見出し画像

ナショナルズが28歳マイナーリーガーとメジャー契約を結んだワケ

ストーブリーグも本格化し、続々とフリーエージェント選手の移籍先が決まっています。そんな中でナショナルズがメジャー経験の無い28歳右腕カイル・フィネガンと単年メジャー契約で合意に至りました。今日はフィネガンとはどんな選手なのか、そしてナショナルズはなぜ彼を獲得したのかを書いていきたいと思います。

カイル・フィネガンって何者?

フィネガンは13年ドラフト6巡目でアスレチックスに入団しましたが、先発としては芽が出ず、16年からはリリーフにコンバートされていました。リリーフに転向すると、先発時に90マイル前半だった速球が最速100マイルを計測するまでに成長。それに伴ってK/9も大きく上昇(13-15年=5.72⇒16-18年=9.32)しています。

今季は97マイル前後の球速を維持しながら、速球の動きを大きくしたことでさらに支配力が向上しました。2A/3Aで計50.2イニングを投げて防御率2.31・K/9=12.8・BB/9=3.2とキャリアハイの成績をマーク。また、過去2シーズンでセーブのつく条件で30試合に登板して28セーブを成功させるなどクローザー適性も示しています。メジャー昇格こそかないませんでしたが、フィネガンはマイナー屈指の優秀なリリーバーであると言えます。

フィネガンがナショナルズにフィットするワケ

①リリーフ補強が急務である
今季のナショナルズは、ブルペン防御率がリーグワーストの5.68と悩まされてきました。さらに胴上げ投手ダニエル・ハドソンがFAとなり、補強が急務でした。超打者有利のパシフィックコーストリーグ(3A)でも好投したフィネガンに目をつけたのは必然かもしれません。

②40人枠にかなり余裕がある
そりゃどこだって獲得したいと思うところですが、40人枠の問題があります。ナショナルズは現在ロースターに30人しか選手がいません。正式発表の無いハウィ・ケンドリックとヤン・ゴームズを足しても8枠の余裕があります。メジャー契約のオファーを与えられる球団はそう多くないはずで、ナショナルズが獲得レースを制しました。

③使い勝手が良い
まず、最低年俸の約56万ドルで安価に雇うことができます。さらにマイナーオプションが残っているため、昇格/降格を自由に行うことができます。これはルール5ドラフトで獲得した選手やオプションの切れたベテラン投手とは異なる点です。もし思ったような成績が残せなくてもマイナーに置いておけばよいのです。またナショナルズは先発5番手~ロングリリーフを争うオースティン・ボス、エリック・フェッディ、ジョー・ロスがいずれもオプション切れとなっているので、マイナーオプションの残っているフィネガンには価値があります。

まとめ

①28歳でメジャー未昇格とはいえ、フィネガンはマイナー屈指の優秀なリリーバーで、補強ポイントにドンピシャ。②40人枠にかなりの余裕があるナショナルズだからこそメジャー契約で獲得できた。③成功すれば大儲け。失敗しても最低年俸だし、マイナーに置いておけばOK。

プロフィール的には今季28歳ながら新人として68試合に登板して防御率3.32・K/9=15.2と活躍したニック・アンダーソン(レイズ)のような働きを期待したいですね。レンドン、ストラスバーグの動向に動きがあったらまた更新しようと思います。それでは。

Photo:https://flic.kr/p/a4UaDD





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?