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自分で書いたえろい話が読めない字書きの話

字書きとして、オタク創作活動を続けているどこにでもいる腐女子です。
主にpixivで小説を公開しています。現在絶賛スランプ中にて、まったりとした更新頻度になっています。早く脱出したい。


最近ではTwitterやpixivといった、自分で創作したものを気軽に公開できる場が広がり、一枚のイラストや一話だけ書いた小説なども簡単に世に出せるようになったと思います。

良い時代になりましたね。
一昔前のサイト運営が主体の時代だと、まずはサイト作りからしなければならなかったので中々大変でした。アレはアレで一から作り上げる楽しさもありますが、やはり簡単に越したことはないです。


字書きに限らず、創作するオタクの一番のメリット。それはやはり、『自分の好みドンピシャの作品が読める』という事だと思います。


制作するのが自分なので、他でもない自分のツボを的確に狙い撃ちできるわけです。
そりゃそうじゃ。当たり前っちゃ当たり前なんですけれどね。でも良いものです。


何てったって、自分が楽しむためのものですから、甘いのも切ないのもすべて自分好みに味付け。時々ギャグっぽい要素を足したり、何なら原作の雰囲気とはガラッと変えたパロディとかも、自由自在に作れちゃうわけです。

(個人的に原作がめちゃくちゃ暗いシリアスなものほど、二次創作では平和にほのぼのと暮らして欲しいと思ってしまいます)


ニッチな性癖や趣味嗜好を持つ方ならば、やはり元々の作品を探すのよりも 自分で作っちゃった方が何倍も早い。それと、その界隈での作り手さんの年齢層によって作品の傾向も変化するものだと思っています。

なんとなく若い人が多いジャンルだと、恋愛ものメインな話が多い気がする。あと学パロが多い。もちろん勝手なイメージですが。

私も読み手だったときは、なかなか自分好みの作品に出会えることが少なくて困っていました。「作品自体はたくさんあるのに、どうしてこの話が無いんだろう?」なんて、上から目線なことを何度も考えてしまいました。

自分で書くようになってからというもの、この不満はすっかり解消されました。
キャラの台詞ひとつひとつや、比喩表現の言葉の使い方など。そういった細々としたものから、ストーリー全体の流れやオチ、それとパロディの設定などなど。すべて自分の塩梅で作れるようになったからです。

もちろん「たまには他の人が書いた話が読みたい!」という贅沢な悩みが生まれましたが、一先ずは納得のいく形で解決されたのです。


ただ、また別の不満が生まれました。

「自分の書いた話は好きなのに、エロは読めない!あんなに苦労して書いたのに!!」

これです。
何ですかこの不満。


そもそもどうしてこんな不満が生まれるのか?

私は自分で書いた話が好きです。
読みやすいし、萌えるし、尊いし、何より面白い。何より自分のツボをおさえている「わかってる」作品ですので、読んでいて安心感があります。実家のような安心感。

解釈違いなんて不満もありませんし、
それと これは腐女子ならではですが、CPのそれぞれ愛情の重さがあった方が好みです。

攻めの方が受けへの愛情が重いくらいが好きでして、受けは何なら攻めに対して恋愛感情を抱いてなくても良いぐらい。基本受けのキャラの方が好きなことが多いので、好きな子が愛されていればそれだけで幸せなんです。

そういった意味でも自分の書いた話は大好きですが、一番好きなところは文体や言葉選びなどの国語的な部分だと思います。

読んでいてちょうど良いぐらいの文字数や、想像しやすい表現。台詞ひとつの言い回しや語感なんかも、他の人が書いたものよりも自分の書いたものの方が好きです。
これはきっと、自分にもはっきりとは分からないほど敏感な部分な気がします。


よく「作品から作者の人柄が窺い知れる」なんて事を聞いたりしますけれど、それはあくまでその人の表現や視点の一部を覗き見れるというだけ。誰しもが持っている視点は自分のものしかないので、それしか見たことがないだけです。だから創作している人の作品を通して、その作者が持つ視点や思想の片鱗が見える世界に違和感を覚えてしまうんだと思います。



何やら高尚な話になりかけていますが、
結局のところ、『どうしてそんなに自分好みな話を書いているのにえろいのは読めないのか』という話です。


これは多分、私の文章力がえろい話に適していないからだと思います。

結局そういう話です。
ただ、これはもう文才とかとは違う雰囲気の話になると思います。



よく絵師さんにある話だと思いますが、その人らしい絵柄ってあるじゃないですか。

ほのぼのとした平和な日常ものには 等身低めのデフォルメ強めの可愛い感じの絵柄が合うように、ストーリーがしっかりと作り込まれているハラハラドキドキするような漫画には線の細い描き込まれた絵柄が似合いますよね。
少女漫画のようなキュンとするストーリーのときは心理描写が多かったり繊細な表情だったり、熱いバトル展開のストーリーのときはスピード感溢れる描写やちょっと厨二くさい台詞回しだったり。

それとはまたちょっと違った話として、えろいシーンのときは擬音がやたら多めだったり、絡み合った構図なんかは身体のパーツが変な感じになっていないかとか、色々考えられていると思います。絵師さんはすごい。



実はそれと同じ話が、字書きにも当てはまります。ようは絵柄と似た話なんです。

その人にした書けない絵柄と同じように、文章にもその人にしか書けないものがあります。
カートゥーンアニメのようなカクカクとした絵柄もあれば、国民的アニメのような丸みのある絵柄だってあるじゃないですか。前者はポップな雰囲気ですが、後者は親しみやすい雰囲気のはずです。

それは、文章だって同じなんです。


違うのは、一目ではなかなか分かりにくいという点です。同じ言語を使っているので当然といえば当然ですが、全然違います。字書きにも、その人の文体や文章によって得意なジャンルが異なります。料理上手な人がたくさんいれば、その数ほど得意料理があるでしょう。そんな感じです。

結論から言うと、私の文章では私が好きなえろい話は書けないという事です。どんなに頑張って書いても、ちゃんと読めない。それにはちゃんと理由があるんです。

たまに感想頂いたときに聞かれたりしますが、結局自分好みのものしか書けないので 仕方ないのです。どうしても読みたいものがあるときは、得意な方のを読みます。

別に腐女子だからといって、みんながみんなえろいのを求めているわけではないですしね。
……今ちょっとだけ嘘をつきました。やっぱりちょっと悔しいですね。ありとあらゆる自分好みの話が書けるようになりたいものです。

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