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日記「見晴台」

小高く開けていて眺めのよい地は見晴台や展望台と名付けられることがある。施設とも地形とも言い難い不思議な場所だ。

「台」という言葉も奇妙で、人工的に台が作られている場合もあるけどベースは山や丘といった自然物で、境目が曖昧である。
人工の台が作られているのは大抵の場合展望台と名付けられた場所で、地面もコンクリート敷でペッパーくんを無骨にしたような望遠鏡まで据え付けてある。見晴台はより弱々しく、山道の途中のなんとなく開けた場所だったり、ベンチが置いてあるだけだったり、景色もなんとなくいいようなそうでもないような、そもそも藪に囲まれて見晴らすことすらできなかったりする。
「展(ひら)いて望む」ことはなく、あくまで見るに留まるというひかえめさがこの差を表している気がする。

どこか東京ではない県の見晴台で「天気の良い日には富士山が見えます」と同じように「天気の良い日にはスカイツリーが見えます」と書かれていたことがあった。スカイツリーは見晴台という言葉にぴったりだと感じた。
潰した箱ティッシュに不思議と似ているあの塔。

その時スカイツリーは見えなかったが、自分とスカイツリーの間に確かに漂う、見ることを拒絶するものの存在をはっきりと感じた。
そしてそういうものは普段の生活の間を埋め尽くしているのだということも。

富士山を望むことができるという。

きたる11月、イエデイヌ企画さんに新作戯曲を上演していただくことになりました。
旅行と古い家とを題材にした2人芝居です。見晴台も登場します。

チケットの発売も始まっております。お誘い合わせの上、ぜひお越しください。

イエデイヌ企画2023年公演「エリカによろしく」
【公演詳細】
https://iedeinu-kikaku.mystrikingly.com/next

料金:
一般 3,000円
学生 2,500円
(当日料金は各+500円)

日時:
2023年11月24日(金)19:00-
25日(土)14:00- / 19:00-
26日(日)14:00-
※開場は開演20分前
※上演時間約100分を予定(途中休憩あり)

演出:福井歩
作:魚田まさや
場所:三鷹・SCOOL
東京都三鷹市下連雀 3-33-6
三京ユニオンビル 5F
三鷹駅南口・中央通り直進3分、右手にある茶色いビル5階

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