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我が子が保育士を目指したら①~練習しない子ちゃんの初歩からピアノ

 「進路変更をしなければならないとき」で書いた通り、私の長女はかつて、「保育士」を目指していました。
中学生の頃から何となくそういう道へ、と言っており、最終的な進路決定は高校2年生でした。

 小さい子の扱いは、当時私よりも上手いと感じていました。
私は小さい子の扱いについてトラウマみたいなものがあり、自分の教室の生徒も最初は「小学生以上」しか募集できなかった時期があります。だから、小さい子にすっと溶け込める長女を少し羨ましいと思っていたんです。

 私の友人であるジャズボーカリストの伊藤綾さんのインターネットラジオでテーマにしたことがありますが、

「保育士さんや幼稚園の先生って、ピアノは弾けるんじゃない」

と私は思っていました。理由は以下の通り。
 高校の同級生の中に保育科に進んだ人たちがいますが、彼女たちはピアノ経験者でした。あるいは、中学くらいから習って、何とか弾けたみたいです。

 そして、娘たちの通った私立幼稚園の先生方も、どうしようもなくピアノが下手で困るという方はいらっしゃらなかったのです。


 ですので、私の中の認識は


「バリバリにショパンと言う人は少ないけど、保育士さんは、ブルグミュラー位は終わってるんじゃないかな。童謡を弾きながら歌えるってすごいな」


だったのです。

 ところが、長女の小学校のママ友さん(お子さんが別の幼稚園に通っていた)から、あまりにも下手くそで泣ける先生がいたという話を耳にして。 生徒さんのママさんからも、

「行事で間違えまくり、ママたちのあいだでブーイングだった先生がいる」(これも、娘たちとは別の保育園にお子さんが通っていた方)という話を聞いて。


 保護者の立場として、我が子の行事で間違えまくりの先生はいやだな、って思いました。

特に、卒園式で間違えまくりなんて最悪(緊張してミスするのとは違い、明らかに”弾けてないやろ”という状態です)。

 ちょうど、そんな話を聞いた矢先に、長女が「保育士さんになりたい」と言い出したので、「ピアノが弾ける母」としては内心「こりゃ、えらいことになった」と思いました。

 長女はヤマハのグループレッスンからエレクトーン個人レッスンを受けていましたが、
「発表会前にならないと練習しない子」

という、先生泣かせの生徒でした。

それも、自主的にやるというより、とうとう間に合わない、やばい!という状態から追い立てるようにして練習させていた経験があるので、私は内心(長女のお尻をまた私が叩くのはいやだなぁ)と思っていました。

でも、保育士になりたいと言っていたのに、高2になるまでピアノのことが本人の頭から抜け落ちていました。

 エレクトーンをやっていたので、かろうじて楽譜は読めるし、指も全然動かないわけではありませんでした。ですが、本人が目指したのが2年で卒業する「短大保育科」だったため、母の私の方が焦ったのです。
 保育士さんや幼稚園の先生は、「弾き歌い」があるから、歌もピアノもなんて大変なんじゃない?大丈夫?って心配したのですが。

大丈夫じゃない状況であることが、のちに分かったのです。

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