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【暴論10】国際大学ランキングを上げたければ、女子学生を底上げせよ

Newton 2021年5月号の特集が大学ランキングだった。日本の大学の国際競争力は低い。世界大学ランキング2021では、日本はトップ200に選ばれたのは東大が36位、京大が56位のわずか二つの大学である。これは中国韓国はおろか、香港にすら劣り、シンガポールと同数である(別に香港とシンガポールが悪いわけではなく、単純に小さな国という比較である)。

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この要因はなんだろう。一般的にいうなら国際化ができていない、外国人留学生が少ないというのがよく言われる。しかし下記の元リンクを見ると、そういう問題でないことに気が付く。

男女比が偏りすぎている。

外国人学生の割合は東大と京大はともに20%以下なので高くないが、他の海外大学でもそれくらいの割合はざらにある。それよりも大きいのが、男女比である。京都大学の男女比は75:25で圧倒的に男が多く、東大に至ってはn/aである。下記リンクによると女性が20%ほどらしい。他の大学はほとんど50:50程度で、大学によっては女性の方が多い。

もちろん女性比率を上げたことが直接ランキングに影響を与えることはないだろう。ランキングは教育、研究、論文引用、産業収入、国際性によって評価されている。しかし女性が少ない大学に多様性はないので、多様性のないところで国際性を高めることは難しいのではないだろうか?

もう国際化なんて言う前に、日本社会は女性の高学歴化を進めないとどうしようもない。2018年に東京医大で女性受験者が、女性であると言う理由で減点されているという事実が明らかになった。これは氷山の一角なのかもしれない。女性を不当に扱っている大学に未来はないだろう。少なくとも国際的に評価されない。

ちなみにNewtonの記事は主に理工系の国内大学の比較を述べているが、その内容も興味深い。学生数、科研費、発明力など様々な指標で比較されている。総じてランキングが高いのはやはり東京大学と京都大学である。続いて高いのが旧帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)である。

それ以外でも私立よりも国公立の方が高い傾向がある。筑波大学や東京工業大学や神戸大学も高い分野が多い。私大で見ると多くのランキングで慶應大学が比較的高く、早稲田大学よりも高い分野が多い。東京理科大学も比較的高い分野が多い。意外にMARCHはほとんどランキングに入っていない。

面白い大学も紹介されている。沖縄科学技術大学院大学(OIST)は質の高い論文の割合が高い研究機関として世界9位に選ばれている。OISTの特徴は留学生の割合が80%以上で、公用語も英語である。OISTの理事にノーベル賞受賞者が4人もいる。また多彩な分野の交流が促進されている。

また産業医科大学は論文引用度世界一位である。日本一位ではない。この大学は日本で唯一の産業医を育成することを専門とする医科大学である。過酷な労働環境と言われる日本の産業界において、産業医の需要は高まっており、今後ますますの発展が期待される。

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