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枕流漱石

暑い日が続く。

家にいる時はずっと冷房をかけていなければやる気が出ないどころか、倒れてしまいそうだ。

エアコンなんて使うと体が弱くなると育てられたが流石にそうも言ってられない。流石という文字列すら涼しく感じる猛暑というやつだ。

流石という言葉の語源は、「枕石漱流」という言葉を「枕流漱石」と言い間違えた孫楚の取り繕い方がさすがだったという中国故事が由来らしい。失敗してもうまくリカバリーをすれば挽回できるのだ。「枕流漱石」を四字熟語で調べると「負け惜しみの強いこと」とある。失敗を認めることも人生必要なのだ。

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。」
これは夏目漱石の草枕だ。陰陽師は夢枕獏だ。

枕石漱流に過ごし難い日は炭酸を飲みたい。子供の頃、町内会で配られたラムネをグイッと飲んでビー玉を取り出していた。大人になるとラムネがギネスビールになり、缶からビー玉を取り出そうとしている。ギネスビールのビー玉はなかなか取り出せない。それぐらい世の中は難しくなっている。

感染予防で外出時にマスクを余儀なくされ、自粛生活も半年近く経っている。そこにこの暑さだ。イラストを描く仕事をしていると、この時期には展示をしたり、ライブペイントなどイベント参加も盛んになるが、今年は控えることにした。これは僕自身の選択であり、自粛は要請されるものではない。同業の友達にはこの夏も展示を無事開催できた人もいる。その人にもメッセージを送ったが、これもひとつの選択で、後ろめたく思う必要はないと思っている。

思い切り楽しんで欲しいと応援するし、告知も手伝って、行ける時には少しでも顔を出したい。気にしすぎて、この猛暑とマスクで熱中症になってしまう方が心配だ。

夏といえばナスやトマトの値段が高くなっている。今年は梅雨が長く、日光不足で高騰しているそうだ。今起きている理不尽は誰のせいでもなく、2020年はそういう年なのだと割り切ってみてはどうだろうか。

感染者が増えるたび、恐れて誰かが誰かを拘束しようとしていた。もうそろそろ誰かの判断を応援して、自分も奮起するフェーズに行っても良いのではないだろうか。健康に気をつけて、楽しめるところは誰だって楽んでも良いのだ。

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https://umon.website/ イラストレーターです。 文章も書きたいのです。
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