【001】作曲超基礎|まず1曲作ってみよう
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【001】作曲超基礎|まず1曲作ってみよう

こちらは、記事19本からなる作曲解説マガジン「作曲がわかるマガジン」のひとつめにあたるものです。
※電子書籍としてリリースしている「作曲がわかる本(Kindle)」を大幅に加筆/修正したうえで、「作曲がわかるマガジン」として再編集しています。

こちらの記事のスタート地点として、何よりも先にみなさんの「曲を作ってみたい」という思いを尊重し、ひとまずいきなり短い曲を作ってみましょう。

ここでは難しい事柄を極力排除して、曲作りに必要となる最低限の知識や手順をまず解説していきます。

この解説に沿って実施すれば、きっと無理なくシンプルな曲を作れるようになるはずです。

作曲を進めるうえでの前提

まず、こちらで前提としているのは、

・歌(ボーカルメロディ)のある曲
・ポップス・ロックなどのポピュラー音楽

を作ることです。

そのうえで、「歌」を作るにあたり最も大切なことは何かといわれたら、それは「メロディを歌いながら作る」という点に尽きます。

■歌い心地を確認する必要がある

ボーカル曲の主役は文字通り「ボーカル=歌」で、歌のメロディを作ることが作曲の中心的な作業となりますが、上記で述べた「歌いながら作る」を実施すると主に以下を確認しながら作曲を進めていくことができます。

・歌いやすいメロディかどうか
・歌うのに無理がないメロディかどうか
・歌いたくなるメロディかどうか

つまり、「歌のメロディ」にはここで挙げたような「歌い心地の良さ」が求められる、ということです。

※この点が「歌以外によって奏でられるメロディ」との大きな違いになる部分だといえます。

これから作曲を進めていくにあたり、まず第一にここで述べた「メロディを歌いながら作曲を進めていくこと」を必ず守るようにして下さい。

■「弾き語り形式」による作曲

実際のところ作曲にはいろいろなやり方がありますが、ここでお伝えしている「歌いながら作ること」を踏まえ私が導入しているのが「楽器でハーモニーを弾き、メロディを歌いながら考えていく作曲」です。

【メモ】これを私は「弾き語り形式の作曲」などと呼んでいます。

上記で挙げた「ハーモニー」は、ポップス・ロックでは「コード」「コード進行」などと呼ばれ、3~5音の重なりを「C」「Am」などのアルファベットと数字等によるコードネームによってシステマチックに表し、演奏していくことができます。

つまり、

【1】 楽器(ピアノまたはギター)でコード(和音)を演奏する

【2】 それをいくつか切り替えながらコードの展開(コード進行)を作る

【3】 それを伴奏としてメロディを歌って考えていく

という手順によって、音楽を作り出していくことができるのです。

※この作曲のやり方は、サザンの桑田さんやミスチルの桜井さんなど、一流アーティストのみなさんも採用する一般的な作曲法のひとつです。

こちらのnoteに沿って作曲を進めるにあたり、その準備としてピアノまたはギターを入手しておいて下さい。

===

・ピアノか、ギターか、どちらを選ぶべきか?

現在既にピアノまたはギターを持っており、どちらかが少し弾ける場合にはそれをそのまま活用すれば問題ありません。

【メモ】本noteでは便宜上「ピアノ」という名称を用いていますが、それは電子キーボードやシンセサイザーなどの鍵盤楽器全般を指します。

反面で、楽器の経験が無くこれから始める場合には、「ピアノで作曲すること」をおすすめします。

その理由は、ピアノに以下のような特徴があるからです。

・鍵盤を押せば音が簡単に鳴る
・安価ですぐに入手できる
・イヤホンで気兼ねなく音を鳴らせる

(電子キーボード等の場合)

つまり、初心者が演奏に取り組むにあたり、いろいろな面でギターよりもピアノの方が優れているのです。

【メモ】ギターはそもそも演奏するのに苦労するため、作曲の前の段階で壁ができてしまうといえます。
【補足のひとこと】そのような意味でギターは初心者におすすめしづらいですが、「それでもギターでやっていきたい」という場合、挑戦してみる価値はあります。私も専門の楽器はギターです。

■どのような状態を完成形として目指すのか?

上記を踏まえ、このnoteで「曲の完成形」として目指すのは「コード進行の伴奏に歌がついている状態」です。

一般的に「曲」というとピアノやドラムなどの様々な音が複雑に混ざり合っているサウンドを連想できますが、こちらでの「曲」は上記で述べた通り、

楽器(ピアノまたはギター)のコードによる演奏+歌

のみで表現されるものとして認識して下さい。

【メモ】具体的には、例えば人前で演奏を始め、曲の前奏から本編、後奏までを「楽器によるコードの演奏」と「歌」のみで完結させるような状態を曲の完成形として想像してもらえると、イメージを掴みやすいはずです。

以下は、その完成形となる曲のイメージに近い弾き語りの動画です。

また、このように弾き語りの状態として完成させた曲は、その後にその他の楽器を加え、バンドの生演奏やDTMなどによって編曲することができます

超基礎的な作曲の準備と進め方

では、ここからいよいよ超初心者向けの曲作りの手順について具体的に解説していきます。

作曲は上記で述べた通り「弾き語り」のスタイルによって、

・コードによる楽器の演奏
・歌

という2点を掛け合わせながら進めていきます。それぞれについて、これ以降でより詳しく解説します。

■準備1: 楽器の演奏について

まず、楽器(ピアノまたはギター)では、

・C(シー)
・Dm(ディーマイナー)
・Em(イーマイナー)
・F(エフ)
・G(ジー)
・Am(エーマイナー)

の、6つのコードのみを演奏に活用します。

以下は、ピアノ・ギターそれぞれにおけるコードフォームを図にしたものです。

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↑※赤丸が左手、黒丸は右手

画像2

↑※「×印」の弦は演奏しない

作曲の準備として、まず入手した楽器によってこれら6つのコードを弾けるようにしておいて下さい

【メモ】現在、ピアノ・ギターを既に持っていて、これらのコードが弾ける場合にはこの工程は省略することができます。

楽器の経験が無い場合にはまずこの点に苦労しそうですが、それでも弾けるようにするコードはわずか6つで、コードフォームもそこまで複雑ではないため、何度かやっているうちに弾けるようになるはずです。

■準備2: 歌について

続いて「歌」についてですが、これには多くの人にとって馴染み深い

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ

の7音を活用します。

具体的には、作曲の最中に歌を「ららら~」のような声に出しながら、

・ドレミ~
・ソファソラド~

などの音階によって歌っていく、ということです。

以下は、ピアノ・ギターそれぞれにおける「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の位置を表した図です。

画像3

↑※ご存知の通り白鍵そのものです

画像4

↑※代表的なポジションのひとつです

実際に「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階を歌(ららら~)によって表現していくことになるため、事前にこれらのポジションをもとに音を鳴らしながら、その音階を声に出せるよう簡単に練習しておいて下さい

■手順1. 楽器でコード「C」を鳴らす

これ以降、具体的な作曲の手順を解説します。

まず、手順の一つ目として上記でご紹介したコードフォームの図を目安として、楽器で「C」のコードを鳴らして下さい

この「C」の響きがそのまま伴奏になるため、伴奏だと感じられるようリズムを付けて演奏できるとより良いです。

■手順2. 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音を活用して「ららら~」で自由に歌う

次に、上記「C」の伴奏に歌を乗せるような感覚で、歌のメロディを「ららら~」のように自由に歌って考えます

この際、既に述べた通り「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階を活用します。

【メモ】これを実施するにあたり、事前の準備を通して「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階を感じておくことがメロディを歌いやすくするためのポイントとなります。

上記でも解説していますが、具体的には

・ドレミ~
・ミ~ソシドド~
・ソファーミーミド

など、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」をいろいろなやり方によって組み合わせることができます。

ここで心掛けるべきは「なるべく自然なメロディを目指す」という点ですが、作曲超初期のこの段階では細かいことはあまり気にせず、とにかく心のままにメロディを歌ってみて下さい。

【補足のひとこと】童謡のようにシンプルなメロディになってしまっても全然問題ないです!

■手順3. コードをCから次へ展開させる

次に、冒頭で伴奏として弾いていた「C」のコードを次なるものへ切り替えます。

ここでも活用できるのは

C、Dm、Em、F、G、Am

の六つのコードで、既に「C」を演奏しているためその他5つが次なるコードの選択肢になるといえます。

より具体的にいえば、

・C→Dm
・C→Em
・C→F
・C→G
・C→Am

という5パターンのうちから既に歌っているメロディに最も似合うと思う構成を選択して、実際にコードをつなげてみる、ということです。

「どのコードがメロディに一番心地良く調和するか」という観点からお好みで次なるコードを選び、つなげて演奏してみましょう。

===

・コードを切り替えるタイミングについて

ここで、

「『C』のコードから次なるコードにはどの程度のタイミングで切り替えるべきか?」

という疑問を持つはずですが、この点について一般的には「4拍」または「8拍」「2拍」などが想定できます(以下図例)。

画像5

例えば「8拍」のように「C」のコードを長めに鳴らすような構成にすると、伴奏にはどっしりとした雰囲気が生まれます。

反対に「2拍」のように「C」のコードを短く鳴らしてすぐに次なるコードへ切り替えると、せかせかした雰囲気が生まれます。

どれを選んでも曲として成立させることはできますが、ここでは初心者向けとして最も標準的な「4拍」でコードを切り替えるやり方をおすすめします。

■手順4. メロディをさらに長く伸ばす

次に、前述の手順によって切り替わったコードにあわせ、メロディもさらに長く発展させます。

詳細やコツについてここでは割愛しますが、同じく

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」

を活用しながら、心地良い雰囲気を探りつつ次なるメロディを考えてみましょう。

■手順5. さらにコードおよびメロディの双方を発展させ、ひとつのまとまりを作る

これ以降は、「コード」「メロディ」の双方をここまでに述べたものと同じやり方によって発展させます。

ある程度の大きさになるまでコードとメロディを伸ばし、区切りが感じられるようにまとめましょう。

超基礎手順のまとめ

ここまでに述べた解説に沿って、コード数個とそれに合わせた数小節分のメロディからなる短い曲を作ることができるはずです。

あわせて、作曲の体験を通して主に以下のようなことを感じるかと思います。

・メロディを自由に思い浮かべるのが難しい…

・コードをどんな基準によってつなげていけばいいか迷ってしまう…

・他にもいろいろなコードを使ってみたい…

・メロディやコードを展開させるのが難しい…

・もっと長く、しっかりとした曲を作りたい…

本格的な一曲を作るにあたっても、基本的にやることはここまでの解説とほぼ同じです。

そして、より長く展開があって聴きごたえのある曲を作るためには、上記で挙げた内容につながる以下の3点を主にこなせるようにしていく必要があります。

【1】より魅力的で柔軟なメロディを自在に作れるようになること

【2】いろいろなコードを意図的につなげていけるようになること

【3】曲を聴きごたえのある構成に組み立てていけるようになること
【メモ】つまり、ここからきちんと作曲を学ぶにあたり主に身につけるべきはこの3つの技術や知識であるということです。

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これ以降、残り18本の記事に渡り、作曲を円滑に進め魅力的な曲を作り上げるために必要な知識やコツなどを解説していきます

まずコードやメロディを自由に組み立てていけるようになることを目的として、「音」についての理解を深めるために音楽理論の初級部分を学びましょう。

それにより上記で活用していた

・「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」
・「六つのコード」

というレベルからさらに視野を広げることができるはずです。

また、その後にはより具体的な手法やコツを示しながら改めて「作曲法」を詳しく解説していきます

作曲の全体像が見え、よりきちんと、かつ柔軟に作曲をコントロールできるようになっていくはずです

これ以降の記事を通して、ぜひ納得できる1曲を作り上げて下さい。

(「002」の記事↓へ続きます。)

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19本の記事に渡り、作曲初心者向けに、作曲に必要な「音楽理論初級」「作曲法基礎」「音楽理論応用※一部」を解説します。

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作曲が好きで「作曲好きな人」が好きな作曲の先生|作曲歴28年|20代ソロでインディーズ活動→30代で教える側に転身して教室開始→これまで100人以上に作曲を教えてきました|作曲ブログ月間最高30万PV|https://sakkyoku.info/