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【知財コラム1】店舗スタイルと特許

意外な特許の事例として店舗スタイルがある。チェーン店では独特な店舗スタイルをとり、それを特許化することで他者が真似できないようにしている企業がある。店舗スタイルと特許の関係として、回転寿司の元禄寿司、ラーメン屋の一蘭、ステーキ屋のいきなりステーキを事例としてあげる。こんな特許の取り方もあるんだと参考になればと思う。

1.回転寿司 元禄寿司

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今やSUSHIとして世界に広がった寿司であるが、回転寿司の功績は大きいと思う。1958年に大阪市の元禄寿司の白石義明さんが開発したことが始まったと言われている。これが大受けするが、特許によって20年間他社の真似を妨害できたという。ちなみにこの特許は古すぎて電子版を見ることができない。

回転寿司は最もいろいろな技術がつまった店舗スタイルを持つ分野かもしれない。回転寿司の大手チェーンはより美味しく、お客が使いやすく、鮮度を管理しやすい技術を導入している。最近行った時には、もはやレーン式で、回っていないことに結構驚いた。生産現場では我々の知らないすごい技術が使われているかもしれない。

2.ラーメン屋 一蘭

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豚骨ラーメンの有名店である一蘭であるが、その味集中カウンターと呼ばれる店舗スタイルも特徴的である。この店舗スタイルは実は特許が取られている。特許の内容は単に仕切りがされていることだけでなく、センサで顧客の出入りを検知したり、連絡スイッチなどの構造も示されている。

ところでこの味集中カウンターは新型コロナの対策として最適なので、多くの飲食店が真似をしようとするかもしれない。しかし顧客間に仕切りをつけるだけでは特許の真似をしていないとみなされないと思われるので、特許権侵害にはならないかもしれない。

3.ステーキ屋 いきなりステーキ

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最近経営危機が騒がれているいきなりステーキであるが、ステーキを大衆化したという意味で大きく貢献したとも思える。この店舗スタイルやステーキの提供システムも独特である。こちらも特許が取られているが、こちらは、これ成立すんの?ってアマチュアの立場から見ても思う。

一蘭の特許はスイッチやセンサなどの科学技術が使われていたが、いきなりステーキの特許にはそれらしいものが見当たらない。接客マニュアルじゃない?とまで思ってしまう。これが特許になるなら、すごい応用範囲は広くなるのかもしれない。

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