父と梅酒

酔わない梅酒というものを聞いたことがある。

しかし、それを飲む気にはならない。

私はまだ未成年だからだ。

未成年でもノンアルコールなら大丈夫だという人もいるが、

それを言ってくる人は、昔悪さをしていた人である。

父のことなのだが。

父が和歌山の山奥にある宿に連れて行ってくれた時、

初めて梅ジュースを飲んだ。

美味しさを口にすることは難しく、

ちびちびと少しずつ飲んだことを覚えている。

父には感謝しているが、好きでは無い。

女癖の悪さや、すぐに調子に乗るところ

周りが見えないことなど、挙げ出したらキリがない。

まぁ、思春期真っ只中の娘の言うことだから

軽く流してくれればいい。

最後に、二十歳になったら一緒に梅酒を飲んでほしい。