指で描く想いは距離も言葉もこえる。
何年か前から帰り道、駅の改札で見かける恋人と思しき2人。
改札で別れを惜しむように手を取り合い、彼が彼女を見送る。
その手がほどけた後は手話で会話を続けます。。
僕は手話がわからないけれど、
彼女と彼の、その笑顔と寂しさの入り交じる表情と
指先までいっぱいいっぱい使って、
その「ことば」のひとつひとつが、しなやかで優しく、語彙に感情に溢れている感じが伝わります。
新型コロナウイルス感染症拡大前は、その表情も見て取れたけれど今は2人ともマスクをつけています。
彼が人混みで見えなくなる直前、彼女の指はいっそう早く動いて、
更に距離が開くと、ぴょんぴょんと跳んで、せいいっぱいに気持ちを伝えているのです。
「また明日ね」とか「気をつけてね」そんな言葉を交わしているのかなと、思うと、なんだか見てる方がキュンキュンしてしまった・・・。
本当に素敵だった。
大きな声での会話も憚れる中、雑踏も関係ない、離れても離れても正確に指先で伝える思いは見えない糸を引いてしっかり届いている様子。
手話って素敵だなぁ・・・。
おっさん、胸がキュンキュンして吐きそう。
呑んでもないのに。
中学のとき、クラスメイトに居たので、かんたんな手話を教えてもらったのを思い出します。
今はそれすらもうろ覚えだけど、「おはよう」とか「テスト できた?」とか、音がなくたって気持ちが伝わったときは感激したことを憶えています。
当時なかったメールやSNSも当たり前になり、文字で伝えることは容易になったけど、指で伝える気持ちも素敵だなと思ったのでした。
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