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頭にぬいぐるみ乗せてみた

【櫻の魔法 〜図書館の記憶〜「村山美羽」】
「美羽〜どこ行った〜?」
「なに?」

キッチンからひょこっと顔を出してきた。

「これあげる」
「.......なにこれ」
「美羽に似てたから」
「......え、どこが」
「どこが?......全体的に」
「全体的に?笑」
「うん笑」
「ありがとう」
「.....待って笑  なんで頭に?笑」
「可愛いかなって」
「じゃあそれ落としたら負けね?」
「え」
「.....笑」
「ちょっと.....笑」

肩を軽くどついてみる

「痛いって笑」
「え、全然ビクともしないんだけど。美羽の頭頂部真っ平ら説」
「うるさいな笑」
「ほ〜ら落ちるぞ〜」
「落ちないよ」
「落としたら泣くかも」
「.....落とさないよ」
「泣かないよ笑」
「泣け」
「あ」
「あ」
「アイス食べたいなぁ」
「やだよ買うって言ってないし」
「一緒にコンビニ行くか」
「行く」
「手繋ぐ?」
「やだ」
「かなしみ」
「うそいいよ」

珍しく美羽から手を繋いできた。

「なに?変なものでも食べた?」
「ううん、カピバラのお礼」
「ふーん」
「嫌なら離すけど」
「嫌じゃないよ?」
「ねぇ強いって、手痛い笑」
「美羽、すぐ離すから」
「今日は離さないってば」
「コンビニに入っても繋いだまま?」
「それはやだ」
「なんでよ〜」
「恥ずかしいもん」
「かなしみ」
「......どうしても繋ぎたい?」
「どうしても」
「やだ」
「繋ぐ流れだったじゃん笑」
「知らないよ笑」
「じゃあ離しちゃおっかな」

すると強く握り返してきた。

「今日は離さないって言ったじゃん」
「でもコンビニ入ったら離すんでしょ?」
「......分かったよ」
「笑笑」
「もう.....でも今日だけよ?」
「明日は?」
「やだ」
「明後日は?」
「やだ」
「明明後日は?」
「いいよ」
「なに?なにが違うの?笑」
「笑笑」
「あ、でも明明後日仕事で遅くなるかも帰るの」
「そうなの?」
「うん、たぶんミーティング伸びるはず。なんか凄い偉い人来るみたいで」
「.......寂しい?」
「うん寂しい。だから起きてて」
「それは分かんないよ、眠たかったら先寝るし」
「眠たくなかったら起きててくれるの?」
「いいよ」
「なにどうしたの美羽ちゃん」
「やめろそれ」
「もしかして寂しかったの美羽ちゃん」
「そんなこと一言も言ってない」
「可愛いね美羽ちゃん」
「美羽ちゃんって呼ぶな」
「耳赤いよ美羽ちゃん」
「気温のせいでしょ」
「ふっ笑  そういうことにしといてあげるよ」

握ってる手が明らかに温度が上がったのを感じていた。

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