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フォンダンショコラの弱点

私の思う、フォンダンショコラの一番の弱点は、「食感が乏しい」ところだと思います。

チョコレートソースとなるガナッシュ(生チョコレート)を中心に埋めて、ショコラ生地を焼きあげます。そのガナッシュが、焼き上げる時の熱で噴き出してしまうので、ショコラ生地は、短時間で焼きあがるものでないといけません。ですから、その生地は、焼けにくいパウンドケーキのような食べ応えのあるものにはできません。

では短時間で焼きあがる生地というのはどういうものかというと、気泡をたくさん含んだものです。多くはメレンゲを加えたビスキュイ生地が用いられます。特徴は食感が比較的軽めになることです。

このように、生地の食感が軽めのものにならざるを得ない構成で、フォンダンショコラの特性が、さらに食感を乏しくします。それは、「温めて食する」ことです。

生地を温めますと、どんな生地であってももれなく柔らかくなります。もともと軽めの生地なのに、さらに柔らかくなるので、食感が乏しくなるのです。

もともと、フォンダンショコラはレストランのデセールなので、食感に乏しいことは問題になりません。メインの食事の後なので、ボリュームの少ない・軽いものでよく、また、アイスクリームやクッキーなどを添え付けて食感の変化を付けられるからです。

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しかし、ケーキ屋さんの場合、食感が乏しいことは、マイナスポイントにしかなりません。多くの場合、それ単体で食するからです。

そこで、私の作るフォンダンショコラでは、その部分を解消するよう考えました。それが「フォンダンショコラにアーモンドキャラメルを組合わせる」ことでした。

フォンダンショコラの上か下に、サブレと一緒に焼くこともありますが、それよりも、アーモンドやキャラメルの香ばしさがフォンダンショコラと相性が良いと思ったからです。

このように、レストランのデセールをお持ち帰り用にする場合、レシピを変更しなくてすむことはありません。チョコレートソースにおいても、焼きたてはとろとろのチョコレートソースが出てきますが、一旦冷やしてレンジで再加熱しても、流れ出ないことはよくあります。

お菓子が昔からあって、レシピが世の中に沢山出回るものであっても、まだまだ美味しくなりますし、チャレンジしていきたいですね。

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