【ADVゲームレビュー】封鎖された人狼村からの脱出 -リメイク- / リアル脱出ゲームオンライン (2021)

封鎖された人狼村からの脱出 -リメイク-

2020年にリリースされ３万人がプレイした「封鎖された人狼村からの脱出」のリメイク版。

SCRAPとホリプロがタッグを組み、オンライン型のリアル脱出ゲームの原点とも言える作品を再構築。
人狼ゲームとアドベンチャーゲームとの相性の良さは既に知るところではあるが、オリジナルの設定を追加して、謎解きゲームとして昇華した形だ。
その意味では、人狼という設定はもう概念化しているのだな、といったところで、人狼ゲーム未経験者にとってはミスリードになってしまう部分もあろうが、実際は予備知識なく楽しめる作品である。

封鎖された異国の村に、コロナ禍におけるリモート文化を彷彿とさせる設定を持ち込み、昼は魔法の水晶を使ったリモート会議、夜は人狼に対抗するための道具を取り出すために暗号解読に挑戦。
村人たちが全滅する前に、人狼を特定し、封印できればゲームクリアとなる。
といっても、ゲームそのものに制限時間はなく、暗号を解くと次の動画に進めるシンプルなゲーム進行。
謎解きの難易度もやさしめで、謎解きゲームのデビュー戦としてぴったりと言えそうだ。

キット類も不要で、サクサクできる。
慣れていればプレイ時間は短めに感じてしまうかもしれないが、体験型というよりは、劇場型といったスタイル。
有名キャストが出演する動画演出により没入感は十分で、＋αの謎解きもあり。
本編は問題の歯ごたえ的にやや物足りなさが残ったものの、もうひとつ深いところへ、という欲求を満たしてくれた形。
なお、最後の謎解きを終えると、URLに再アクセスできなくなる仕様には要注意である。

導入にはもってこいのコンテンツが定期的にリニューアルされて、とっつきやすさが維持されるのは業界的には悪いことではないはず。
経験値としてベーシックなものを押さえておきたい、というプレーヤーは、はやめの時期に取り組むのが吉。
謎解き初心者のうちにプレイするのが、絶対に楽しいと思うので。

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