見出し画像

知識をつけると、思い込みに気づけるというお話。

こんばんは、上田です。

先日、酒販免許取得のための講習を受けてきたので、そのお話をnoteでまとめようとしていたら予想以上に超大作になったので、
それとは別で最近あった思い込みに気づけるかどうかの観点のお話。

主に、薬剤師さん向けですが、思い込み部分の意識づけ対応のところはその他の職種の方にも広くお役に立てるかなと思い書き進めていきます。

さて。

先日、新患さんから下記のような処方せんを受け取りました。
(一部抜粋かつ略記)

ケトプロフェンテープ40mg「ラクール」 28枚
腰部 1日2枚

これに対して、前回別の薬局さんで交付された時のお薬手帳では、下記のような状態になっていました。

ケトプロフェンテープ40mg「日医工」 28枚
(ケトプロフェンテープ40mg「ラクール」)
腰部 1日2枚

これはどういう状況なのか。

病院やクリニックで受診をした際、院外処方せんを発行されることがあると思います。

患者さんは処方せんを受け取ると、自分の行きたい薬局に行って処方せんを出してお薬を交付してもらうという流れになっています。

処方せんを持っていって交付されるお薬には、1番はじめにそのお薬の開発・導入に成功して厚生労働省のオッケーをもらった「先発品」と、そのお薬の特許が切れることで作れるようになる「後発医薬品(ジェネリック医薬品、GE)」があります。

国策的には、特段の事情がない限りはジェネリック医薬品の使用を推奨しています。

開発費がかかっていない+技術革新によって安価で同じものが作れるようになったという企業・患者側、膨大に膨れ上がる医療費を削減するという国側の三方よしのためです。

そのため、処方せんを受け取って薬局で調剤する際には、患者さんの同意がある、または制度的に原則使用が規定されている患者さんにはジェネリック医薬品を調剤するのですが、この時、今回の問題提起の処方のようにジェネリック医薬品名でメーカーの記載があるものについては、別のメーカーに変更できるというルールがあるんです。

ケトプロフェンテープ40mg「日医工」 28枚
(ケトプロフェンテープ40mg「ラクール」)
腰部 1日2枚

お薬手帳の中身の再掲です

上記の場合は、
()内に書かれている「ラクール」というメーカーで処方が来ていたけど、後発品名で処方されていたのでその薬局で採用されている「日医工」というメーカーのものに変更して患者さんに交付しました
という意味なんです。

通常であれば、全く問題ではないのですが、この
ケトプロフェンテープ「ラクール」
は特に注意が必要なお薬なんです。

ケトプロフェンテープにも、温感タイプが!

結論からいうとこのケトプロフェンテープ、温感タイプがあって、
現在発売中の「ラクール」は温感タイプなんです。
※平成23年まで存在していた「ラクール」は非温感。

が、この温感タイプが出たのは2020年の10月で、それまでこのケトプロフェンという成分のテープ剤には温感タイプがなかったため、薬剤師の中でも
ケトプロフェンテープに温感タイプがある
ということ自体を認識していない人がいるんです。

新発売のお知らせ
http://www.rakool.co.jp/upload/1603155018append.pdf

僕も初めて見たときに、
「・・・あれ?一般名で来ているケトプロフェンテープに温感って書いてある」
と、気付かなかったらスルーしそうだった経験があり、その時にちゃんと調べて知ることができましたが、今回の新患さんが以前行っていた薬局では、ご存じなかったようです。

この時、知識がないと思い込みをしているという認識もなくやっていることがあるんだなということを再度痛感しました。

自分の専門分野は当然のこと、その他のプラスアルファの知識についても、読書やうまくいっている経験者との時間を増やすことで、それまでの自分が思い込んでいたことから解放されて自分のレベルアップをしていく。

まずは、僕も読書を再開しようとも思った時間にもなりました。
(本文はおしまい)

おまけ

話は逸れますが、ジェネリック医薬品は粗悪品、と今でも古い情報のままの方もいらっしゃいます。

が、これは

PCでイメージしたらわかりやすいんじゃないかなと感じています。

20年前の技術で作ってたものを今の技術で作り直したら、高性能なものが安価で作れるというのは普通のことだと思いませんか?
※20年前に20万したノートPCと、今5万くらいで売ってるノートPCと、スペック的にどう?
ってこと。
医薬品は、作り方については一度厚生労働省に提出したやり方でしか作れない(変更届を出したら変えられます)ので、20年前のものとスペックを揃えて作るとしたら金額的にどう?ってこと。

もちろん、メーカーは選んだほうがいいという部分はありますが、最近は先発品を作っているメーカーが子会社に作らせているジェネリック(AG:オーソライズドジェネリック医薬品)もあるので、ちゃんと情報を取って自分で判断できるようにすることをオススメします。

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?