見出し画像

さんごじゅの花

さんごじゅの花が咲いたら
咲いたらといつか思った
さんごじゅの花が咲いたよ

あの島へ漕いで行けたら
行けたらといつか思った
その島へきょうは来てるよ

あの白帆どこへゆくだろ
あの小鳥どこへゆくだろ
あの空はどこになるだろ

行きたいなあんな遠くへ
あの海の空の向うへ
今度こそ遠く行こうよ

「海の向う」北原白秋

「海の向う」は、山田耕作 作曲、北原白秋 作詞の日本の古い童謡です。

ここに出てくる「さんごじゅ」とは「珊瑚樹」のこと。6~7月ごろに白い花を咲かせますが、真夏になると赤い実がつくことから、その実を珊瑚に見立ててこの名がついてます。

サンゴジュの実


主には南国に育つ木のようで、ゆえに九州出身の白秋にとっては、目に馴染みのある植物だったのかもしれませんね。

さて、サンゴジュは別名「アワブキ」ともいうそうで、それは材に水分を多く含んでいるため、燃やしても泡を吹くだけでなかなか燃えにくいことから、付いた名だそうです。

ふと、これに似た植物があったなあと考えたら、「ナナカマド」でした。

ナナカマドの花

ナナカマドもサンゴジュ同様に白い花を咲かせます。またその名も、材の特徴に由来し、「生木は燃えにくく、炭にすれば良質で、7回かまどにくべても燃え残る」ことから付けられたという説があります。

しかし両者はそもそも別属の植物。サンゴジュは南に分布する常緑樹であり、ナナカマドは北国を好む、紅葉美しい落葉樹です。

ナナカマドの紅葉

いつのまにか、南の花から北の木へ、話が流れてしまいました。

けれどこうして南と北、九州と関東、似てるとか似てないとか、咲いてるとか咲いてないとか、花を眺めながらの何でもない時間、他愛ないけど私は好きです。

今日もいちりんあなたにどうぞ。

サンゴジュ 花言葉「負けず嫌い」


行きたいなあんな遠くへ

Text
フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?