ママというひと

ママが寂しそうだ。
中学生からずっと反抗的な態度を取ってきたけど、離れてからは、友達のようにおはようを言える。
ママは強い人だと思っていた。
私が学校を休んでもママが仕事を休むことはなかったし、シンクに数日分の食器が溜まることもなかった。
今の私くらいのときに、私を妊娠して、産んで、育てた。
強い人に見えていたけど、毎日頑張ってただけだ。
ママの元気がないようなので、機械仕掛乃宇宙を教えてあげることにした。
「好きなうた。これ聴いて毎日がんばってるよ。」
「ママには余計寂しくなる気がする。でも綺麗な声やの。彩華みたいや。」
ママが私の声を綺麗だと思っているとは初めて知った。
私とママは性格が似ていないから、今まで意見が合うことはほとんどなかったけど、確かにこのうたは余計に寂しくなる。正直な言葉が嬉しかった。
幸せになりたいし、ママにも幸せでいてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?