追記あり「パクレ警部の事件簿」問題の考察(ネタバレ注意)

 また長文で書きたいネタが出てきたので、書きます。創作者としては、戒めの意味もこめてまとめておきたいと思ったので。興味がありましたらおつきあいください。ただし長いよ! 長いからね!!(念押し)

●問題の概要をおさらい

 この見出しを見てこの記事を開いた時点で、ある程度内容を把握しているかたがほとんどだと思いますが、念のため書いておきます。

 まず、「パクレ警部の事件簿」というのはドラクエ10で実装されたクエストです。さまざまなキャラクターたちの「今」を掘りさげる配信クエスト「アストルティア キャラクターズファイル」シリーズの4作目となります。

 このクエストが実装されたあと、運営に対し数多くの「ご意見」が寄せられたそうです。私自身は当時の広場(感想を書き込める公式の場所)を見ていないので想像になりますが、意見の多くが否定的な内容であったと予想できます。

 その結果、運営が公式に釈明のコメントを出すという異例の事態になりました。これまでも批判があって削除された台詞などはありましたが、このようにクエストストーリーそのものに対しコメントが出るのは、ドラクエ10では初めてのことではないかと思います。

 ではストーリーのどんな部分が問題だったのかというと、簡単に言えば「もしもこのストーリーが本当のことなら、自分(プレイヤー)たちがこれまで繰り広げてきた冒険は一体なんだったのか?」と戸惑ってしまうような内容だったのです。私も実際にプレイして、そう思いました(笑)。

 それくらいとんでもない組織が登場します。が、実は本当の問題はそのこと自体ではないんですよね。それは運営が出したコメントを見れば明らかです。ちょっと引用しますと……

ネタばらしになってしまいますが、今回のお話はパクレ警部の夢想がプレイヤーに干渉した虚構の世界です。

 つまり、現実でないのでどんなすごい組織が出ようと関係ない!ということですね。ですが、このクエストの出来事が実は現実じゃなかった……というはっきりしたくだりがクエスト内に存在しなかったがために、多くのプレイヤーが実際にあったことと思い、複雑な気持ちになってしまったのです。

 ようするに真の問題は、あの出来事が現実でないとはっきり知らしめなかったことにあります。

●現実でないことを表現しなかったワケ

 ではなぜそういうストーリーにしたのかというと、それも運営のコメントにしっかり書いてありました。簡単に言うと「不思議な出来事のお話」にしたかったから、だそうです。またちょっと引用します。

起こったことが現実だったのか? まさかの白昼夢だったのか? 誰かの脳内世界なのか? 世界にはとんでもない秘密があるのかもしれず、現実と虚構の境が曖昧になる。そんな「ドラゴンクエストX」には無いタイプのお話として、キャラクターズファイルの場で挑戦しました。

 こう、なんだかモヤッとした気持ちになるのはどうしてでしょう(笑)。「不思議なお話」にすることに固執して、プレイヤーにどういった感情を抱かせたいのかはあんまり考えていなかったのかな……と私は感じてしまいました。

 おそらく運営としては、クエストの内容が本当なら、今までの冒険の意味が失われてしまうようなものだから、きっと現実じゃなかったんだ!と考えてほしかったのだと思います。いちいちこれは現実じゃないよって言わなくても、プレイヤーは察してくれるだろうと。だって現実だったら困りますもん。

 ところが実際はどうだったかというと、みんなあたりまえに本当にあったことだと思って、受けとめたわけです。正直、当然だと思います。クエスト自体が普通に地続きで始まっていますし、まさかパクレ警部の妄想が干渉してるなんて誰が想像できるでしょうか。

 じゃあどうしてプレイヤーが運営の望むとおり疑問に思わなかったのかというと、実はかなりはっきりした理由があります。ドラクエがファンタジーの世界だからです。

 どういうことかというと――たとえばあなたの友人が突然「実は俺、時空警察なんだ」と言い出したとしましょう。絶対疑いますよね?(笑) この現実ではまず受け入れがたい事実です。「ありえないな」って感覚的にわかります。

 ところが、ドラクエの世界の中で、普段あまり出てこないNPCが突然「実は俺、時空警察なんだ」って言い出したらどう思いますか? 「え、そうだったんだ」ってとりあえず受け入れません? なぜなら、その世界観の中で、なにがアリでなにがナシな出来事なのか、プレイヤーには判断がつかないからです。

 そんな状況なので、この話は全部なかったことなのかもしれない……と考えるのはとても難しく、むしろ「あってもおかしくない」と捉える人が多いでしょう。ドラクエ10については特に、すでに月にも行っていたり、4.4では宇宙空間も演出していました。だからこそみんな、自然に受け入れてしまったのだと思います。

 言ってしまえば、ドラクエの世界の中ではとっくの昔に「現実と虚構の境が曖昧」だったわけです。その中でさらに曖昧なものを出そうとしても、プレイヤーにうまく伝わらないのは当然だと思います。

 だからこそ、このクエストが現実でないことをはっきり伝えるか、もしくは現実だと思われても致命傷を受けないような内容にしておかなければならなかったのではないでしょうか。

 そもそも、境が曖昧なものをつくりたかったという気持ちも、あまりプレイヤーに寄り添ってない、作り手の自己満足的な部分があったのではないかと、少し感じます。なぜなら、現実なのかそうでないのかはっきりしないものを出されても、プレイヤー的にはモヤモヤするしかないからです。

 クエストをじっくりを見れば答えがわかるとか、考察しがいのある内容であれば話は別ですが……どちらにもとれる内容を、今までの冒険と天秤にかけるのはなんだか嫌だなぁと(笑)。そりゃあみんな、やっぱり自分の頑張りが無駄にならないほうを信じるでしょうけど、今回は嘘なのか本当なのか悩む余地がなく現実として受け入れるしかないような演出でしたからね……。

 あと、個人的に気になったコメントがこれです。

多くの伏線や思わせぶりなセリフが未消化のまま残され、クエスト終了後に起きたことを否定するNPCのセリフも中途半端なものになってしまい、意図せぬ解釈に強く誘導してしまいました。

 伏線や思わせぶりなセリフは、ネタとしてやってるんだなと感じたので特に気にならなかったというか、これらも全部「このクエストは現実ではない」ということをプレイヤーに伝えてさえいれば問題にならない部分なんですよね。だって妄想ならなんだってアリなのですから(笑)。

 NPCのセリフも、それ自体が問題だったわけじゃないと私は感じました。むしろあの子どものNPCをどうして消しちゃったのかな?というのが不思議で。あのキャラがいないことで、余計にストーリーの内容が本当であったことを裏づけてしまっていたと思います。いる状態のほうが変=見える時点ですでにパクレ警部の夢想の中である、ということに気づくのは至難の業で、誰だって最初に見たほうを信じますから、いることを是としたほうがよかったと思うんです。

 たとえば子どもが家の中に残っていて、「もしかしてまたパクレ警部の妄想につきあわされたの?」くらい言ってくれれば、あれ妄想だったのか!と納得する人も多そうだな、と(笑)。今の状態では、あれが現実ではないことを予想するヒントがあまりにも少なすぎるんですよね。

●前提から問題はあった

 そもそもですよ、あれがパクレ警部の夢想がプレイヤーに干渉したものだとして、言っていることの意味がよくわからないですよね?(笑) つまりどういうことなの???

 パクレ警部が妄想しているストーリーがあって、それが突然プレイヤーの夢の中に反映された夢オチ、みたいな感じだと思えばいいのでしょうか。もしそうなのだとしたら、クエスト開始の時点で前提条件が足りないですよね。

①パクレ警部がああいったものに憧れを抱いていること

②パクレ警部に妄想癖があること

 このふたつ(最低でも②)をプレイヤーが知っているような状態からクエストを始めないと、あれがパクレ警部の夢想だなんて推理しようがありません。

 ところがですよ。パクレ警部は正直結構な脇キャラです。キャラクターズファイルの第4弾がパクレ警部だと発表されたとき、「なんでパクレ警部なの?」と首を傾げた人は多いのではないでしょうか。

 サブクエストにもあまり出てこないし、私の中のパクレ警部のイメージって、仕事に熱心すぎて人の迷惑を考えず、終始からまわっていて……印象の悪い銭形警部みたいな感じです(笑)。

 人物像がよくわからないので、なにが起こっても「お、おう」と受け入れるしかない――そんな状況でこのクエストが始まったので、よけいに現実でないことがわかりにくかったのだと思います。

 それにしても、パクレ警部もかわいそうですよね。せっかく印象を回復するチャンスだったのに、今までのキャラと正反対な有能な役を押しつけられたあげく、さらに嫌われるような原因になってしまって……さすがに同情せざるをえません。

 この「キャラクターズファイル」という企画、実はどのストーリーもいまいち評判がよくないという悪い前提もあって、かなり割を食ったのではないかと思います。(唯一第2弾のトビアスは評価が高いのですが、実は前のバージョンに入れるはずだった内容であることが明かされています)

 個人的には、せっかく毎年人気投票をやっているのだから、人気のあるキャラのサブクエストをやったほうがプレイヤーは喜ぶと思うのですが……キャラクターズファイルのこれまでの人選は、正直あまり興味が持てなかった人も多いのではないでしょうか。

●運営が見せたいものと、プレイヤーが期待するものの乖離

 ここで、なぜ「キャラクターズファイル」シリーズは評判が悪いのかを考えてみたいと思います。というのも、単純にストーリーが面白くない――といった理由とは別のところに本当の問題があると思うからです。

 最初にも書きましたが、さまざまなキャラクターたちの「今」を掘りさげる配信クエストが「キャラクターズファイル」です。あくまでもキャラクターがメインのように受け取れますよね。

 当然プレイヤーは、そのクエストをやったら当該キャラの好感度があがるようなものを想像すると思うんですよ。少なくとも私はそうです(笑)。興味のないキャラなら、興味が持てるような。好きなキャラならもっと好きになれるような。嫌いなキャラなら……やっぱり嫌いかもしれないけど、どうして嫌いなのかを再確認できるような?

 とにかく、そのキャラに対してなんらかの感情を抱くことを期待してプレイする人が多いのではないでしょうか?

 ところが、いざ蓋を開けてみると、トビアス以外のキャラの内容にはそういった要素があまりなく、ただ事件に巻きこまれるような内容でした。トビアスだけは、本編ではちょっと情けないところがあるキャラでしたが、しっかり成長した姿を見せてくれて、別段好きなキャラではなかったけれど好きになれました。

 つまり、プレイヤーがキャラクターズファイルに期待した内容と、実際の内容が乖離していて、ただメインで登場するキャラをクエスト名に冠しただけのものになってしまっていたのが、評判の悪さに繋がってしまったのではないかと思います。わざわざキャラクターズファイルと銘打ってシリーズを分けた理由はなんだったのかな?と、考えてしまうわけです。

 別に、全部を美談にしろとかそういうことを言っているわけではありません(笑)。たとえば今回のパクレ警部の件も、もしパクレ警部を好きになってもらおうと考えていたなら、あの内容はパクレ警部の夢想だと明かす以外に選択肢はなかったと思うんです。

 考えてみてください。普段はからまわっていてあまり役に立たない(失礼)キャラであるパクレ警部は仮の姿で、本当は凄腕のエージェントだった!という事実を見せつけられたら、好感度あがりますか? 私はむしろ下がりました(笑)。やっぱりここでも、「じゃあ今までのなんだったの?」って思ってしまいました。あなたがちゃんと動いてくれれば助かった人たくさんいたよね?と。

 逆に、最後の最後で、実は今までのは全部パクレ警部の黒歴史妄想なんだよ!と明かされたらどうでしょう。ちょっと好感度あがりませんか!? 新たな愛すべきおバカキャラとして、人気が出たかもしれません。少なくとも凄腕エージェントよりは愛嬌があっていいと思うんです(個人の感想です)。

 たとえば丘でずっと閉じこめられていたときには、いくつもの妄想ノートを書き連ねていて、今回はそれが実現化してしまった!恥ずかしい!とか、いくらでもやりようがあったと思うんです(笑)。

 けれど、運営が出したコメントでは「不思議なお話にしたいがためにああした」と書かれているだけで、パクレ警部をどう見せたかったのかは一切書かれていませんでした。最初に読んだとき、私がモヤッとしたのはそのせいなのかもしれません。

 キャラがメインのクエストのはずなのに、そのキャラが輝くことじゃなくて、シナリオさんが書きたい話を優先しているのかなーと。その内容がプレイヤーの期待と一致していたら、今回の問題は起こらなかったと思うのですが、残念ながらそうはなりませんでした。本当に、残念なんですけどね。

●夢であることを最初に提示する意味

 今度は、これから繰り広げられるクエストが現実ではないことを最初に明かす意味について、考えてみたいと思います。

 このクエストが実はパクレ警部の夢想であるというコメントを最初に読んだとき、私の脳裏に浮かんだのはFGOでした(笑)。プレイヤーの現実世界にパクレ警部の夢想が干渉するイメージが、やっぱりわかなくてですね……お互いに夢を見ていて、その夢が干渉しあっていると考えたほうが理解しやすかったんです。

 私は去年FGOを始めた新参者ですが、あのゲームの中ではよくマスターとサーヴァントが夢を共有するクエストが登場します。その場合、ほぼ確実に冒頭で「これは夢である」ことをお互いに確認しあうんです。

 今までその理由を考えたことがなかったのですが、今回このパクレ警部問題について考察しているあいだに、理由に気づきました。最初に夢と宣言しておけば、夢なんだからなにが起こってもおかしくないし、なにが起こってもプレイヤーだって素直に楽しめるから、なんですよね。

 パクレ警部のクエストも、例の組織の存在とか、秘密裏にアストルティアを守っていたとか、そういう設定自体は実は私も大好物なんですよ(笑)。だから、最初から「これは現実じゃないよ」と宣言しておいてくれれば、プレイヤーとして純粋に話を楽しめたと思うし、続編を望む声も出たんじゃないかと思います。(伏線とかあったのならなおさら)

 ところが、実際には逆に「本当なんだろうな」と思っている状態で見せられたので、楽しむより前に「え? 本当に??」という戸惑いばかりが先行してしまって……ドラテンのストーリーを楽しんでいた人ほど、ダメージは大きかったのではないかと思います。

 やはりどんな形であれ、現実でないことは明示しておくべきだった――というのが、最終的な結論になってしまいます。

●ドラテンにおいてこの件が致命的になってしまったワケ

 実は、今回の件で問題が大きくなってしまったもうひとつの理由に、また別のゲームとの比較から気づいてしまいました。

 私は須田ゲーファンなので、最初にこのパクレ警部のクエをプレイしたとき、この突拍子のなさはちょっと須田さんぽいな、と思ったのです(笑)。実際シルバー25区のラストで、似たようなセリフを言っていたキャラがいました。でも、「じゃあシルバー事件ってなんだったの?」とショックを受けた人の話なんて聞いたことがありません(笑)。

 プレイヤーが誰も信じなかったから? いえ、むしろ須田ファンなら普通に信じて受け入れたと思います。そういうものなのだと(笑)。でも、ショックを受ける必要がなかったのです。なぜなら、シルバー事件において、プレイヤーは確かに主人公目線で話を進めますが、主人公自身ではないからです。おまけに、プレイにかかる時間もそれほどではありません。

 これがドラテンではどうでしょう? オンラインゲームなので、当然のように主人公=自分です。しかも、7年目に突入しているゲームですから、ドラテンに対し熱い想いを持っている人ほどプレイ時間が長いことが予想されます。そんな状況で、これまでの自分の冒険を否定されるような展開を見せられたら、ショックを受けてしまうのも無理はないと思うんです。だからこそ問題が大きくなってしまったのではないかと。

 ……ここまで書いて、ドラテンに思い入れが深い人ほどダメージが大きい今回の問題、ダメージが大きすぎると死んでしまうミラ諸のようだな、と思ってしまいました……(笑)。

●おわりに

 とりとめのない文章をここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 今回の件は、創作者なら誰でも遭遇しうることだと思い、自らの戒めのためにもあれこれと考察して書かせていただきました。作り手の「こう読み取ってほしい」という期待どおりにいかないことは、現実にたくさんあるのだと思います。ただ、普段は勘違いされても問題ない範囲だから表に出てこないだけなんですよね。

 とはいえ、実際表に出してみないと反応がわからないものも多くて、とても悩ましい問題だと思います。この件に関しては、誤解を解くための追加クエストが急遽配信されるようなので、今はその内容を期待して待ちたいと思います。今度こそパクレ警部の好感度をあげてほしい……!

・・・・・・

 ――と、ここまで書いたあとさらにいろいろ考えていて、ようやく運営がやろうとしたことを理解したので、もう少し続きます(笑)。

●夢と現実の狭間の演出

 わかりやすく説明するために、まず例を紹介したいと思います。

パターン1:もしかして夢だった?

 やくそうを1個持っていた主人公は、倒れていた人に使って助けてあげました。しかし、目を覚ましてみるとやくそうをまだ持っています。あれは現実だと思っていたけどもしかして夢だった?

 これは、なくなったはずのものがまだあることで違和感を抱かせる手法です。

パターン2:もしかして現実だった?

 夢の中で、ひとつしかないやくそうを使い倒れていた人を助けた主人公。ところが、目を覚ましてみると持っていたはずのやくそうがなくなっていました。あれは夢だと思っていたけどもしかして現実だった?

 これは、あるはずのものがなくなっていることで違和感を抱かせる手法です。

 今回のパクレ警部クエは、現実だと思っていたのに夢だったパターンに該当するため、運営がやりたかったのはパターン1のほうだったと思われます。

 で、ここまで情報を整理して考えて、ようやく運営がコメントで言っていたことを理解できた私でした(笑)。なるほどそういうことだったのか……と。これからそれを説明していきます。

 パクレ警部クエをパターン1に当てはめて考えた時、クエが始まる前と終わったあとで変化があるものは、前述したとおり家の中にいる子ども(ボンドル)の存在です。つまり運営は、クエが終わったあとにいなくなっている子どもに違和感を持って、「もしかして夢だったのか?」と疑ってほしかったのではないでしょうか。

 なぜなら、パクレ警部の一連のクエはこの子どもの依頼から始まっており、もし同じ部屋にいる大人NPCが言うように「自分はずっとひとりだった」――子どもなんて最初からいなかったとしたら、クエの存在自体が現実でない=夢であるという図式が成り立たないこともないからです(ややこしい)。

 ところが実際はどうだったのかというと、誰も子どもがいなくなったことに違和感を持ちませんでした(笑)。なぜなら、クエの中では最終的にその子どもと戦い、子どもは去っていく流れになっていたからです。だから、クエが終わったあとにいなくなっているのは当然で、しかもクエの中では人の記憶をある程度改ざんできる感じの銃も出ていたため、大人NPCが「ここには最初から自分しかいない」と言い出しても「ああ、記憶を改ざんされてるんだな」としか思えない状態になってしまっていました。

 また運営のコメントから引用しますが、

クエスト終了後に起きたことを否定するNPCのセリフも中途半端なものになってしまい、意図せぬ解釈に強く誘導してしまいました。

 この部分はそのことを言っているんですね。現実ではないと気づかせようと思ってやったこと(子どもNPCの撤去、大人NPCのセリフ)が、逆に現実であることを補強するような結果になってしまった、と(笑)。

 ではどうしてそうなってしまったのかは、先に例に出したパターンに当てはめるとよくわかると思います。パターン1でいうと、使ったやくそうが確かになくなっているというあたりまえの状態が、今回のパクレ警部の事件簿です。パターン1でいくなら、やくそうがなくならないことで初めて違和感を抱かせるはずなのに……。

 結局、いちばんのミスは子どもNPCの撤去だったのではないかな?とここまで考えると見えてきます。運営がやりたかった、これは本当にあったことなのか?とプレイヤーに考えさせる「不思議な話」は、クエの中で変化したはずのことが終わってみれば変化していなかった、という違和感を引き起こすことで達成できたと思うんです。

 ところが実際は、クエの中で起こった変化がそのまま現実に反映されてしまった……だから誰もこれが現実じゃないなんて疑えなかった、というのが今回の真相ではないでしょうか。

 ここまで書いて、ようやく私もスッキリしました(笑)。長々とおつきあいいただき、ありがとうございました!(今度こそ終わる)

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少女小説やチャットノベルなどを書いているゲーム好きな作家。マンガをつくったりもします。ここではゲームネタが多めかな? そして長文教です。
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