「気持ちの入った」演奏に聞こえました。これで通常の観戦スタイルだったら、きっと最高の盛り上がりを見せていたのでしょうね。
2時間足らずの時間で25曲ほど、たっぷり演奏してくれたので、ファンの皆さんからすればやはりワンマンライブならでは満足感が得られたとは思いますが、ソーシャルディスタンスの影響もあって、本当に「燃え尽きた感」を与えられたのかどうかも考えて、思うところを少しディレクションをしてみようと思います。
ラッキリもライブでは、発売した音源と違うアレンジやイントロが「付け加えてある」という形でやっていますが、もっと大胆な「違い」を見せたほうがいいだろうと思います。ライブに来てくれた人に「特別なものを見た」「これはライブじゃないと見れない」「これを見るためにライブに来る」というスペシャリティを作ってほしいなと思います。
ラッキリの曲は全体的に短く、大きな長い展開を持った構成の曲が少ないですね。それは非常に現代的でレコードでは敢えてそのような「曲作り」をしているのだと思いますが、ライブを「ショー」として考えると、メリハリをもう少し強調した構成の曲があったほうがいいだろうと思います。
ラッキリで一番盛り上がる曲は今のところ「HOUSE」でしょう。昨日の観客のノリを後ろから見ていても「HOUSE」が始まったところで一番の盛り上がりを見せました。お客さんが「この曲を待ってました!」という気持ちが伝わってくる曲です。その曲が3~4分では非常にもったいないなぁと思います。この曲についてはぜひ「ロングバージョン」を作るべきだと思います。
まさにそれが「特別なものを見た」「これはライブじゃないと見れない」曲になるし、たっぷり10分以上にすれば、お客さんの満足感はさらに高まると思います。そのような曲はどのアーティストも持っていて、ラッキリでそれをやらない手はないのではないでしょうか。あれだけ多作のユキマル君なら、新曲を作るつもりでもっと大きな展開を持つ素晴らしい「HOUSE」が作れるはずだと思っています。
比較対象として適切かどうかわかりませんが、さいたまスーパーアリーナでライブをした岡崎体育君の「MUSIC VIDEO」はコミカルなMVが注目されがちですが、実は曲の構成が素晴らしく、なんと7つのブロック構成を持っています。1つの曲で7つの違う構成を成り立たせて、それが違和感なく受け入れられてヒットするというのは、相当の考え抜いた「名曲」だと思います。
もしラッキリが「MUSIC VIDEO」に相当する曲を持ったなら、出身大学近くの大きなホールでライブする日も遠くないでしょう。なにも「HOUSE」のロングバージョンでなくても良く、新曲でもいいのですが、大きい構成を持った曲を持てば「ひとつ抜ける」とボクは考えています。
KingGnuが「白日」を「売れることを意識して作った」という言っているように、ユキマル君が多作である=アイディアが出てくるのであれば「大きな構成の曲=勝負曲」も今なら作れるのではないでしょうか。ボクは君の才能を信じています。来年こそホントの勝負です。ひとつ上に行くには「大きな構成」がポイントになると思います。ガンバレ。