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和声法⑴〜三和音の基本形


今回は、和声法(0)で学んだこと(和音記号、和音の機能、カデンツなど)を使って、実際に和声課題をやってみましょう。



⑴三和音 👈
⑵三和音の第一転回
⑶三和音の第二転回とバス定型
⑷属七の和音
属九の和音
⑹Ⅱ7の和音
⑺準固有和音
⑻ドッペルドミナント①
⑼ドッペルドミナント②
⑽Ⅳ7、ナポリ、ドリアの和音


はじめに、以下の4つの規則を見ていきましょう。


①四声体…4つの音と音域

和声法では、1つの和音に4つの音を使います。

四声体では「四つの声」という名の通り、男2人女2人の計4人の歌い手が、それぞれ自分のパートを歌うと、1個の和音ができあがります。

4つのパートは、バス、テノール、アルト、ソプラノです。
合唱でもおなじみの用語ですね。

人間の声を前提にしているので、それぞれ使っても良い音域が決まっています。


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テノールとソプラノの上限が「ラ」の音であるということだけ覚えておくと良いです。


四声体なので、三和音を使うとすると1つの音を重複させることになります。
大体は根音(一番下の音;root)を重複させます。

一番はじめは、バスに根音
テノール+アルト+ソプラノ=上三声に三和音の3つの音をひとつずつ配置していきます。

バスが根音の和音を基本形と呼びます。



和声課題の多くは「バス課題」と呼ばれるもので、あらかじめバスの音だけが設定されており、
そこに上三声を自分自身で埋めて(作曲して)いきます。

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今回はこのバス課題に上三声をつけてみましょう。


その前に和音設定をします。
今回は基本形のみの課題なので、和音設定は考えるまでもありません。

慣れないうちは、構成音を書いておくのもよいでしょう。

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②配置 …密集と開離 etc.


☆配置には、密集開離があります。


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この図の通り、密集は3つの構成音が「つまった配置」、
開離は3つの構成音が「1つおきに並んだ配置」です。

ここで和声課題を解くにあたって大切なルールがあります。

【重要】直前の和音が密集だったら次の和音も密集、直前の和音が開離だったら次の和音も開離です。これを配分一致といいます。

【配分一致】
    密集→密集
    開離→開離

進んだ和声学や、実際の作曲ではそこまで厳密に守られませんが、初級の段階や試験では、このルールを守っておく必要があります。



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今回はためしに、ソプラノに根音をおいた密集配置からはじめてみましょう。



③連結 …共通音保留 etc.

❶直前の和音の中に同じ音があった場合、その音は同じ人が歌います。

C:Ⅰ→Ⅳ  ドミソ→ファラド
⇒ドがある声部は、引き続きドを歌う。


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(共通音が2つ以上ある場合は、1つ以上の声部を保留しましょう。)

C:  Ⅳ→Ⅱ  ファラド→レファラ
⇒ファラのうちの1つ以上(今回は両方)を保留。

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❷共通音がない場合、ソプラノをバスに反行させ、配置を整えましょう。


(★例外) 短調の場合は増音程ができてしまうため、続く和音がⅤの基本形の場合、上三声は必ず下行させます。

今回の課題はハ長調なので、上三声を下行させることもできますし、レという共通音を保留することもできます。

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④限定進行音…シド

☆導音(シ)を歌った人は、次は必ず主音(ド)を歌います。

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こちらが今回の和声課題の完成形です。

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復習として、開離配置や、ソプラノを第3音(ミ)や第5音(ソ)ではじめるパターンも作ってみましょう。



今回の参考文献はこちらです。




次回の和声法⑵では、三和音の第一展開形を扱っていきます🎶


最後まで読んでくださり、ありがとうございます🌸


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さくら舞

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