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対話と名づけられたモノローグ

佐藤優香 Dialogue あくまで私見だが、街に出ていわゆる「スナップ写真」を撮るということは、自分が見たもの、感じ取ったものに対して、「カメラを操作してシャッターボタンを押す」という身体的動作に直結させることだ。 見たものに対して何かを思い出すとか、ある感情になるということを切り捨てなければ反応できない。視界の中、または視界の外の音や匂い、肌感覚から、なにか「引っ掛かるもの」に対して、機械に触れる人差し指で反応する。 いつもそうできるとは限らないし、できたからといってそ

    • 「終わり」と見えざる手について

      有川滋男 "It has already been ended before you can see the end" を観て、宙に浮いたままどこにも着地出来ないような不思議な違和感を感じ、これはなんだろうかと思い考えてみた。 シーンの構成要素を挙げてみる。 ①民家の窓 蜂の巣が出来始めている ②トンネルのような穴から外を眺めている 水面・鳥・クラゲ・海・樹木・亀・散った桜の花びらが重ね合って景色を作る ③階段に置かれたサボテン ④加速する月、太陽と雲、火の粉、水面 ⑤壁

    対話と名づけられたモノローグ