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ユーザーコミュニティをクローズした経緯と謝罪

本noteは、cmkt(カスタマーマーケティングミートアップ) Advent Calendar 2021、21日目の投稿です。20日と勘違いして1日前に投稿してしまった…

はじめまして。ベルフェイス株式会社でCustomer Marketingチームのリーダーをしています、sakumaです。

先日、12月2日に開催されたcmkt vol.9の回に登壇していた者です。

ご覧いただいていた方はおわかりかと思うのですが、発表内で皆さまの注目度が高かった「コミュニティクローズの意思決定」について、この場でお話しようと思い、noteアカウントを作りました。

※ベルフェイス社のメンバーとして主な内容を記載していますが、一部個人の主観・お気持ちも含みますので取り扱いにはご注意ください。


序論

自己紹介

書き始める前に、簡単ですが自己紹介をします。

端的に言うと、よく居るジェネラリスト器用貧乏であり、PR/広報~マーケティング~セールス~CSとさまざまな職種を渡り歩き、気づけばSaaSレベニューモデルほぼ全てちょいつまみしてしまったような人材です。

この辺りの詳細は話すと長くなってしまうので、ご興味ある方はMeetyからご連絡いただくか、DMくださいませ。


書き始める前に

タイトルにも書かせていただいた通り、まずはコミュニティクローズのお話を一部公開するうえで、関係者の方向けに改めて謝罪とご説明をしなければと考えています。

(関係者ではありませんという方は、次の見出しまでスキップしてください。)

ベルフェイス運営コミュニティ「bellFace Village」へ関わってくださっていたすべての皆さまへ

いつもご愛顧いただきありがとうございます。

今年の夏頃、突然のコミュニティクローズ連絡によりご心配・ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、クローズ決定経緯と担当としての想いを本記事にて公開いたします。

これらを情報公開することにより、同じくコミュニティを運営される方々の学びへと昇華させたいと考えております。

皆さまのご理解と温かいお言葉を賜り、粛々とではありますが、現在新たなコミュニティの公開に向け、準備を進めております。弊社からの続報をお待ちくださいませ。

コミュニティクローズの一件についてご不明点、ご質問、ご意見ございましたらお気兼ねなくご連絡ください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ベルフェイスが挑む再PMF

2021年1月にベルフェイスへ入社した私ですが、入った瞬間から大転換の中で濃密な日々を過ごしています。

詳細は弊社代表が語っているこちらの記事をご覧ください。

コロナ禍での市場逆転、そこからの転換…
別の切り口から弊社取締役CTO/CPOも振り返りをしています。
(ベルフェイスでは開発に携わる皆さんでアドベントカレンダーを実施しています。こちらも要チェックです。)

今まさにベルフェイスはリスタートしている最中です。


カスタマーサクセスを今一度考える

前職で、エンタープライズ企業様向けSaaSを展開する会社のマーケティングマネージャーを務めていたこともあり、入社当時はエンタープライズ向けマーケティング組織へ配属されました。

ですが、先に挙げたとおり、戦略に基づき組織についても変化があったので、入社3ヶ月後にはテクニカルサポート、カスタマーマーケティング、CS Opsを擁するDivisionへ異動が決定していました。ベンチャーあるある。

その時の状況をざっくり訳すと、「外的環境が変化しているのであれば、そもそも論から見直しが必要かもしれない」しかし「流れは止まってくれない」し、「みんな目の前のことで精一杯」だよね、だから「横串部門を作って一からやっていこう」という感じです。

この混雑状態を整理する交通整理役として「我々の顧客とは誰か」「顧客に対して何を成すのか」「そのために何に取り組むべきなのか」という議論を繰り返しながら、前提を揃えていく作業に着手しました。

過去の活動〜その当時の取り組みについては、こちらの記事が一部参考になりますのでぜひ。


本論

カスタマーマーケティング活動の見直し

上流整理が進むにつれて、チーム内の施策についても再検討していました。

この当時、顧客との関係性や顧客接点の保持、メンバーの負担、他チームとの関係値、2〜3年後の未来などがカオスな状況で「このまま動かしていると破滅の道かもしれない」と感じていたこともあり、まずは既存施策を整理してみました。

  • カスタマーが中心となる目的を持っているか

  • カスタマーに対して明確なベネフィットがあるか

  • 我々にもベネフィットがあるか(主にリテンションへ繋がるか)

  • それらがデータ的にも裏付けが可能か

ざっくりこの辺りの観点を見ながら、整理をしていきました。もちろん完全に裏付けできなかったものもありますが、その場合は通説や外部の体験記、社内の定性情報、カスタマーへのインタビュー情報を参考としました。

※データを元に分析することができた施策では、かなり面白い結果が出たので別機会にnoteに書こうと思います

整理してわかったことは3点
「基本を大事に」「目的を明確に」「目的に合わせて手段を選ぶ」です。
そもそもカスタマーサクセスってなんだっけの状態だったので、発生して当たり前かもしれない。


コミュニティのクローズ

整理をもとに、我々が改善行動をすれば良くなる・まだ間に合うものは早々に着手し、リカバリーをしていきました。

しかし、コミュニティについては、古よりカスタマーマーケティングチームが注力してきたこともあり愛着深い、ゆえに根深いフェーズでした。
根深い理由は色々あるので主要なものだけ挙げると…

  • 方針転換が数回発生していたため、コミュニティVISION・目的が希薄化

  • 設計に新規向けマーケティング意図が入ってしまっている

  • ユーザーが多種多様化、データで紐づけられない方も多い

  • 当時の目的や経緯を知るコミュニティマネージャー不在

  • プラットフォームでのコンテンツ更新はあるが、アクティブ率は低下傾向

  • 関係者以外の社員からの認知も低下していた

(有識者の皆さまからすると、なんてことやってんだ!とお叱り受けてしまう状況です。本当にごめんなさい、何も言えません。)

上記課題の詳細を把握するため、4月時点で緩やかにストップし、一度考え直す時期を設けました。

コミュニティがわからなくなってしまったら、もうそれはコミュニティではなく、無いも同然。それならばいっそ終了させてしまった方が…

ストップ後はずーっとこの考えがぐるぐるしていました。
しかしユーザーへの負担が大きすぎること、何より今までの信頼を損ねてしまうのでは無いかということを懸念していました。
私がコミュニティというものを理解できていないのか?という線も考え、本や記事を読み、社内外へヒアリングをし、改めて提供できる価値と現在の状況をまとめても、光明はやってきませんでした。

これはもう腹を決めるしか無いと決意したのは、約3ヶ月が経過した頃でした。

上申用資料の1ページ

クローズの結果は誰のせいでもありません。(ただし決定したのは私です)ウン百名のユーザーを抱え、立て直すタイミングを見失ってしまっていたんだろうと個人としては思っています。


結論

コミュニティに大事なものは目的だ

いや、もはやコミュニティ以外のすべての施策においてとても大事です。
Who、誰に対して提供するかの大上段の基、活動のコアとなるユーザーと我々が目指すべきVISIONとやっていく意義。これらが何らかの形でブレてしまうと崩壊します。
(cmkt主宰の長橋さんが7月にアップされたこちらの記事がタイミングも相まってぶっ刺さっていました)

今回幸いにも立て直すというチャンスをいただけたため、初期設計と目的を正しく伝えるためのブランディング、共感いただけるリーダー探しにかなり時間をかけています。自分のみなので通常より倍の時間がかかっているかもしれません。


+目的と手段を履き違えないこと

先日、コミュニティ再開に向けてユーザーさんと座談会をした中で「手段であり目的では無い」という話で盛り上がり、分野は異なりますが大切なことを教えていただきました。

ついつい推進者は「どう進めるか」に思考が寄ってしまい、叶えたいことから離れてしまうことは往々にしてあります。これを自覚したうえで、物事を進めていくのは非常に難しいことではありますが、忘れずに精進していきたいと思います。たとえ迫られても目的を貫く強い心大事。

  • なぜやるのか、目的を忘れない。

  • コミュニティ立ち上げの基本の流れを丁寧に実行することを心がける。

  • 飛び道具はないことを念頭に置きながら中長期視点を持ってデザインする。

大先輩方が既にお話しされていることですが、身をもって体験した私の話が一助となるのを願い、締めくくらせていただきます。

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