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【テロール教授の怪しい授業】旧統一教会問題に揺れる日本人が知るべきテロとカルトの手口

安倍元総理が山上容疑者に殺害されてから三ヶ月ほど経った。しかし旧統一教会についてどうすべきかについて、いまだに日本の政界や言論界は揺れている。

政治家、(自称)言論人、(自称)ジャーナリストは安易に旧統一教会への解散や厳罰を主張し、政治との決別をするべきだと言う。しかし信教の自由が保障される日本において、カルトを規制することは容易なことではない。そもそもカルトとは何かを理解している人はほとんどいないだろう。

カルトやテロリストを理解できない、イメージできない人にぜひ読んでいただきたいのが、漫画「テロール教授の怪しい授業」である。この漫画はカルトやテロ集団がいかに巧妙に社会に浸透し、若者を洗脳するかを、実践的かつわかりやすく解説している。

学生はテロリスト予備軍

ティム・ローレンツ先生の第一声

第一話にて、大学に入学した学生がさまざまな部活やサークルに勧誘される。そのなかに明らかに怪しい集団も勧誘してくる。そこを助けれくれたのがローレンツ先生であり、そのゼミについて行ったら、第一声が上のコマである。

怪しげな勧誘に紛れて健全な勧誘の仕方をしてくるカルトやテロリストも多数いる。というよりそれが彼らの手なのである。カルト集団にとって勧誘はもはやルーチンワークであり、ノウハウが蓄積している。どうすれば学生を勧誘できるかをどこよりも理解している。

大学生のように、世間を知らず、エネルギーが有り余っていて、自分に自信がない人は、カルト集団にとって最適な候補者なのである。

テロリストは案外普通の人

テロリストとはどういうイメージだろうか?
・過激な思想を持った人
・定期的にデモに参加している人
・一人ぶつぶつ言っている人
・毎週末に怪しい集会に参加している人

以上のイメージは「人とは著しく異なる思想を持った人」である。ところが実際には見た目で区別はつかない。大半は普通の人である。逆に言うと多くの普通の人もテロリストに成り得るのである。むしろ自分が普通で大丈夫と思っている人ほど危ない。

本書を読む限り、私の個人的見解も併せて、危険なカルト集団にはまりやすい人は以下のような特徴を持つ。
・正義感が強い
・頭が良い
・共感性が高い
・夢や希望を持っている
・自分は特別だと思っている
割と普通の大学生は多くが当てはまる気がする。

カルト集団にとって、もっとも歓迎すべき人間は、協調性のあって仲間にしたい人である。当たり前のようでいて、案外他の組織では適用されない人物像である。他の組織ではIQや学歴のような能力が重視される。しかしカルト集団ではEQ(感情の知能指数)の方が重視される。

テロリストの素顔
普通の人々とは
カルト集団が求める人材像

過激化するテロリスト

カルト集団に一歩を踏み入れたら、徐々に毒されていく。そこからカルト集団は徐々に信者を過激化させていく。特に良いことをしているという思想は危険である。

・世界は危機に瀕している
・自分達が世界を変革しよう
・老害は既得権益を守ることばかり考えている

こういう甘い言葉に若者は騙される。こういう言葉にぐらっとこない若者の方が割と少ない。が、実際には何の知識も実績もない若者が世界を変えることはできない。しかも大体彼らの考える世界観は間違っている。知性の伴わない善意こそがテロリストの本質なのである。

若造は世界を救えない
知性の伴わない善意がテロの根っこ

究極のテロ活動は自爆テロである。しかし自分の命を賭けて行うテロ活動ですら、カルト集団にとって「最高にカッコいいアピールチャンス」程度にしか考えていない。

自爆テロのメンタリティ

カルト集団から抜けるためには

カルト集団に一度入団してから抜け出すのは極めて難しい。カルト集団に入った人は、周囲から孤立しますますカルト集団に依存する。そうなると外の世界との接点がなくなる。

運良く抜けられるとしたら、家族、友人、先生の説得に応じることである。そのための聞く耳を持つことである。そして自分の間違いを認める謙虚さを持つことである。それを無くすと過激テロリストへの道にまっしぐらである。

周りの人との関わりの重要性
人は間違うということを認めること

おそらく世間が旧統一教会などのカルト集団を責めれば責めるほど、カルト集団は結束力を強める。カルトとはそういうものなのである。世の中と人間を単純化しすぎるのは極めて危険な発想なのである。

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