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#34 栃木県について

今回の問題

生産地・栃木県について述べよ。

自分の回答

200字回答

栃木県は、奥日光や那須岳など県北西部の山岳地帯を水源とする河川と、その伏流水の水量が豊富である。適度なミネラル分を含み、酒造りに向いた水質である。2006年には下野杜氏制度が発足し、酒蔵技術向上のための技術交流や、広報イベントの開催など、精力的に活動している。酒米の生産は関東では一番多く、県開発のとちぎ酒14は掛米に好適で、夢ささらは高精白が可能な大吟醸向き。酒米は他県からの移入タイプ。(195字)

回答の要素

概要
奥日光や那須岳など県北西部の山岳地帯を水源とする河川と、その伏流水の水量が豊富。
適度なミネラル分を含み、酒造りに向いた水質。
2006年、下野杜氏制度が発足し、技術交流や首都圏でのイベントなど精力的に活動。
地酒宣言や、テロワールなどをうたい、地元の酒米を使った酒造りに力を入れる蔵が多い。

酒米について
酒米の生産は関東では一番多い。
県開発の「とちぎ酒14」は掛米に好適で、「夢ささら」は高精白が可能な大吟醸向き。
他県からの移入タイプ。

回答の構成

・奥日光、那須岳、県北西部の山岳地帯を水源
・適度なミネラル分、酒造りに向いた水質
・2006年下野杜氏(酒蔵技術向上、広報イベント)
・酒米の生産は関東最多
・とちぎ酒14:掛米に好適
・夢ささら:高精白が可能な大吟醸酒向け
・他県からの移入タイプ

回答の補足

とちぎ酒14の育成が始まった1996年ごろ、栃木県では五百万石を中心にいくつか酒米が作付けされていたが、奨励品種はなかった。そのため県内の多くの蔵元が県外産の酒米を使用していた。県オリジナルの酒の生産販売を目指す栃木県酒造組合より「純米酒クラスに向く安価な栃木県オリジナルの酒造好適米」が要望され、その結果、2004年にとちぎ酒14の品種登録出願、翌年の2005年に奨励品種に採用された。

夢ささらは、とちぎ酒14が奨励品種に採用された2005年より人工交配が行われ、2018年に品種登録出願がなされた。とちぎ酒14の開発が落ち着いたため、今度は高度精白が可能な酒米を、という流れで開発されたのだろう。

日本酒では珍しく「ドメーヌ」をうたうせんきん(仙禽)や、真・地酒宣言の井上清吉商店(澤姫)など、それぞれのこだわりをもっている蔵が多い印象。

関連
#42 杜氏について

他の回答

先人たちの回答

栃木県には利根川、那珂川、久慈川などの一級河川がある。それらの伏流水の水量は豊富で、適度なミネラル分を含み、酒造りに向いた酒質である。近年、酒蔵技術向上を目的とした下野杜氏制度が発足し、技術交流や首都圏でのイベント等、精力的に活動している。栃木県独自の酒米として、掛米に好適な「とちぎ酒14」、高度精白が可能な大吟醸酒向けの「夢ささら」がある。酒米移入タイプ。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 120,121
農研機構, 収量性が高い酒造好適米の水稲新品種「とちぎ酒14」, 閲覧2023年10月5日
伊澤 由行, 水稲新品種「とちぎ酒14」の育成, 栃木県農業試験場研究成果集, 2006, 第24号, p. 1-2
栃木県農業試験場, 耐倒伏性に優れ縞葉枯病抵抗性をもつ水稲新品種 大吟醸酒向け酒造好適米 「夢ささら」, 閲覧2023年10月5日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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