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妊娠生活日記 2024年8月1日〜2024年8月9日

※妊娠にまつわる内容がほとんどです。

8月1日(木)
1日を通していつも以上に気持ち悪い。かっぱ巻き、納豆巻き、わさび巻き、いわしの南蛮漬けを食べて下痢。ずっと気持ち悪いので夜は納豆巻きとかっぱ巻きをそれぞれ一貫、時間をあけてかき玉のお味噌汁を食べた。なんだかデコルテ辺りが痩せた気がする。


8月2日(金)
今朝は吐き気もなく調子がいい。だけどお腹の調子は良くないので、妊娠中でも飲んでいいと言われたビオフェルミンを買いに行くために久しぶりに身支度をした。化粧をして、ボサボサの髪を整えたら可愛くなって久しぶりに心が喜んでるのを感じた。自然と声にも元気が乗ってきて自分でも分かりすぎるくらい元気ハツラツさきちゃん。

洗面所に来たまくんも微笑みながら「かわいい」と言ってくれた。この1ヶ月はつわりが辛すぎてどんどん私の明るさと笑顔が消えていたから元気な瞬間のうちにたくさん笑っておいた。

お昼は大根とツナと豆腐のサラダと冷凍ナポリタンを食べたら吐き気。結局ナポリタンは一人前食べられず、サラダも残して身支度整えた状態でベッドで数時間眠った。夕方になり、落ち着いたタイミングでビオフェルミンを買いに行った。ついでにマタニティウェアとか、土日の食料とか(土日はまくん泊まりのお出かけでいない)トイレットペーパーとかあれこれ買ったら重たすぎるのと、体力低下に伴い1時間程の外出でヘロヘロになり頭痛が起きた。もうやってらんねーぜ。やりたいことも、行きたい場所もことごとくできない行けない。哲学対話に行きたくて涙が出てきた。


8月3日(土)
寝る前に思いっきり泣いたらケロリとすっきりした。私が泣き出したらまくんはそばに来て手を握ってくれたから安心して泣けた。ケロリとした後は頭痛もなくなり、眠気も吹っ飛び、長岡花火の後に観たランジャタイのYouTubeを思い出して笑ったり、よく喋ったり、情緒の不安定さ爆発。

「さっきまであんなに泣いてたのに……」「これが情緒不安定というやつですね」

「そうだ、日曜日東京駅でお土産買ってきてあげるから選んでおいて」「やったー!!!」

まくんは今日水族館で短歌を詠んで、熱海に移動し、明日は熱海でダイビングをする。会社の組合で企画した行事で前々から決まっていたけど、私の中で薄っすらまくんだけ好きなことして遊べて羨ましい気持ちがあったんだろうな、そしてそれがまくんにも伝わっていた気がする。

今はしょうがない。よしはるを腹の中で育てているんだ。これは私にしかできない。休むのも過ごし方の一つだ。大根、豆苗、手羽中を買ってきたので吐き気と戦いながらではあるがこの週末は料理を楽しみたい。

キッチンに立つまでは気持ち悪かったけど、料理を始めたら夢中になって気持ち悪さも少し和らいだ気がした。

レシピを見てお酢の量が多いな〜と思いながらもとりあえずレシピ通りに投入したらめちゃんこ酸っぱい大根と手羽中の煮込みができた。時間が経って馴染んだような気もするけどやっぱり酸っぱすぎるのでまた後日リベンジする。とはいえ、まあまあ美味しく食べやすかったので半分程食べて明日用に残しておいた。落ち着いた味になってますように。

今日が賞味期限のきしめんも茹でた。氷水でぎゅっとしまった麺は美味しかったけど、半分しか食べられなかった。用意したごはんが全部食べられないことにも少しずつ慣れてきた。食べられると思ったのに食べられないとか多々あるし、食べすぎて後悔することもたくさんある。もし我が子が偏食だったり、少食だったりして、料理を作っても食べてもらえない時に私はこのつわり期間の自分を思い出そう。食べられるなら何でもいい。食べてみたい気持ちになってくれただけで十分だ。

私もいまは少量ずつしか食べられないからすぐにお腹が空く。「なんでごはん用意した時食べとかなかったの」って思うかもしれないけど、しょうがない。少量でもお腹がいっぱいになるのだ。そしてあっという間に消化してまたお腹が空く。ただの自然現象だ。

寝ようと思ったのにお腹がグーグー鳴っている。豆腐でも食べようかな。


8月4日(日)
手羽中と大根のさっぱり煮のお酢の量がやっぱり多すぎたみたいで私の喉がずっと酸っぱい。バレット上皮大打撃を受けてもうた。朝から夜までずっと酸っぱいからずっと気持ち悪い。

食べては寝て、食べては寝て、まくんが買って来てくれるお土産と追加で頼んだ崎陽軒のシウマイ弁当を楽しみに過ごしたこの2日間。まくんは帰りが遅れてお土産もシウマイ弁当も間に合わず。今の私はかなり不機嫌。

いつもなら仕方ないか〜と諦められるけど、生活の楽しみが少ない今はこういう些細な楽しみが叶わないだけでかなりイラついてしまう。大根餅作ろうと思ったのに片栗粉賞味期限切れてたし、今日はかなりイラついている。

うおおお哲学対話会行きたかったあああ。哲学対話のファシリテーター養成講座での学びをアウトプットしたかったなあ。アウトプットしなくちゃ血肉にならないし、忘れちゃう。もう既に忘れかけてる。5.6歳の未就学児とやる哲学対話のおもしろさを思い出す。どこまでも広がる話は私が見えなくなった世界を見せてくれるんだ。こどもに関わりたい。こどもの集団に関わりたい。あらゆる感覚が鈍る前に。学びを続けないとな。発見と閃きに出会わないとな。

お土産がなかっただけでイラついてたらこの先やってけないな。もう既に私の子育ては始まってるんじゃないか?腹の中にいる時から始まってるよな、子育て。私は私にどうアドバイスするんだ今。他人にする言葉かけや思いやりは自分にもできるのか?自分に愛を向けられるのか?やるしかない。

明日は朝からクライアントさんにコーチングをする日。目覚めと共に吐き気がきたらリスケの予定。がんばれ、働きたい。

こどもが産まれる楽しみや子育ての楽しみと、私自身の楽しみは全くベクトルが違うことに気付いた。つわりや下腹部の痛みと共に胎児が成長していることの喜びはつわりの辛さや痛みをかき消してはくれない。成長していると思うと辛いつわりも乗り越えられるなんて綺麗な思想はあっという間に宇宙の彼方に行ってしまった。辛いもんは辛い。胎児が成長しているのは嬉しい。全く違うベクトルのことを無理に結びつけた気休めはやめた。まじで辛い。気持ち悪くて寝れやしない。この前ダウンロードしたポケ森だって楽しくてやってるわけじゃない。やることがないから無意味にやっているのだ。読書はしたいけど読みたい本が分からない。いつも低いところを漂っているから“今日の気分”で本が選べなくなった。観たい映画も動画もよく分からない。気分が高ぶったりしなくなった。“妊娠中は鬱の一歩手前”ってトツキトオカのアプリで読んだ。涙だってすぐに出る。生きてるだけで身体が辛いんだ。


8月5日(月)
すっきりした目覚め。夜中に吸ったチョーヤの梅ゼリーがよかったのかしら。朝8時から予定していたコーチングセッションの提供も無事終了した。実は寝不足で諦めかけたけど、吐き気はなかったので今しかない!と思って気持ちを切り替えた。空腹に耐えるのは辛いけど、空腹の方が気持ち悪くならないことに気付いた。大事な予定は空腹の時がベストだ!

そしてクライアントさんが自身の理想の状態にどんどん近づいている姿を見ると枯渇していた私もどんどん潤っていった。やっぱり人の役に立つ瞬間は生きるうえであった方がいい。しばらく忘れていた貢献感を取り戻した。

早起きしたので眠たかったけど出社する夫と一緒に家を出て、夫を見送ったあとで食材の買い出しに出かけた。手羽元とおかひじきと片栗粉を購入した。あと崎陽軒のシウマイ弁当も。

今まで量が少ないと感じていたシウマイ弁当なのに、食べ切れなかった。だけどやっと食べたい味を口の中に入れられたことに満足。そして気持ち悪くなり、4時間の昼寝。夢の中で色々な人を羨ましく思っていた。

手羽元と大根のさっぱり煮のリベンジを果たす時がきた。その前におかひじきをサッと茹でてわさび醤油で和え、冷蔵庫で冷やしておく。あと大根餅用にスライサーで大根の千切りを作り調味料と海苔と片栗粉を混ぜながら同時に手羽元をフライパンで焼いた。

手羽元が焼けたら鍋に油ごと移してフライパンを洗って形を整えた大根餅を焼きつつ手羽元が入った鍋に大根や水、調味料をどちゃどちゃ入れて煮込む。できるだけ長く煮込む。大根餅を蒸し焼きにし、もちもちし始める様子を見てニヤニヤする。

久しぶりに手際よく料理をしている。こうやって料理をしていると吐き気が何となく和らいでいく。つわりは決して気の持ちようでどうにかなるものではないけれど、気を紛らわせる時間が少しあるだけで全然違う。幸いにも調理中の匂いも気にならない。

焼き上がった大根餅を食べてみると根っこの方を主に使ったからか少し辛かった。だけど甘めの醤油と合わせると悪くない。おかひじきの方はわさびが効きすぎて辛かったので甘いトマトを和えて少し辛さを紛らわせた。ひきわり納豆にも和えてみるとマイルドになってさらに食べやすくなった。

そしてまくんが帰宅するまで煮込んだ手羽元と大根のさっぱり煮は大成功。大根はとろとろ、手羽元は思ったよりとろとろにはならなかったけど、酸っぱさもマイルドになって昨日よりも断然食べやすくなっていた。

連休の疲れを引きずるまくんは食べながら「癒される〜」と言っていた。癒しまで作ってしまった。

まくんは昨日買えなかったお土産を東京駅まで行って買ってきてくれていた。リクエストしていたたくさんのかりんとうと萩の月の白いバージョンのやつ。やったあああ!冷やした萩の月の白いやつまくんとはんぶんこして食べた。うんまっ!

今日は色々と取り戻した日だった。たくさん食物繊維を食べたからお腹にはガス溜まりができてしまったけれど、ビオフェルミンがどうにかしてくれるはず。今日はしあわせだ。イキイキと生きている。


8月6日(火)
今日も寝起きから調子がよい。

朝ごはんにヨーグルトとシベリアを食べる。あんことヨーグルトの組み合わせが好きなのだ。ヨーグルトにはメープルシロップもかけていたので朝から血糖値バク上がり。しばらくして洗濯機の清掃のためお掃除屋さんが来てくれた。洗面所はどうしたって暑すぎるので、リビングのクーラーの風をサーキュレーターで廊下に送っておいた。廊下はだいぶ涼しくなったけれども洗面所はどうかな。

ずっと無音の部屋で過ごしていたけど、久しぶりに音楽を流してみる。

今日は自然に読書ができそうな気がするので久しぶりに『好日日記』を開いた。二十四節気に沿って書かれている日記はパタリと読めなくなった6月初旬の“芒種・一”にしおりが挟まっていた。この数ヶ月を振り返りながら“立秋”手前まで読む。今年の立秋は明日みたいだ。7月初旬の“小暑・一”の日記の冒頭が 

“どうにもならない時がある” 

だった。私もどうにもならない時間を今過ごしている。ようやく諦めも手に入れ始めたタイミングで読めてよかった。

昨日に引き続き空腹の方が吐き気が起きないことを実感した。空腹のうちに食材や日用品の買い出しを済ませ、本屋さんを数分散歩して帰宅。

3月2日生まれの交換日記メンバーとオンライン打ち合わせ、というより私の妊娠に伴い文フリ出店を中止しようという話。残念だけどお腹パンパンの状態で長時間の移動と会場に座っていることが辛い気がする。12月ということもありより感染症が心配な時期でもあるので今回は断念した。子育てや保活の話をして解散。

昨日の残りの手羽元と大根煮込みとかっぱ巻きと納豆巻きも食べた。空腹すぎたのでバクバク食べられる。そしてやってくる吐き気。ここにきてつわりの流れが分かってきた。いままで食べづわりかと思っていたけど、ただの空腹に耐えられない食いしん坊だった。


8月7日(水)
昨日8月6日は地元広島に原爆が投下された日だった。上京した最初の年の8月6日、職場の人が8:15になってもいつも通り過ごしていて、誰も広島の原爆に触れない事に驚いた。地元で過ごしていた時は小学生の頃から8時15分になったら黙祷をする時間があった。大人になっても何となく続いていたけれど、上京してからはじわじわ習慣はなくなり“8月6日8時15分”ということだけ毎年スッと現れてスッと消えていく。正直いまの私のまわりは平和すぎるくらい平和だ。この当たり前のことに感謝するのは、正直この当たり前が消えた時にしかできない気がする。風邪を引いた時に健康な身体が恋しくなるようなそんな感じ。当たり前が消える瞬間にいつか出くわすのかな。

昨日の夜からまくんと喧嘩をしていたからほとんど会話をしていない。LINEでは仲直りのやり取りをしたけど、やっぱり直接話をしないとモヤモヤは完全には消えない。こういう時に当たり前が消えたら悲しいなと思うけど、いつもいつも素直にはなれるわけではない。こんな日も平和でありますようにと願うことしかできないんだなあ。早く話しかけられたらいいんだけどね。平和だからさ、いまは。


8月8日(木)
目が覚めてもまくんとは喋らず触れず。「おはよう」と言われたから消えそうな声で「おはよ」と返した。お互いベッドに寝転びながらスマホをいじる。私はポケ森のレベル上げ。まくんはスマホをいじるのを止めてまた目を閉じる。私もしばらくしてスマホを置いて目を閉じる。まくんがこちらに寝返りを打ち、腕に触れてくる。

そうだよね、もういいよね。私はまくんの手を握る。無言でぎゅーっとする。「この前はごめんね」「俺もごめんね」なんやかんやと話してお昼はマックにしようとなった。朝のうちにまくんはジムへ行き、私は朝ごはんに無印の冷やして食べるレモンカレーと焼きおにぎりとヨーグルトを食べた。

お腹いっぱいになり苦しくてベッドにもぐりそのまま爆睡。まくんが帰ってきた音で目が覚めた。寝ている私にカメラを向けるまくん。半目でさり気なく指ハートを作っておいた。

「お腹がいっぱいでマック食べられないかもしれません」「あら」「とりあえずロコモコチーズバーガーと……マックシェイクバニラにします。あとはちょこちょこつまみます」テイクアウトして戻ってくるまで再び寝た。

ロコモコチーズバーガー、ナゲット2.5個、ベーコンポテトパイ半分、ポテトそれなりに、マックシェイク、しっかり食べれた。そして気持ち悪くなりベッドに行き爆睡。まくんが打ち合わせの休憩でリビングにやってきた音で目が覚めた。「また寝てしまったあ〜」そしてまた寝る。

起きてベッドの上でじっとしていたらお腹の中に何かがいるような感覚になった。きっと、よしはる。もしくはうんこ。多分よしはる。大事な我が子の命なはずなのに(うんこかもしれんけど)とんでもなく異物のような感覚がして愛おしいとは程遠い不快感に包まれているぞわわわわ。

身体が異物として反応しているのは分かるけど、心は我が子として愛おしさで反応したいのにどうしてもぞわぞわしてしまう。この違和感の対象はよしはるじゃなくてうんこかもしれん。連日の便秘。もうむりはる。よしはる腸に向かって蹴りを入れてくれ。頼む。内側からの刺激で頼む。乳酸菌がまじで役に立たんのや。食物繊維も渋滞中。腹の中異物ばっかりや。

今日のおかひじきはレモン汁、オリーブオイル、白たまり醤油、ブラックペッパー、ちょっと粒マスタードの味付けにしてトマトも一緒に和えた。まくんのオンライン定例が終わったら夜ごはんを食べる予定だったのでのんびり待っていたけど打ち合わせ延長中。まだかな、まだかな、45分程延長したところでもう待てんと思い「お腹すいたあああ!もう無理やお腹すいたあああ!食べるぞおおお!」と騒いだらガチャリと書斎のドアが開いて「終わりました〜」と出てきた。

「え……聞こえた?」「うちの妻が「お腹空いた」って騒いでいるので終わりましょうって言った」「まじかよ!はず!!!みんな何て言ってた?」「確かにお腹空きましたねって言ってたよ」「よかった」よかったかどうかは分からないけど、定例メンバーの皆を夕食に流すことに成功したのかもしれない。そして食べすぎてまた横になる。


8月9日(金)
2 週間ぶりの健診の日。前回はタクシーで向かったけど今日は歩いてみる。徒歩10分の産院は本当に助かる。公園を通り、久しぶりに草の香りを感じたり、ブンッと横切る虫に驚いたり。青々とした草の香りで自然と笑顔になれた。ちゃんと外と繋がってるんだ。

いまは妊娠10週目。エコーで見るよしはるは頭と身体が分かれてしっかり手足が生え、背骨ができていた。3センチの命がお腹の中にいると分かると、この前感じた異物感は消え愛おしさがやってきた。順調に成長しているらしい。よかった。産院には私よりもお腹の大きな妊婦さんがたくさんいる。赤ちゃんも泣いている。一見なんてことない表情の人達も色んな感情や不調を抱えているのだろうか。

そして私も今日からまた一つの選択を迫られている。随分前から悩んではいたけど一旦保留にしていた出生前診断をするかしないか決断する時期が迫ってきた。愛おしさを感じた次の瞬間にはこの命とどう向き合うのかを考えなくちゃいけない。染色体の異常があるか、ないか、あった場合産むか堕ろすか。ここまで育った命をあるものにするのかないものにするのか。酷だ。

この愛おしい命を目撃した後に考えるのはあまりにも酷な問題だ。帰りも歩いて公園を通った。草の匂いを嗅ぎながら考えた。すぐには分からない。何にも分からない。だから保留にしてきたのにな。決めなくちゃいけないんだよね。

帰ってから『コウノドリ』を見始めた。ずっと泣くこれはずっと泣く。母になるってどうしたらいいのか分からないことだらけだな。

まくんが帰ってきてからよしはるの成長と健診で聞いた話を伝えた。出生前診断についても話し合った。受けよう。

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