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同伴とアフター

同伴はお店の前に会って、一緒に出勤すること。
アフターはお店が終わってからどこかに行くこと。

同伴は早い時間にお店がガラガラにならないようにするため。
アフターはお客様と仲良くなるため。

同伴は指名の女の子のポイントになったり、プレゼントを買ったりと、
同伴をしてくれるお客様は女の子のことを考えてくれることが多い。
同伴強化期間があったりするので、お願いすることも多くなる。
(達成できないと罰金がある)

ご飯を食べて一緒にお店に向かうのが普通だけど、
店前同伴だけで、ノルマを達成させてあげようとする優しい人もいる。
特にキャバクラはクラブのようにお客様と長いお付き合いでないことも
多いので、同伴が面倒だと思う子も多かったりする。(私も。笑)
(店前同伴:お店の前に集合して一緒にお店に入ること)

アフターをどう使うかは女の子次第、はたまたお客様次第。
たいていは飲食店、カラオケなどの場所にいって、その後はそれぞれに…
といった感じ。
アフター以外にもお休みの日や昼間に会うことも、それぞれだ。

私の経験での、同伴の定番はお寿司。アフターの定番は焼肉。
お寿司はわかるけど、どうして夜中に焼肉なのかよくわからないけど、
高級だから?好きな量を食べることが出来るから?
未だによくわからない。

私の初同伴はというと…
初めて連れて行ってくれたのは、
当時30代後半くらいのルイ・ヴィトンの東京から出張に来ている人だった。

基本的には指名(口座)のホステスがいる場合は、
他のホステスとは同伴も指名もしない。
だから私が同伴してもらえるのは、指名をもらっているホステスのお客様が
連れてきた枝のお客様か、新規のお客様だ。

彼は出張中に誰かが連れてきてくれたお客様で、何度か来てくれていた。
最初に来た時に席について、翌日同伴に連れて行ってもらった。

二人でホテルのレストランでご飯を食べて、お店に行った。
とても嬉しかったけど、正直ほとんど覚えていない。笑

アフターはママや他のお姉さんが行く時に、何度か連れて行ってもらった。

それから、お姉さんの同伴やアフターに一緒に連れて行ってもらったり、
私の同伴やアフターは…数えられるほどしかなかった。

この頃は同伴もアフターもしてもらえることが嬉しかった。
気に入ってもらえることが嬉しくて、
全てが高級料理でとにかくおいしかったし、
大人の仲間入りをした気がして、おじさんと歩くことが誇らしかった。

ただ、アフターが危険なことを、どこかでいつも感じていた。
その前の水商売での経験が影響していることもあるだろうけど、
誰も守ってくれない場所で何があってもおかしくない。
だから後にも先にも、タクシーに2人で乗ったことは絶対にない。

一度、みんなでアフターにいって、お店から帰るときのエレベーターに、
うっかり2人で乗ってしまったときに、嫌な目にあったことがあった。
ほとんど喋ったこともないのに、しかもあの短い時間に、
何かしようとする人がいるのだと驚いたし、ものすごく嫌な気持ちになった。

私の危機管理能力のお蔭で、後にもそれほど危ないことに
巻き込まれたことがないけど、
逆に言うと、チャンスも逃しているのではないかと思ったりする。

もう少し、ゆるさや度胸みたいなものがあれば、
みんなみたいに水商売の派手さを満喫して、クルーザーに乗ったり、
高級ホテルに泊まる海外旅行なんかを楽しんだり、
お店を持ったりしたんだろう。

良いのか悪いのか、そんなことは一度もない。
今になって思うのは、恐らく私の根底には男への恐怖があるんだと思う。
全ての「男」という生き物を心のどこかで恐いと思っていて、
私にはどうすることもできないと思っている気がする。

もしかすると、私は男への恨みを持っていて、
水商売を使って、男たちに復讐をしているのかもしれない。
と、思ったりもする。

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