不登校児専門公立中「草潤中学校」について思うこと
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不登校児専門公立中「草潤中学校」について思うこと

みなさん、こんにちは。臨床心理士のさとうです。

本日は岐阜市に新しくできた「不登校児専門公立中」草潤中学校についてお話していきたいと思います。

岐阜県に新しく不登校児専門の中学校ができるという話は前々からかなり話題として上がっていました。みなさんもニュースなどで目にする機会も多かったのではないでしょうか。

草潤中学校は、給食や制服がなく、授業時間も一般の中学校よりも大幅に少なく、かつ、登校についても①家庭学習が基本②週数日登校③毎日登校の3つのパターンから選ぶことができるといった中学校である。(他にも様々な配慮や取り組みがなされているが本日は割愛させていただきます)

今までも「不登校」の子どもたちに向けて学校側は取り組みを多々行ってきていました。

入試の際に不登校枠を作り、当日の試験の点数だけで合否が決まるという取り組みを行ったり、全寮制で不登校の子たちを全面的にバックアップする取り組みを行ったり。他にも様々です。

ただそういった取り組みは比較的私立の中学校が多いのも現状です。

そのため今回のように公立の中学校が「不登校」に特化した学校を作ったということは本当に大きな「よい変化」で大変素晴らしいことだなと感じました。

学びの多様性

先程も少し触れたように、近年児童生徒にも多様性があるように、学びや教育、教室のあり方などにも様々な変化が出てきています。

フリースクール適応指導教室も最近は本当に様々な取り組みを行っています。
ゲームや漫画が置いてあるところもあれば、農業体験ができるところもありますし、授業などにプログラミングが含まれているところもあり、個人に合った学びができるような場所が増えてきています。

このようなフリースクール、適応指導教室の取り組みは「学校」というイメージを柔らかくし、子どもたちも安心してその場所へ行くことができるのだと思います。

私も大学院のときに実際、適応指導教室で学校になかなか行くことが難しい児童生徒を間近で見てきました。
彼らは学校に行けない自分にもどかしい気持ちを抱きながらも一生懸命自分を好きになろうと努力をしていました。

そして安心・安全な場所で自分らしさを発揮し、それらを周囲に受け入れていてもらうことで自信になり、困難に立ち向かっていけるようになっていくのだと感じました。(もちろん全てではありませんが、私が実習で行っていた適応指導教室の児童生徒にはそういった印象を受けました)

学校以外の居場所作りの重要性

私自身過去のnoteにも記載しましたが、中学校のときにいじめの経験をしました。

中学生の私には学校しか世界がありませんでした。

学校での居場所を失うということは、どこにも所属していないという恐怖や世界からはじき出されてしまうのではないかという不安を奮い立たせました。

家か学校か

生きるか死ぬか

このくらいしか選択肢はないと当時は思っていました。
同じように思っていた方もいらっしゃるかもしれません。

私が中学校のときに同い年の子どもたちがいじめが理由で自死の選択を取っており頻繁にニュースにも流れていました。

私はテレビ越しに、彼らも私と同じように選択肢がなかったのだろう、と思い、とても辛い気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。

学校以外に所属している場所があれば、選択肢があれば、なにか変わっていたかもしれません。

それは現代の子どもたちも同じです。

選択肢を知らない怖さ

今の子どもたちは実際に、私が中学生のときよりも選択肢は増えてきているとは思います。

しかしカウンセリングに来る子どもたち、そして親御さんたちはこういった選択肢を知らない場合が非常に多いのです。

「適応指導教室やフリースクールというものがあるのですがご存知ですか?」
「学校以外にも居場所を作ることは可能です」
「本人が好きな学びのスタイルをとることができますよ」

こういった声掛けをすると子どもも親御さんもとても安心されます。

実際に適応指導教室やフリースクールへ行き復学した子どもたちや、進学した子どもたちは沢山います。

もしこの選択肢を提示しなかったら、親御さんも子どもも追い詰められ、もっともっと傷が深くなっていたかもしれません。

このように選択肢を知らないことの怖さはとても大きいのです。

もちろんフリースクールや適応指導教室に抵抗を示す子どもたちもいますし、安易に勧めたりはしません。
カウンセリングを重ねていき、そのご家族全体をアセスメントした後に提案をします。

今回の不登校児専門の中学校が出来たというニュースは、親御さんにとって選択肢の1つとなり、考える・知ることのきっかけに繋がったと思います。

まだまだ新しい学校で今後どのように成長をするか分からないですが、少しでも辛い思いをしている子どもたちやご家族の方の希望になることを願っています。

それでは、また。

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感情の落としもの箱として使っていきたいと思います。 臨床心理士 公認心理師