串カツ屋でも、おしゃれイタリアンでも、どんな場所でも一緒だと最高に楽しめる関係が最高に素敵。

1年とちょっと前から、一緒に仕事をしている相棒的な子がいる。2つ年下で、最初に会った時の関係はデザイナーとお客様で、ダンス部の先輩と後輩だった。

なんだか気が合って仲良くなって、いつのまにか私の仕事を手伝ってくれるようになり1年以上経っていた。

もはや2つの年の差などまったく気にならない。それどころかしっかりものの彼女に、いつもいい加減な私が呆れられながらも助けてもらっているような感じ。

そんな彼女とはよく一緒にごはんを食べるのだけど、このごはんの価値観が合っているというのは誰かと深い人間関係を作るのに重要なことだな、と最近すごく思う。
何を食べるかより、誰と食べるか。
好きな人と食べるごはんは、何だって最高に美味しくて楽しい。

昨日は1日一緒に仕事をして、近所の大衆居酒屋に夜中の11時から飲みに行った。

串カツやぼっかけなど、おやじ感溢れるつまみをおなかいっぱい食べて、ハイボールをガブガブ飲んで。1人お会計2000円ちょっと。安い。

いい気分で酔っ払ってゲラゲラ笑いながらコンビニに寄って、きっと買っても食べないカップ麺と、いますぐ食べたいアイスを買って帰って、家のワインでもう一杯。

女子力らしきものは欠片もないけれど、力の抜けたこのごはんは、デートで食べる緊張したイタリアンより、実は全然美味しいような気がしてくる。

もちろんたまには高いものや話題のお店を探求するのもすごく楽しいのだけど、そればっかりでも肩が凝る。

男性にいわゆる"良いお店"に連れて行ってもらうのだって、奢って貰えば気の効いたリアクション芸を披露してお返しをせねばと気張ってしまうし、このくらい全然出します!と言えばそれはそれで男性のプライドを傷つけるかもしれないし。

いつだって相手との空気の読み合いで正解のない男女の関係に比べ、この気の抜けた関係はなんて楽なのだろう。


この2年間の結婚生活では、正直いつも背伸びをして無理をしなければいけなかった。
そうしなければ、彼と一緒にいることはできないと感じてた。

離れてみた今思うと、それは健康的な関係性ではなかった。

これからは男女にかかわらず、どんな状況でもそのままの自分で一緒に楽しめる、その人といるからこそ何でも素敵な時間になる、そういう人たちとなるべく多くの時間を一緒に過ごしたい。相手に否定されないように心の中で怖れて無理して過ごす毎日では絶対にしんどくなることがわかったから。

今日も彼女は、軽い二日酔いの身体を起こして仕事している私に、昨晩食べなかったカレー味のカップヌードルをお昼に作って出してくれた。

久しぶりに食べたカップ麺は、しょっぱくて不健康そうで、その背徳の味もやっぱりなぜかおいしい。

そんな出来た嫁みたいな相棒の存在に感謝しながら、今はちゃんと元気を充電させてもらおう。

人生は、いつ誰とどんな関係になるか、本当にわからない。ある人との関係が、急に何かのきっかけで良いものから悪いものに変わってしまうこともある。

だけど、その先で偶然に近くにいた人と、お互いに居心地良いと思える関係を作れたりもする。それは悪くない偶然だなと思うのだ。


たのしいものを作ります