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就活に疲れて、札幌に流れ着いた。 ワケはそのうち見つかると思う


大学3年の夏、疲れていた。

ゼミの運営、デザインのインターン、イベントの運営、そして就活を始めた。

でも、疲れていることに気がつかなかった。他の人はもっと頑張っていると言い聞かせて、目の前にあることを淡々とこなしていた。


インターンは疲弊に拍車をかけた。行きたくもない企業のESを大量に捏造していく自分が惨めで仕方なかった。本心と行動が離れていく違和感に、見てみぬふりをしていた。


そして、急に壊れてしまった。早朝に散歩に出かけ、家に帰れなくなり、気づいたら浅草のカプセルホテルで転がっていた。考えようとすると頭の中がまっしろになってしまって、うまく考えられなくなり、ずっと胸のあたりが重かった。誰かに連絡しよう、しよう、と思ってLINEをずっとスクロールしては消して、を繰り返した。


深夜のダンダダン酒場でひとりで号泣していたら「何があったかわからないけど、元気だしなよ」と声をかけてくれた店員さん、元気かな。ティッシュ、大量消費してごめんなさい。でも、本当に嬉しかったです。


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その後、友達が迎えに来てくれて、全部休む決心がついた。大学も休学することにした。

「やめます」「休みます」という連絡に果てしなく消耗した。途中で投げ出すなんて、そんなの大河原じゃない、と思っていた。みんな聞いてくれるよ、今まで頑張ってきたんだから、と言ってくれた先輩の言葉を頼りに各所に連絡をした。みんな事情をわかってくれて、労いの声をかけてくれて、毎回泣きそうになった。


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(↑浅草の帰りに食べた今半のすき焼き丼。味がわからなくなっていたのにこれはたしかに美味しかった、また行きたい。)


休む、と決めてから毎日寝てご飯を食べてをしばらく繰り返した。何もしない、をしてみた。「精神的な不調である」ということをちゃんと受け止めるには、なかなか時間がかかった。気が狂ったように好きだったお笑いも全く見られなくなり、なぜか見たいと唯一思えた星野源のライブ映像を永遠に垂れ流していた。ダウンする前に買ってあったお笑いライブに一応足は運んだけど、心の中では面白いと思えても顔が引きつってなかなか笑えなかった。元気がないと笑うこともできないと知った。


「ちょっと頑張る」ということがあまりにも下手くそになっていた。背筋を伸ばして座る、とか早めに返信をする、とか、LINEやメッセンジャーで「!」を使うとか。そして、パソコンを開いたり、SNSを見るだけでボロボロ泣いていた。その時のわたしには情報量が多すぎて受け止められなかったのだと思う。


カウンセリングを受けながら、徐々に自分の心の状態を認識できるようになり、だいぶ落ち着いてきた。(大学には大体カウンセラーさんが常駐しているので、心当たりのある方は是非すぐに頼ってください。)

精神的な不調についてめちゃくちゃ調べた。論文も読んだ。自分は過剰適応という状態だったとわかって、また泣いていた。自分はやはり体調不良であったと誰かに認めてもらえたことに安心した。

ゆうすけ先生のこの記事で過剰適応という言葉を知った。元の状態に戻ろうとするのではなくて、「フルモデルチェンジ」するんだって思えた。


ある日、泣きじゃくりながら「札幌に住みたい」と親に言った。なぜかわからないけど、とにかく札幌に住みたいと猛烈に思った。生活がしたい、と思った。

ずっとお世話になっている恩師を頼り、部屋を決め、段ボールを4つ郵送して移住した。なんだか呆気なく引越しが済んでしまって拍子抜けしたけど、あのニッカウイスキーの通りを歩きながら「私、本当に札幌に住んでる...!」と密かに感動していた。管理人のおじさんには「東京から来たの?なんでこんな寒い時期に引っ越してきたのよ」と哀れみの顔を向けられたけど、こんな長い経緯を話せるわけもなく、「間違えちゃいました〜」と笑った。


収入源であるインターンもやめて移住してきてしまったので、とりあえずUbereatsでもやろうと自転車を買ったけど、3日後に積雪して自転車に乗れなくなった。

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とにかくアルバイトを見つけなきゃ、と思って、お仕事募集のFacebookを投稿したところ、すぐりょうへいさんからメッセージが飛んできた。「ようこそ札幌へ!ところでロゴ作らない?」というメッセージだった。メッッチャ嬉しかった。そして「みんゆき」のロゴやシェアハウス雪結のチラシを作らせてもらいました。りょうへいさんに会ってから、ゴロゴロと事が進んでいき、嬉しい巻き込まれ事故に会い続けています。本当にいつもありがとうございます!好きです!


みんゆき__04_logo

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開業届もだして、一応個人事業主になりました。

札幌に逃げてきたので、屋号はnigebaにしました。私の逃げ場でもあるけど、誰かの逃げ場にもなりたいと思っています。無理をしない程度に、少しずつお仕事を増やしていきたいです。


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そして、ご縁があってバイトも始めました。大通駅近く、北海道新聞のビルの中にあるコアワーキングのスタッフです。是非、仕事・勉強しにきてください。大体ここにいます。


「なんで札幌にきたの?」とよく聞かれるけれど、「札幌に住みたかったから」としか答えられなくて。移住した時点でやりたいことは達成されてしまったので、日々ひたすら生活をするのみなのです。目標とかやりたいことは、ここにいればそのうち見つかる予感がしています。


初めての一人暮らしで、ガス代や生活費の高さに青ざめながら毎日サバイバルのように生きていますが、まわりのひとに恵まれてなんとか生活をしています。トイレットペーパーを買い忘れたり、雪の中チャリででかけて転んだり、誘惑に負けて帰り道にラーメンを食べたり、そんな生活の断片が愛おしいです。


これを読んでくれた方へ。何かに疲れて、もう逃げたくなったら、新千歳行きの航空券だけ買ってください。美味しいご飯を食べて、お酒飲んで、温泉入って、雪景色を眺めましょう。あ、あと喫茶店の開拓にも付き合ってください。入りづらい地下の居酒屋にも!話したかったら話してもいいし、話したくなかったら話さなくていいです。とにかく大河原は首を長くして待っています。

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何か起きるたびに、この時の落ちた状態と比較して安心してしまうので、そろそろ供養したいなと思って書いて見ました。残したい、と思うまで時間がかかりました。人が病んでる話なんて、誰も読みたくないと思ったし、自己開示を消費されるのが好きではないのです。


でも、この前、「せっかく札幌にいるんだから、楽しいことをするといいよ」って言われて楽しいことか〜なんだろうな〜って全然パッと出てこなくて。落ちた状態をまだ少し引きずっているので、楽しいも悲しいもあまり思わないように、常に真ん中でいられるように踏ん張っていたのです。何でもかんでも共感していたら、疲れてしまうというのを、身体が覚えてしまったような感じがします。もうちょっと、感情の揺れに身体を委ねられるといいなあ。もうすこし時間がかかりそうです。


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美味しい珈琲を飲みます☕️